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『表現の自由』どこまで許される? 仏風刺画はユーモアか、それとも侮辱か

世界を震撼させたシャルリー・エブド襲撃テロ事件。ヨーロッパの人々が信奉する「表現の自由」は、一体どこまで許されるのでしょうか。

更新日: 2015年01月17日

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侵された"表現の自由"、シャルリー・エブド襲撃事件

フランスの週刊誌シャルリー・エブドが襲撃事件の前号で掲載していた風刺画。

フランス紙襲撃テロ事件は、2015年1月7日午前11時半、フランス・パリ11区にある風刺週刊誌を発行している「シャルリー・エブド」本社に覆面をした複数の武装した犯人が襲撃し、警官2人、編集長、風刺漫画の担当者やコラム執筆者ら合わせて、12人を殺害した事件

事件の前号では「フランスではいまだに襲撃が全くない」という見出しの下で、ジハディスト戦士がロシア製の自動小銃「AK-47」を携え「慌てるな!新年のあいさつだったら1月末まで間に合うぞ」と叫んでいる風刺画が掲載されていた

シャルリー・エブドの事件直前の週刊誌には、(いつものことながら)イスラムを挑発するような風刺漫画が。

2015年1月7日に起きた襲撃事件の原因も風刺画とみられており、これによって著名な風刺漫画家4人を含む12人が命を落とした

この一連の事件が、世界に大きな衝撃を与えました。

なぜシャルリー・エブドは狙われたか ── シャルリー・エブドによるイスラム風刺

イスラム国がムハンマドの首を切ろうとしている。

このようなヌード姿のムハンマドの風刺画を、フランス政府からの警告を無視し、度々掲載し続けてきた。

ムハンマド「星の誕生!」

ムハンマド「笑い死にしなきゃムチ打ち100回の刑!」

ムハンマド「こんなアホどもに愛されるのは辛い」。
当時のシラク大統領からも「行き過ぎた挑発だ」と批判された。

「憎しみより愛を」ムハンマドを同性愛者であるかのように描いた風刺画。
※現在のイスラム教では、同性愛は死刑にされる国もあるほどの重罪

「コーランは戯言です、それは弾丸を防いではくれません」

イスラム教では偶像崇拝が禁止され、ムハンマドの肖像を描くことがタブーとされています

そもそもムハンマドの肖像を描くことが禁止された宗教がイスラム教です。
シャルリー・エブドによるこれらの風刺画が、イスラム教徒の怒りを買ったとしても何ら不思議ではありません…。

表現の自由は侮辱の自由?

風刺をされる側にとって、それは「表現」ではなく「侮辱」と受け止められてしまう可能性があることに、少しでも想いを巡らせてみることはそんなに難しいことでしょうか。

シャルリー・エブドの編集方針

シャルリー・エブドというのは1960年に創刊された「アラキリ」という雑誌を前身とした週刊誌でご存知のように風刺画をウリにしている

「アラキリ」は「Harakiri」(フランス語ではHを発音しない)、つまり日本語の切腹のこと。
この雑誌は1970年代に発禁処分を受け、現在のシャルリー・エブドに改名した。

左派寄りの風刺新聞であり、イラスト(風刺画)を多用し、フランス国内外の極右、カルト教団、カトリック、イスラム教、ユダヤ教、政治 等に関して、調査報道を行っている

左派寄りのフランスの週刊誌。

シャルリーの風刺と揶揄はもともとローマ法王、ラビ(ユダヤ教指導者)ら、全ての宗教が対象だった。2006年に、デンマークの雑誌に載ったイスラムの預言者ムハンマドの風刺画を転載して脅迫を受けたため、イスラムの預言者ムハンマドを扱う頻度が高まった

もともと世俗主義的なシャルリー・エブドは、原理主義的な宗教にはイスラムに限らず敵対的な態度を示していました。

風刺されるって、どういうことだろう? フランス紙が掲載した、東日本大震災後の日本の風刺画

海外のことなので、"風刺の対象となる" という事がピンと来ない方も多いかもしれません。
そこで、フランス紙が掲載してきた、東日本大震災後の日本の風刺画を見てみましょう。

フランスの週刊紙カナール・アンシェネが掲載した相撲の風刺画。
腕や脚が3本ある奇形の力士の横に立つ人物が「素晴らしいフクシマのおかげで相撲が五輪種目になりました」とコメントしている。

この風刺画を描いた漫画家ジャン・カビュは、今回のシャルリー・エブド襲撃事件で犠牲になった。

防護服を着て放射線測定機を持った人物2人がプールサイドに立っている「五輪のプールはもうフクシマに」と題された風刺画。
カナール・アンシェネが掲載。

フランスの夕刊紙ル・モンドが掲載した「フクシマを忘れるための東京オリンピック」

「フクシマは対策済みです、汚染水も完全にコントロールされています」と説明する日本人らしき防護服の人物。

放射能汚染の中で行われるオリンピックを揶揄。

表現の自由を求める「私はシャルリー」に、あなたは何を感じる?

テロ後のフランスでは、"Je Suis Charlie"(私はシャルリー)を標榜し、表現の自由を謳う運動が巻き起こった。

パリの新聞社「シャルリー・エブド」が襲撃された事件を受け、「私はシャルリー」という合い言葉で連帯を示す運動が広まっています

わずか3つの単語から成るそのスローガンは、仏パリ(Paris)で起きた風刺週刊紙シャルリー・エブド(Charlie Hebdo)本社襲撃事件への抗議を示す言葉として瞬く間に世界を駆け巡った

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