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知らなかった・・・ハイサイおじさんの歌詞にこめられた意味と平和への思い

1976年に沖縄のレコード会社から発売され大ヒットし、現在は沖縄を代表する曲となっている「ハイサイおじさん」の歌詞の意味についてまとめました。そこにこめられた思いは、沖縄の悲しい歴史にありました。

更新日: 2015年02月22日

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この記事は私がまとめました

edmm89さん

「ハイサイおじさん」とは?

喜納昌吉(きなしょうきち)のデビュー曲であり、喜納が高校生の時に創作された。歌詞は実体験を元にしている。「ハイサイ」とは沖縄の言葉で「こんにちは」の意。1976年に沖縄の地元レコード会社マルフクレコードから発売され、30万枚の大ヒット。

実体験とは何なのだろうか?

沖縄民謡のリズムや音階をベースにした非常に明るく踊りやすい楽曲であり、いわゆるウチナーポップの先駆者的な楽曲である。

うちなーぐち(琉球語)が分からないと、歌詞の意味は分からない。

歌詞をみてみよう

1番.
ハイサイおじさん  ハイサイおじさん
昨夜(ゆうび)ぬ三合ビン小(ぐゎ) 残(ぬく)とんな
残(ぬく)とら我(わ)んに 分(わ)きらんな
ありあり童(わらばー) いぇー童(わらばー)
三合ビンぬあたいし 我(わ)んにんかい
残(ぬく)とんで言ゆんな いぇー童(わらばー)
あんせおじさん 三合ビンし不足(ふずく)やみせぇーら
一升(いっす)ビン我(わ)んに 呉(くぃ)みせーみ

2番.
ハイサイおじさん  ハイサイおじさん
年頃(とぅしぐる)なたくと 妻(とぅむ)小(ぐゎ)ふさぬ
うんじゅが汝(いやー)ん子(ぐわ)や  呉(くぃ)みそうらに
ありーあり童(わらばー)  いぇー童(わらばー)
汝(いやー)や童(わらばー)ぬ くさぶっくいて
妻(とぅむ)小(ぐゎ)とめゆんな  いぇー童(わらばー)
あんせおじさん 二十や余て三十過ぎて
白髪(しらぎ)かみてから 妻(とぅむ)とめゆみ

3番.
ハイサイおじさん  ハイサイおじさん
おじさんカンパチ まぎさよい
みーみじカンパチ 台湾はぎ
ありあり童(わらばー) いぇー童(わらばー)
頭(ちぶる)んはぎとし 出来やーど
我(わ)ったー元祖(ぐゎんすん)ん むる出来やー
あんせおじさん 我(わ)んにん整形しみやーい
あまくまカンパチ 植(い)いゆがや

4番.
ハイサイおじさん  ハイサイおじさん
おじさんヒジ小(ぐゎ)ぬ をかさよい
天井(てぃんじょ)ぬいぇんちゅぬ ヒジどやる
ありあり童(わらばー) いぇー童(わらばー)
汝(いやー)やヒジヒジ笑ゆしが
ヒジ小(ぐゎ)ぬあしがる むてゆんど
あんせんおじさん 我(わ)んにん負きらん明日(あちゃー)から
いぇんちゅぬヒジ小(ぐゎ) 立てゆがや

5番.
ハイサイおじさん  ハイサイおじさん
昨日ぬ女郎(じゅり)小(ぐゎ)ぬ 香(か)ばさよい
うんじゅん一度 めんそーれー
ありあり童(わらばー) いぇー童(わらばー)
辻、中島、渡地とぅ
おじさんやあまぬ 株主ど
あんせんおじさん毎日(めーなち)あまにくまとして
我(わ)んねー貧乏(ひんすー)や たきちきゆみ

歌詞の意味を見てみよう

この歌詞は「少年(作曲者自身)」と近所に住む「おじさん」のやりとりを歌っているものであることに留意しよう。

1番.
こんにちはおじさん  こんにちはおじさん
夕べ飲んでいた酒は残っているかい
残っていたなら俺に分けてくれ
ーおいおい小僧、やい小僧
ー三合ビン程度の酒でこの俺に
ー残っているのかと聞いているのかい やい小僧
それならおじさん 三合ビンで不足というのなら
一升ビンを俺にくれるというのかい

2番.
こんにちはおじさん  こんにちはおじさん
俺もそろそろ年頃だから女房が欲しいんだけど
おじさんの娘をくれないかい
ーおいおい小僧、やい小僧
ーガキの癖に生意気言やがって
ー女房を捜そうってのか やい小僧
それならおじさん 二十を越えて三十過ぎて
白髪になってから女房を娶れってのかい

3番.
こんにちはおじさん  こんにちはおじさん
おじさんの頭のハゲは大きいねぇ
ミミズのようなハゲだけど 台湾ハゲって言うんだろう
ーおいおい小僧、やい小僧
ー禿てる奴は頭がいいんだよ
ーうちの先祖もみんな頭が良かったぞ
それならおじさん 俺も整形して
あっちこっちにハゲをこしらえてみようかな

4番.
こんにちはおじさん  こんにちはおじさん
おじさんの髭ってのはおかしいな
天井のネズミの髭みたいだぜ
ーおいおい小僧、やい小僧
ーお前は髭々と笑っているけど
ー髭がある方がもてるんだよ
それならおじさん 俺も負けちゃいられない
明日からネズミの髭でも生やしてみようかな

5番.
こんにちはおじさん  こんにちはおじさん
昨日の女郎はよかったよ
あんたも一度くらい女郎屋にでも行ってみたらどうだい
ーおいおい小僧、やい小僧
ーおじさんは辻、中島、渡地(いずれも遊郭地)の株主なんだよ
それはおじさん 毎日遊郭に籠もって
俺に貧乏しろと言っているのかい

少年と酒飲みのおじさんのコミカルなやりとりのようにみえるが・・・

共同通信社のインタビューでは、あっけらかんとした曲調やとぼけた歌詞の裏にある悲惨な背景が語られている。

ハイサイおじさんのモデルとなった人物は・・・。

女の子が毛布に包まれて横たわっていた。父親が『なぜこの子の足は冷たいの』と毛布を取ったら首が無い。父親は魂を落としたような顔で、しばらく言葉を失った。母親が自分の娘をまな板に乗せて斧で首を切り落としたのである。さらに母親はその頭を釜で煮て、「自分の娘を食べて何が悪い!」と叫んだ。「戦後、家を失ったり精神的におかしくなった女性がたくさんいた。事件の家の父親もそんな女性を家に連れ込むから夫婦げんかばかり」。後、その母親は自殺、父親は酒に溺れてゆく。

太平洋戦争では、あまりにも凄惨な地上戦を経験した沖縄。多くの人が死に、また生き残った人のうちには、限度を超えた恐怖を経験し、気をおかしく人も多かったという。

沖縄戦は、1945年3月26日から6月20日に日米両軍の間で行われ、沖縄の民間人の約9万4千人が死亡した。当時の沖縄県の約5人に1人が死亡したという。

ハイサイおじさんの「おじさん」はこのような父親を歌ったものであるという。

歌詞はつらい過去を背負った社会的弱者の男性のことをおおらかに歌ったもの。

沖縄の悲しい歴史と、平和への思いがこの曲にはこめられているのである。

平和への思いがこめられた曲だったのだ

甲子園の沖縄県代表の応援楽曲として利用されるようになり、いまや沖縄を代表するような曲でもあるが、このような悲しい背景から生まれた楽曲だとは知らなかった人も多いだろう。曲の雰囲気が陽気な分、余計、悲しさが際立ってくるようだ。

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