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人は誕生日には年をとらない? ~4月1日生まれが早生まれの理由(年齢計算ニ関スル法律)~

なぜ4月1日生まれが早生まれなのでしょうか? その鍵は「年齢計算ニ関スル法律」にあります。

更新日: 2014年12月28日

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yhk_namaさん

誕生日おめでとう!今日から○歳だね!
 人は誕生日に年をとるというのが一般的な感覚ですが、実は、法律上これは間違いです。

▼期間の計算方法(民法)

期間の計算方法については、民法の第1編(総則)第6章(期間の計算)に、次のとおり、原則的なルールが定められています。

・日、週、月又は年によって期間を定めたときは、その期間が午前零時から始まるときを除き、翌日から起算する(140条)
・週、月又は年によって期間を定めたときは、その期間は、暦に従って計算する(143条1項)
・週、月又は年の途中から期間を起算するときは、その期間は、最後の週、月又は年においてその起算日に応当する日の前日に満了する(143条2項)

なお、「暦に従って計算する」とは、
1か月を30日、1年を365日というように、日に換算して計算するのではなく、
例えば、8月1日から1か月というときは8月31日まで、2月1日から1か月というときは2月28日までというように暦の日数に従って計算するということです。

このルールに従えば、
4月1日生まれの人は、午前0時ちょうどに生まれた場合を除き、
翌日の4月2日が起算日となり、
1年後の「起算日に応当する日(4月2日)の前日」である4月1日、
すなわち【誕生日に年をとる】ことになります。

▼年齢計算の場合(年齢計算ニ関スル法律)

ところが、年齢計算については、民法とは異なる特別ルールが定められています。
 それが、「年齢計算ニ関スル法律」です。

全3項からなる極めて簡素な法律ですが、この法律では、
・年齢は出生の日から起算すること(1項)
・民法143条の規定(暦による期間の計算)を準用すること(2項)
が定められています。

最大のポイントは、「出生の日から起算する」というところで、
民法のルールによれば、午前0時から始まる場合を除き、
“誕生日の翌日から” 起算することになりますが、
この法律により、年齢を計算する場合は、何時に生まれようとも、
“誕生日から” 起算することになります。

したがって、
4月1日生まれの人は、何時に生まれようとも、
4月1日が起算日となり、
1年後の「起算日に応当する日(4月1日)の前日」である3月31日、
すなわち【誕生日の前日に年をとる】ことになるのです。

さらに細かく言えば、年をとる「時刻」は、誕生日の前日の午後12時と解されます。

▼4月1日は早生まれ

法律上、人は「誕生日の前日」に年をとるということをお分かりいただけたところで、次に、学校教育法を見てみましょう。
 学校教育法17条1項は、小学校への就学時期について、次のように定めています。

・保護者は、子の満六歳に達した日の翌日以後における最初の学年の初めから、子を小学校に就学させる義務を負う。

何だか難しい言い回しですが、上記のとおり、
「満六歳に達した日」=「6歳の誕生日の前日」
「満六歳に達した日の翌日」=「6歳の誕生日」ですので、
つまり、小学校への就学時期は、
「6歳の誕生日以後に始まる学年から」ということになります。

小学校の学年は4月1日から始まりますから、
4月1日生まれはギリギリセーフ(誕生日「以後」ですので誕生日も含みます)、
4月2日生まれは既に学年が始まってしまっていますから、ほぼ1年待って、翌年の学年(4月1日)から就学ということになります。

もし誕生日に年をとるのだとすると、
「満六歳に達した日」=「6歳の誕生日」
「満六歳に達した日の翌日」=「6歳の誕生日の翌日」となり、
4月1日生まれは、翌年の学年から就学ということになり、早生まれにはなりません。

したがって、その学年で見ると、最も年上は4月2日生まれ、最も年下は4月1日生まれということになりますが、
そうすると、4月1日生まれは、むしろ「遅生まれ」ではないかという気がしてくるのですが、なぜ「早生まれ」と呼ぶのでしょうか。

▼「早生まれ」の語源

この言葉は、日本で60年ほど前からあまり使われなくなった「数え年」という年齢の数え方に由来する。
 日本は古くから、現在使われている「満年齢」ではなく、「数え年」で年齢を数えてきた。生まれた瞬間(年)を1歳として、その後、正月(新年)を迎えるたびに1歳ずつ加える方式で、同じ年に生まれた人は、誕生日に関係なく、正月が来ればみんな一斉に年を1つ取る。

日本国語大辞典第2版(小学館)では、早生まれの由来を「4月2日以降に生まれた児童が数え年8歳で小学校に入学するのに対して、それより早く、数え年7歳で入学するところからいう」と解説している。

ということのようです。
 ちなみに、年齢の言い表しが「数え年」から「満年齢」に切り替えられたのは昭和25年1月1日で、これは「年齢のとなえ方に関する法律」で定められています。

▼結び

何だか一般的な感覚とずれてる気がしますが、政府としては、「社会における常識と異なるものではない」、「一般常識に反する等の御指摘は当たらない」と考えているようです。

▼参考

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