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【湿原の白馬】カマルグ馬【Le Cheval de Camargue】

フランス南部、ローヌ川河口にあるカマルグ湿原に生息する半野生馬・カマルグ種について

更新日: 2015年03月24日

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muzin_muzinさん

カマルグ馬はフランス南部のカマルグ湿原に生息する、古い品種の特徴を残す馬種です。体高は平均135-150cmと小型で、体重も350-500kgほどです。
知能は賢いとされ、小柄ですが筋肉質で頑強な骨格をしています。
「白い馬」と紹介されることが多いですが、正確な毛色は『芦毛』です。
また「野生馬」とも呼ばれますが、厳密には放牧状態で生息していても人間による管理はなされている「半野生馬」です。

カマルグ湿原はフランス南部、地中海に面した湿地帯です。独特の自然環境を持つことからフランス政府により自然保護地域に指定され、また1986年には湿地の保護を目的としたラムサール条約の登録地に指定されました。

品種の起源ははっきりしていませんが、最近の研究ではフランス南部ソリュトレ遺跡から見つかった先史時代約2万5千年前の古代馬の骨がカマルグ種に似た特徴があるとして同系統であると推測されています。(画像は記事としての正確性には欠けますが、ラスコー洞窟・約1万5千年前の馬の壁画を掲載しています)

カマルグ馬は大人しい性質でスタミナもあり古くから乗用、特に遠乗り用の馬として利用されてきました。また知能もありドレサージュのような馬を利用する競技にも用いられます。

ガルディアン(Gardian)はカマルグ地方の言葉で、英語でのカウボーイの意味。やはりこの地で放牧飼育されているカマルグ種の牛を管理する仕事をしています。
湿地の移動は自動車の利用が難しいため、この地形に適応したカマルグ種の馬に騎乗しています。

この地で飼育される牛は、馬とは対照的に黒い被毛を持っています。食肉とされるのはもちろん、この地で開催される闘牛にも登場します。

カマルグ式闘牛は有名なスペインのものとは違い牛を殺しません。ルールは闘牛場に放たれた牛の角や頭部、背中に取り付けられたリボンや紐などの飾りを奪い取るというもの。しかし長い角を持ち、興奮して突進する牛を相手にする競技は危険であることに間違いはありません。

闘牛の行われる日、村の男達がカマルグ馬に乗り牛を会場へと追い立てている様子です。画像では見えませんが4頭の雄牛が馬の中心に囲まれているそうです。

成馬は白い被毛ですが、生まれた時には濃茶、または黒い被毛をしています。
親のような完全に白い被毛へと変わるのは生後およそ4,5年ほど掛かります。

カメラ・メーカーであるキヤノンが制作したTVコマーシャルにて。水辺を走るカマルグ馬とそれを追い立てるガルディアンの様子が撮影されています。

アルベール・ラモリス監督(Albert Lamorisse)、1953年公開のフランス映画『白い馬』(原題Crin Blank)では、カマルグ湿原の美しい自然を舞台に、少年と馬との交流の物語が描かれました。

農業、運輸の分野において機械化の進んだ現代、産業馬の需要は減少する一方でした。カマルグ馬もその例に漏れず、衰退の道を辿っていた時代もあります。
しかしいくつかの映像作品で、湿地という特殊な自然環境と美しい馬の組み合わせが紹介されるようになると、人々の関心を惹きつけることとなりました。
現在ではカマルグ馬との触れ合いはこの地方の観光ツアーでの目玉とされています。

カマルグ馬の放牧の様子を空撮により撮影した動画です。

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