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燃料がない!木質バイオマス発電所。 木質燃料は発電所間での奪い合いで、木材価格上昇し他産業にも影響が

木質バイオマス発電は、電力会社の固定価格買い取り制度が施行されたのを機に、木材を燃料とする大規模な発電施設の建設が相次いでいます。しかし、建設ラッシュの陰で発電所同士の間で奪い合いになり、しわ寄せが製紙業など他産業にも波及し、乱伐による森林の荒廃も懸念されています。

更新日: 2016年02月04日

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kitano_kumaoさん

今や風力発電を抜き、太陽光に次ぐ再生可能エネルギーの旗手とされる「バイオマス発電」。電力会社の固定価格買い取り制度が施行されたのを機に、木材を燃料とする大規模な発電施設の建設が相次いでいる。今年だけでも30か所が一気に稼働、さらに30カ所の建設が予定される。

木材、食品廃棄物、下水汚泥、家畜の排せつ物などを燃料とするバイオマス(生物資源)発電は、2012年に再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)が始まって以来、14年3月までにFIT認定を受けた事業は156件で、出力は合計156万キロワットを超えた。

固定価格買取制度での買取価格
間伐材等由来の木質バイオマス 32円/kWh
一般木質バイオマス農作物残さ 24円/kWh
建設資材廃棄物 13円/kWh

@akkun59 日本の木質バイオマス発電は、私が建設を担当した7~8年前に主燃料の建築廃材は無くなっており、大規模な発電所の新設は不可能と考えてました。最近は林地残材を使い、不足分はヤシガラなどの輸入に頼るようになりました。FITの発電電力高値買取のおかげかと思います。

しかし課題とされているのが、燃料となる木材の確保だ。本来は国内森林資源の有効活用が大前提であるが、発電所同士の間で奪い合いになり、しわ寄せが製紙業など他産業にも波及し、乱伐による森林の荒廃も懸念されている。

発電用木材が価格上昇

発電の燃料に使う木材の需要が拡大し、取引価格が上昇している。森林組合から加工業者への出荷価格は前年の2倍になる例が出ている。再生エネルギーとして、間伐材などの丸太を燃料に使う木質バイオマス発電が広がったためだ。

細い丸太などは各地の森林組合が加工業者に出荷し、チップに加工される。
高知県森林組合連合会は発電用の丸太を1立方メートル8000円で販売する。島根県森林組合連合会は6500円でいずれも1年前の2倍近い。大分県の森林組合や三重県の連合会の販価は7000~7500円で2年前の2倍程度となった。

バイオマス発電事業の採算向上への3つの課題

1)燃料の持続的な調達

木質バイオマスの場合、FITを活用すると5000キロワット以上の大規模発電所なら、設備投資額と売電収入が見合い採算がとれるといわれる。しかし運転が維持できる燃料を国内で持続的に調達するのは難しく、おのずと輸入に頼ることになる。そうなると為替変動リスクがつきまとい国内林業や関連産業との関係は薄くなる。FITを定めた再エネ特別措置法では「我が国産業の振興、地域の活性化」を目的としているが、効果はあまり見込めなくなる。

2)エネルギーの効率的な生産と利用

効率化は収益に直結する。企業の工場などで普通に実施されていることがバイオマス発電では生かされていない。発電設備を大型化しても発電効率はせいぜい20%台にとどまる。投入するエネルギーの約8割は熱として捨てられる。だが熱として活用すればエネルギーを9割以上使える。

国産の木質ボイラーは焼却炉などの技術を転用して開発されており、多くは海外製に比べて燃焼効率が劣るようだ。海外製ボイラーは電気事業法の規制により使いづらいのが実情で、規制緩和やボイラーメーカーの工夫が急がれる。

【新しい木材ガス化CHPユニットの特徴】ow.ly/IIYmu ― 5MWの木質バイオマス発電所でも25%程度の発電効率しか得られない。一方、ガス化発電なら、理論的には35%程になるはずだ。近年彗星のごとく出現した小型のCHPユニットの秘密とは!? #環境

新技術としてCHPユニットというのがあるそうです。

3)地域との連携

バイオマス発電は地元の林業や畜産業などを無視しては成り立たない。事業として成功すれば、人口減少に悩む地方で雇用を生み、自立した街づくりに貢献する存在になれる。最近ではこうした課題を乗り越えようとする動きもある。

燃料調達のための対応策

・森林組合との連携

新電力のエナリスは、大分県佐伯市で出力2000キロワットのバイオマス発電所の建設に乗り出した。佐伯広域森林組合と連携し、発生する間伐材や製材を燃料として調達する。

バイオマス燃料の安定的な調達には、木の伐採・山からの搬出・発電所までの物流・乾燥・チップ化等の各種工程の整備と林業者との良好な関係構築が必要不可欠だ ― 宮崎県の木質バイオマス発電事業に3億円出資 環境省の「グリーンファンド」 #環境 ow.ly/E2Z11

・林業事業者との共同経営

三井物産と住友林業は、北海道ガス、林業関連事業のイワクラ(北海道苫小牧市)と、同市で木質バイオマス発電事業を実施する。

木質チップは北海道の林地の未利用木材を年間約6万t使い、苫小牧市の半径150km圏から集める。三井物産は社有林「三井物産の森」を全国に約4万4000ha保有し、うち約8割の約3万5000haが北海道内にある。木質バイオマス発電事業を始めるにあたり、三井物産の森からも未利用木材を提供する。

・官民協働の「兵庫モデル」

木質バイオマス事業は、間伐後に森林に残されたままの丸太などを有効活用することで、再生可能エネルギーの利用を促進するとともに、荒廃した山林を整備して災害防止に役立てる。一連の取り組みは「兵庫モデル」とされ、朝来市は「官民協働で同様の事業を推進するのは全国でも例がない」としている。

・国有林を木質燃料に使用

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