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クモ糸は夢の繊維!? 最強の新種蜘蛛とクモ糸研究最前線

鋼鉄に比べ5倍の強度を誇り、防弾ベストなどにも使われるケブラー繊維の、そのまた10倍という凄まじい強度を誇る糸を生み出すクモ「ダーウィンズ・バーク・スパイダー」が発見されたのが2010年。柔軟性と強度に優れ、近未来の繊維として注目を集めるクモ糸研究の最前線を紹介します。

更新日: 2015年01月28日

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2010年に発見された新種の蜘蛛、ダーウィンズ・バーク・スパイダー

ダーウィンズ・バーク・スパイダー(英語:Darwin's bark spider、学名:Caerostris darwini)とは、コガネグモ科に分類されるクモ

メスの方がオスよりも極端に大きい、「性的二形」の形態をとるクモです。

2010年にマダガスカル東部のトアマシナにあるアンダシベ・マンタディア国立公園で発見された

イギリスの自然科学者チャールズ・ダーウィンの著書、『種の起源』出版から150周年目に発見されたことに因んでこの名がつけられた

チャールズ・ダーウィンにあやかって名付けられたこの新種は現在、アフリカ大陸南東のマダガスカル島にだけ生息している。

多くの固有種のいるマダガスカルで、このダーウィンズ・バーク・スパイダーもまた同島の固有種です。

糸は生物最強の強度を誇る

ダーウィンズ・バーク・スパイダーの巣。

巣を造るのに用いられる糸は、これまでに知られている生物が生成する物質の中では最も頑丈

なんとダーウィンズ・バーク・スパイダーのクモの巣の素材は、同じ重量であれば鋼鉄よりも頑丈で、ケブラー繊維の10倍以上の強度を誇る

防弾チョッキなどの素材として使われるケブラーの10倍の強度があるらしい。

強度だけでなくその大きさも特徴的で、網の幅はおよそ25メートル、面積は2.8平方メートルにおよぶ。これはクモ一匹が造る網としては世界最大

調査チームは、ダーウィンズ・バーク・スパイダーの幅25メートルに及ぶ網を複数発見した。
大型バス約2台分に相当する長さだ。

そんなに巨大な巣を作る生き物が、2010年まで発見されていなかった事にも驚き…

網を張るのはほとんどがメスだという。若い頃はオスも糸を引く習性があるが、成長すると生殖活動に注力するようになる

鋼鉄よりも遥かに強い ── クモ糸繊維は夢の素材

クモの糸を人工的に大量生産する研究は、数十年前から世界中で取り組まれてきました

非常に強い強度と伸縮性をもつ、蜘蛛の作る糸は、生産方法や利用方法について以前より研究が進められていました。

クモの糸は鋼鉄やケブラーより頑丈で、さらに柔軟性でははるかに勝っている。通常の長さから40%、途切れさせずに引き伸ばすことが可能だ

一般的な繊維は、構造の一部に亀裂が入ると、そこから破壊が進み、最終的に切れたり破れたりしてしまいます。いっぽう、天然のクモ糸は、壊れても瞬時に分子構造が再構築され、切れずに伸びていく。こうしたメカニズムにより、非常に高いタフネスを発揮できると考えられています

出典wired.jp

マダガスカルのコガネグモ科のクモ100万匹から採集された糸から作られた織物。

すでに世界各地で同素材は注目の的となっており、あの米軍が兵士の防御力を高めるために装備に応用する計画まで上がってる

人口クモ糸の生成にはまだまだ課題が多い

クモ糸は、鋼鉄より4倍ほど強く、ナイロンより柔軟なことから「夢の繊維」と言われる。
だが、クモは縄張り争いや共食いが激しく、蚕のように人工飼育できないため、工業化は困難とされてきた

まとめて飼育するのが簡単なカイコと違い、クモには一緒に閉じ込めると共喰いをする習性があり、大量に飼育することは困難です。

実験室でクモの糸を作るのが難しい理由の1つとして、糸が最初は液体タンパク質である点が挙げられる。クモはまず、腹部にある特別な腺[出糸腺]に液体タンパク質をつくる。その後、出糸突起で液体タンパク質に物理的な力を加え、分子構造を再構成することで、固体のクモの糸が作り出される。この仕組みを人工的に作り出すことに、まだ完全には成功していないのだ

クモ糸の製品化はやはり難しく、世界最大の総合化学メーカーであるBASFも、世界第三位の科学メーカーであるDuPontも、人工クモ糸の製品化事業から撤退

日本のベンチャー企業により、人口クモ糸の実用化に兆しも

新素材「QMONOS」(クモノス)によって作られた衣服。

強度は鉄鋼の4倍、伸縮性はナイロンを上回り、耐熱性は300度を超える。そんな驚異的なクモ糸の特性を活かした新素材「QMONOS®」が、山形県鶴岡市に拠点を置く慶應義塾大学先端生命科学研究所発のベンチャー企業から誕生した

2014年末に、山形県のベンチャー企業が驚異的な強度を誇る人口クモ糸繊維の開発に成功。

慶応大学発のSpiberという山形県鶴岡市に本社を置くベンチャー企業は、平成27年度中に月産1tの量産技術が確立し、その工場を平成28年中に稼働させる計画

量産技術の確立に向けて、新たな一歩が踏み出されました。

大量生産の技術が進歩して製造するための費用が下がってくれば、人工クモの糸は、たんに衣料用の繊維としてだけではなく、さまざまな目的に利用されるでしょう。

炭素繊維などと混ぜて、さらに軽くて丈夫な飛行機の機体や自動車部品にしたり、軽くて柔らかく長持ちする素材として人工血管や手術用の糸などに加工することも考えられています。紫外線に強い性質を利用すれば宇宙服の材料にもなるでしょう

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