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映画「インターステラー」を理解するための用語解説

クリストファー・ノーラン監督の「インターステラー」にはSFや物理になじみのない人には聞いたことが無い用語が特段の説明も無く出てきます。予備知識が無くても空間と時間を越えた父と娘の絆を描く映画として十分楽しめますが用語を理解しているとよりスムーズに作品世界に入って行けます。

更新日: 2017年11月22日

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KURISEKIHANさん

ブラックホール

超新星爆発を起こすような重い星の中でも、太陽の20倍を超えるような非常に重い星の場合、超新星爆発を起こしたあとに残される中心核は自らの重力に耐えられず、さらにどんどんつぶれていきます。こうして極限までつぶれた非常に密度の大きい天体が、ブラックホールと呼ばれます。アインシュタインが提唱した一般相対性理論によれば光も重力の影響を受けるので、非常に重力の強いブラックホールからは光さえも出てくることができません。このため、「黒い穴」のように見えるだろうということで、ブラックホールという名前がつけられました。

事象の地平面(地平線)/event horizon

ブラックホールの構造は、基本的にはすべて同じで、中心にあるきわめて重い天体(「特異点」)の周りを、不思議な輪のようなものが取り囲んでいます。この輪の内側は完全に外の世界と分離しており、いったんこの輪の中に入ると2度と外に出ることはできません。「地平線の向こうで起こっている出来事は知ることができない」の意を込めて、この輪のことを「事象の地平線」と呼ぶようになったのです。

英語の「event horizon」を直訳したのが「事象の地平線」。実際は天体を取り囲むように存在する「面」として存在するので「事象の地平面」と訳されることもあるが同じ意味。

「事象の地平線」の輪の中は、重力が非常に強く、どんな物体も外に向かって運動することはできません。ブラックホールの中は、井戸のような深いくぼみになっており、たとえ光のように速い速度で移動するものであっても、抜け出せない空間になっています。ちょうど「事象の地平線」の位置が、光の速度で脱出できるギリギリの境目であり、たとえ光であっても、「事象の地平線」を超えた瞬間からそのままブラックホールを回る軌道に永遠に組み込まれてしまうのです。

光ですら脱出できないのだから宇宙船が「事象の地平面」の内側に入ったら永遠に脱出することはできません。「事象の地平面」の内側がどうなっているか外側から覗くこともできません。

特異点(重力の特異点)

ブラックホールの中心は、そこにもともとあった星の質量をすべて含んでいます。重力のはたらきで、星の全質量が一点に集中し、無限大の密度をもつ、まったく質量のない「特異点」に集約されるのです。

特異点は、ある基準の下、その基準が適用できない点である。
ブラックホール内には、時空に於ける特異点が存在すると考えられている。

時空は、時間と空間を合わせて表現する物理学の用語、または、時間と空間を同列に扱う概念のことである。アインシュタインは相対性理論を構築し、時間と空間を合わせたものを四次元時空と呼び、四次元時空こそが物理学の対象だと導いた。

ワームホール

ブラックホールは、光でさえも飲み込んでしまうほどの強い重力を持つ天体、いわば時空に開いた“穴”なのですが、理論上、時間方向に反転してやるとなんでも吐き出す穴、すなわちホワイトホールの存在を考えることができます。この両者を結びつける仮想的なトンネルのことを、ワームホールと呼んでいます。この穴を使ってワープができるのではないか、そのような可能性を追求した研究者がいます。

ワームホールの理論を使ってタイムマシンを考た科学者こそ、映画「インターステラー」の科学コンサルタントを務めたキップ・ソーン博士。

高重力環境での時間の遅れ

一般相対性理論においては、重力は空間(時空)を歪ませ、時間の進みを遅らせる。このため重力場の存在する惑星上では、重力の無い宇宙空間に比べて時間がゆっくり進むことになる。

5次元・重力だけが次元を超える

『我々の認識している4次元時空(3次元空間+時間)の宇宙は、さらに高次元の時空(バルク、bulk)に埋め込まれた膜(ブレーン、brane)のような時空なのではないか』と考える宇宙モデルである。低エネルギーでは(我々自身を含む)標準模型の素粒子の相互作用が4次元世界面(ブレーン)上に閉じ込められ、重力だけが余剰次元(5次元目以降の次元)方向に伝播できる、とする。

作品中の5次元はリサ・ランドール博士の主張する「ブレーンワールド」に基づいていると思われる。アインシュタインの定義した四次元時空(三次元空間+時間)の空間的に一つ高次の時空。

重力ターン(スイングバイ)

重力ターン(スイングバイ)とは、天体の万有引力を利用して宇宙機の運動方向を変更する技術。天体の公転運動を利用することで宇宙機を増速あるいは減速することができる。

運動の第三法則(作用・反作用の法則)

物体が他の物体に力を及ぼすとき、他の物体から同じ大きさの逆向きの力を受ける。

通常ロケットの場合はガスを後ろ側(下側)に射出することで推進力を得ていますが、これは運動の第三法則にのっとり後方へ何かを押し出すことで前に進む力を得ているわけです。宇宙空間では燃料でなくても質量のある何かを後ろに放り投げればロケットはその分、前に進むということ。物語の終盤で重要な意味を持ちました。

ラザロ

《ヨハネによる福音書》第11章によれば,病のため死去したが,その4日後,布教先から帰ったキリストが,墓の前で祈り呼びかけると,奇跡的に蘇生した(ラザロの復活)。

一旦死んで復活したことから、死にかけている地球からの人類の復活の意味を込めて作中の「ラザロ計画」が名付けられた。

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