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ヨーロッパの『紋章学』基本を学ぶ

ヨーロッパなどで広く使われていた紋章。実はルールが決まっていて『紋章学』という分野となっています。これを学ぶと一族の歴史やメッセージが読み解けるようになります。ここでは基本的なルールをまとめ、簡単な紋章を自分で作ることができます。

更新日: 2015年02月25日

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radiconさん

紋章

紋章(もんしょう、英: Coat of Arms)とは、個人及び家系を始めとして、公的機関、組合(ギルド)、軍隊の部隊などの組織及び団体などを識別し、特定する意匠又は図案である。

紋章の定義には諸説あるが、概ね紋章が持つべき最低限の要件は、個人を識別できるよう全く同じ図案の紋章が2つ以上あってはならないことと、代々継承された実績を持つ世襲的なものであることの2点である。厳密な意味では、紋章と呼べる要件を満たしているものはヨーロッパと日本にしか存在しない。それ以外のものは、いずれも「しるし」と訳される「エンブレム」や「インシグニア」と呼ばれて区別されるが、しばしば紋章と混同される。

なんと、紋章と呼ばれるものはヨーロッパと日本にしかないようです。文化的共通点があると、なんだか親しみを感じますね。

慣習としての紋章学の起源は、戦闘に参加している者の顔が鉄鋼製の兜で隠れている際に個人を識別する必要性にあった

なるほど。確かに甲冑を着ていたら、誰が誰だかわかりませんよね。他の文化とともに出来上がったようです。

紋章は紋章官によって管理されていました。彼らの仕事は以下の通り。
・紋章にまつわる事案を発議すること、及びそれを管理監督すること。
・国家の儀式を手配し、それに参列すること。
・紋章や系譜の記録を保存すること、及びそれを解釈すること。

リチャード3世の時代にイングランド紋章院が創設され、紋章の調査、登録、認可、訴訟などの一切の紋章事務を取り扱うようになった。

紋章を見ていくことで、歴史や人々の動きが見えてきます。

【各部分の名称】

紋章は図のようなエスカッシャン(Escutcheon、盾)、ヘルメット(Helmet、兜)、クレスト(Crest、兜飾り)、マント (Mantling)、リース (Wreath)、サポーター(Supporter、盾持ち)、モットー(Motto、座右の銘や家訓)の構成要素からなる。

■エスカッシャン(Escutcheon、盾)

エスカッシャン(英: Escutcheon)は、紋章の中央に示されている盾(シールド)を指すために使われる紋章学の用語である。

紋章の中心要素は、エスカッシャンである。一般に、紋章の中で用いられるシールドの形は特別な意味を持たない。紋章芸術で使用される盾形の流行はだいたい数世紀にわたって変化した。

エスカッシャンの例
1. 古フランス式 (Old French)
2. フランス式 (Modern French)
3. オーバル (Oval)
4. ロズンジ (Lozenge)
5. スクウェア (Square)
6. イタリア式 (Italian)
7. スイス式 (Swiss)
8. イギリス式 (English)
9. ドイツ式 (German)
10. ポーランド式 (Polish)
11. スペイン式 (Spanish)
それぞれの名称は便宜的なもので、その国の紋章が必ずその形という意味ではない。

・ティンクチャー

ティンクチャー(英: Tincture、仏: Couleur)は、紋章学における紋章の色のことである。ティンクチャーには、大きく分けて金属色 (metals) 、原色 (colours) 、毛皮模様 (furs) の3種類がある。

戦場で個人を特定するという当初の目的から遠くからでも見分けられる視認性が重視されており、視認性を低下させる原色の隣りに原色又は金属色の隣りに金属色という配置は原則として禁じられている。

この原則は暗黙のルールとして、厳格に守られているようです。

下記がティンクチャーの一覧。図の左半分はティンクチャーを表す。右半分は色を使わずに白黒だけで表現する、『ペトラ・サンクタの方法』と呼ばれる方法でそれぞれのティンクチャーを表現した場合の模様。

金属色のティンクチャーにはアージェントとオーアの2色がある。アージェントは銀色を表し、オーアは金色を表すが、それぞれ白色と黄色で置き換え可能である。白あるいは黄を用いた場合であっても、それらの色は金属色と認識される。

原色のティンクチャーにはアジュール、ギュールズ、パーピュア、ヴァート及びセーブルの5色がある。アジュールは青色、ギュールズは赤色、パーピュアは紫色、ヴァートは緑色、セーブルは黒色を表す。

毛皮模様のティンクチャーにはアーミンとヴェアの2色がある。アーミンはシロテンの毛皮を表し、ヴェアはリスの毛皮を表したものである。アーミンとヴェアはいずれも金属色1色、原色1色の2色を用いた模様であるが、紋章学上はこれらは1色として扱われ、金属色及び原色のどちらの隣りにも配置することができる。

この他に、表現したいものによって自由な色を使う『自然色』があります。

自然色は英語ではプロパー (proper) と呼ばれ、上記のいずれのティンクチャーにも当てはまらない色に対して用いられる。本来は、「自然界に存在する色」という意味で、例えば人間の肌色がその代表例である。

・フィールド

フィールド(英:Field、仏:Champ)は、紋章学及び旗章学におけるシールド又は旗の背景である。フィールドは通常、1つ以上の原色、金属色又は毛皮模様のティンクチャーから成る。

非常に稀なケースでは、フィールド(またはその分割されたフィールド)はティンクチャーでなく、景色 (landscape) であることがある。

・チャージ

チャージ(英: 仏: Charge)は、紋章学及び旗章学における、エスカッシャン(シールド)上のフィールドを占める図のことである。

チャージには、動物や植物などの生物、様々な物体、幾何学的な紋様が含まれる。また、紋章学に特有であるチャージに加えて、自然(地形や気象現象)や神話、工業技術に至るまであらゆる分野に見られる幾多の物が紋章に表された。

A - チーフ
B - デキスター
C - シニスター
D - ベース
E - デキスター・チーフ
F - ミドル・チーフ
G - シニスター・チーフ
H - オナー・ポイント
I - フェス・ポイント
J - ノンブリル・ポイント
K - デキスター・ベース
L - シニスター・ベース
M - ミドル・ベース (稀)

チャージは主に2種類に分かれます。オーディナリーと呼ばれるプロパー・チャージ (Proper charges) と、その他のコモン・チャージ (Common charges) です。

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