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【奇跡の脳】脳科学者ジル・ボルト・テイラーの悟り体験

まわりの空間や空気の流れに溶け込んでしまい、もう体と他の物との区別がつかなくなりました。時間も止まり現在の瞬間だけです。意識のレベルが下がっていく中で、ある種の解放感と変容する感じに包まれて、自分が宇宙と一体化していくようです。それは、まるで仏教徒のいう涅槃(ニルヴァーナ)の境地のようでした。

更新日: 2015年06月01日

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curatorさん

脳科学者である「わたし」の脳が壊れてしまった。

ハーバード大学で脳神経科学の専門家として活躍していた彼女は37歳のある日、脳卒中に襲われる。

幸い一命は取りとめたが脳の機能は著しく損傷、言語中枢や運動感覚にも大きな影響が…。

以後8年に及ぶリハビリを経て復活を遂げた彼女は科学者として脳に何を発見し、どんな新たな気づきに到ったのか。

本書は米国でベストセラーになり、さらに著者テイラー博士は2008年のタイム誌「世界で最も影響力のある100人」に選ばれた

体の境界が無くなり、全てのエネルギーと一体になった

彼女は、左脳に脳卒中をおこした経験を持ち、その発症のさなか、自分の脳を客観的に観­察し、
何がおこったかを実に詳細に語っています。

1996年12月10日の朝、私は起きると自分の脳に障害があるのを発見しました。私の左脳で、血管が破裂したのです。 その後の4時間の間に、私は自分の脳が、すべての情報を処理する能力が、完全に退化していくのを見ていました。

私はバランスを崩しそうになって、壁をもたれかかりました。そして腕を見下ろしたときに、自分の体の境界が分からなくなっているのに気がつきました。自分がどこから始まってどこで終わっているのか分からないのです。自分の腕の原子や分子が、壁の原子や分子と混じりあっているのです。

なんとも奇妙な感覚。からだが、固体ではなくて流体であるかのような感じ。まわりの空間や空気の流れに溶け込んでしまい、もう、からだと他のものの区別がつかない

その瞬間― 左脳のささやきが 完全に途絶えました まるで誰かが テレビのリモコンを取り ミュートボタンを押したかのように 全くの静寂になりました 最初 頭の中の静寂に ショックを受けていましたが それからすぐに 周囲の大きなエネルギーに魅了されました もはや 体の境界が分からない私は 自分が大きく広がるように感じました 全てのエネルギーと一体となり それは 素晴らしいものでした

この空間の中では 仕事に関わる ストレスが 全て消えました 体が軽くなったのを感じました 外界全ての関係と それにかかわる ストレスの元が すべてなくなったのです 平安で満ち足りた気分になりました 想像して下さい 37年間の感情の重荷から解放されるのが どんなものか! (笑) ああ! なんという幸福 幸福 とても素敵でした

私は空間のなかでの自分の体の位置が分からなくなり、 自分が大きく広がっていくのを感じていました、ちょうど瓶から解放された精霊のように。そして私の精神は自由に舞い上がりました、 ちょうど音のない恍惚の大海を悠然と泳ぐ鯨のように。涅槃(ニルヴァーナ)だ。これは涅槃(ニルヴァーナ)だ。私はこう 考えていたのを憶えています、私のこの壮大な大きさを、私の小さな肉体に戻して閉じ込めることなどできないだろうと。

時間も止まり、今この瞬間が全てになる

瞬間、瞬間は泡のように消えるものではなくなり、端っこのないものになったのです。ですから何事もそんなに急いでする必要はないと感じるようになりました。

過去や未来に想像を巡らすことはできません。
なぜならば、それに必要な細胞は能力を失っていたから。私が知覚できる全てのものは、今、ここにあるもの。それはとっても美しい。

もう孤独ではなく、淋しくもない。魂は宇宙と同じように大きく、そして無限の海のなかで歓喜に心を躍らせていました。

存在する全てと結ばれている感覚は幸せなものでしたが、自分がもはや正常な人間でないことに、わたしは身震いしました。

左脳が機能しなくなったので、残る右脳の機能が正面に表れてきたのです。まわりの空間や空気の流れに溶け込んでしまい、もう体と他の物との区別がつかなくなりました。時間も止まり現在の瞬間だけです。意識のレベルが下がっていく中で、ある種の解放感と変容する感じに包まれて、自分が宇宙と一体化していくようです。それは、まるで仏教徒のいう涅槃(ニルヴァーナ)の境地のようでした

右脳と左脳の違い

「右脳」にとっては現在が全て。
その場所、その瞬間が全てである。
右脳は映像で考え、自分の体の動きから運動感覚で学ぶ。

右脳の意識を通して見ると私は、自分を取り巻く全てのエネルギーとつながった存在なのです。

「左脳」は直線的、系統的に考える。
左脳にとっては、過去と未来が全てなのである。
左脳は現実の瞬間を表す巨大なコラージュから、詳細を拾いだし、
その詳細の中から、さらに詳細についての詳細を拾い出すように出来ている。

著作の全体を読んで判断したい

一つは、左右脳機能への無理解だ。本書はいわゆる俗流の右脳礼賛本と読まれる危険性がある。左脳の分析的な思考が人間を孤独にし、右脳の情感が連帯をもたらすといった単純な読み方だ。

もう一つは、俗流のオカルト志向を正当化するように誤解されることだ。残念ながら、部分的に取り上げるならそう誤解されてしかたないだろう。だがこれもそうした断片をあげつらうのではなく、本書の全体から読み解くべきだ。

誤解を招いてはいけないが、本書は瞑想など精神の内奥に関心をもつ人なら、著者が意図せずした書いた部分に各種の符丁を見いだし、そこに驚嘆することだろうと思う。

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