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取って安心ではない!?難関ほど資格貧乏に

弁護士、公認会計士、税理士、社労士など一流の資格さえ持っていれば食っていけて安泰…とはいかないのがこのご時世。資格を取得することができても高収入の仕事に就けず、独立しても食えないのは、資格取得者過剰もありますが、資格は仕事に使えてこそというのを忘れている人が多いことか。

更新日: 2018年01月16日

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egawomsieteさん

■資格取得しても働けない「資格難民」の実態

トレンド総研は1月11日、資格とキャリアに関する意識・実態調査の結果を発表した。調査は昨年12月にインターネットで実施し、「資格難民」である20~30代の女性500人から回答を得た。

「資格難民」とは、就職・転職のために資格を取得したが、資格を活かした職業に就けていない人のこと。調査元は、有効求人倍率が1974年以降の高水準であるにも関わらず、資格難民が存在していることを挙げ、


「人によっては、資格の勉強に集中するため前の仕事を辞めてしまい、その後も新しい職が見つからない、というケースもみられるようです」

とコメントしている。

資格を取得したタイミングを聞くと、「学生時代に取得した」が最も多く44%。次いで「仕事をしながら」(35%)、「退職して勉強に専念」(13%)と続く。具体的に資格取得の背景を聞くと、

「現在の仕事を何歳まで続けられるか不安になり、長く続けられそうな医療事務の資格を取った」(27歳・会社員)
「出産・育児で働けない時期に、今後のために就職に有利な資格をと思い、ファイナンシャルプランナーの勉強をはじめた」(39歳・パート)

など、今後働き続けるために取得したという声が上がっている。他にも、「今までとは違う職種で働きたいと思い、簿記の資格を持っていると有利だと感じた」(32歳・専業主婦)とキャリアチェンジに役立つと思ったから、という声もあった。

資格取得にあたっての勉強方法としては、「スクール」(35%)、「独学」(33%)、「通信講座」(26%)と大きく3パターンに分かれるようだ。

しかし何故、資格難民になったのだろうか。資格取得後の就職・転職活動において難しいと感じたことを聞くと、最も多かったのは「条件にあう募集が少ない」(41%)だった。次いで「経験者が優遇され、未経験の場合は不利になる」(36%)、「募集人員が少ない」「人気の仕事であり、競争率が高い」(同21%)と続く。

キャリアアドバイザーの藤井佐和子氏は「『資格難民』に陥りやすいと言われているのが、税理士や社労士といった”士業”」と説明する。


「大きな理由は、市場が縮小している一方で、資格取得者数は増加しており、結果的に競争率が高まっているからです。就職先がなかなか見つからなかったり、自身で開業しても仕事がなく食べていけなかったり、という人も少なくありません」

就業を見据えた資格取得の場合は、その仕事のマーケットを見ておくのも重要なポイントだという。例えば医療・介護分野などは、「高齢化が進む日本では拡大傾向にあるため、資格を活かした仕事に就きやすい」ようだ。

■2015年の公認会計士試験の出願者数、最低を更新 合格者の最高齢は67歳、最年少は19歳

金融庁の公認会計士・監査審査会が13日発表した2015年の公認会計士試験の結果によると、出願者数は前年比6・3%減の1万180人と、新試験制度を導入した06年以降での最低を更新した。ただ、監査審査会は「25歳未満の若い出願者の数は前年より増えた」と強調している。

合格者数も4・6%減の1051人となり、最低だった。合格率は0・2ポイント上昇し10・3%だった。合格者の最高齢は67歳、最年少は19歳で、平均年齢は27・1歳。女性の合格者は207人で、全体の19・7%を占めた。

 公認会計士試験をめぐっては、試験に合格しても監査法人などで実務経験を積めずに資格を取得できない「待機合格者」問題が10年前後に深刻化したことを背景に、出願者が減少傾向にある。

■食えない弁護士急増 借金&高額費用かけ超難関試験合格も仕事なし

日本弁護士連合会(日弁連)が10年に一度実施している「弁護士業務の経済的基盤に関する実態調査」によると、10年度の弁護士収入・所得の平均(全体の総合計金額を有効回答数で割った値)は3264万円に上る。一般サラリーマンの平均年収が413万円(14年度)であることを考えると、約8倍にもなるリッチな職業のようだ。

 しかし昨今、その様子が明らかに変わってきている。きっかけは、06年からスタートした「新司法試験」である。これまでのように誰でも受けられるわけではなくなり、法科大学院(ロースクール)修了が受験の前提条件となった。合格者も急増した結果、若手弁護士が就職先探しに苦労する事態となっているのだ。

内容が異なるため一概に比較することはできないが、旧司法試験の合格率は昭和40年代以降、ほぼ1~3%台という難関であったことと比べると、新司法試験の平均合格率は約30%。合格者数でみても、旧試験ではほぼ3ケタだったものが、新試験では毎年のように2000人を超えている。14年4月1日時点で弁護士総数は3万5109人だが、00年の1万7126人から倍になっており、急激な勢いで増えているのだ。

一方で、彼らの主な仕事である裁判の件数をみてみよう。00年の新受件数(すべての裁判所で新たに受理された訴訟件数)が553万7154件だったものが、13年には361万4242件と、なんと200万件も減少している。仕事が減れば就職も厳しくなり、それは当然収入にも跳ね返ってくることになる。

 イソ弁、ノキ弁、タク弁、さらにはケー弁といった言葉をご存じだろうか。司法試験合格後、弁護士事務所に就職できた新人はイソ弁(居候弁護士)と呼ばれ、給料をもらいながらキャリアを積むことができる。昨今、このイソ弁の労働条件はどの事務所でも悪化していると聞くが、まだ固定収入があるだけ恵まれているほうなのだ

固定給はなく、ボスとなる弁護士(ボス弁)の事務所スペースを借りて開業し、おこぼれ仕事にあずかる弁護士がノキ弁(軒先弁護士)で、軒先を貸してくれる事務所すら見つからない弁護士はやむを得ず自宅で開業することになり、タク弁(自宅弁護士)と呼ばれる。さらには、その事務所を借りるお金すらない弁護士は、携帯電話だけで仕事をするケー弁(携帯弁護士)となるわけだ。弁護士業界も格差社会なのである。

 実際、弁護士の収入分布は広がりを見せており、平均値が高いのは一部の超高額収入者の存在によって押し上げられているからと見る向きがある。

弁護士は、なるまでにも、なった後にもお金がかかる。まず、法科大学院の平均的な初年度学費は100~140万円。しかし、そこでは司法試験の要である論文試験対策は行われない。「予備校的だから」という理由で、法科大学院で教えることはご法度とされているためだ。したがって、論文対策として別途予備校に通う人もいる。大手法曹予備校の授業料もまた、年間100万円を超える高額なものだ。

 しかも、司法試験合格者が受ける司法修習の期間に支給されていた毎月20万円の給与が11年以降はなくなり、無給状態で1年間すごさなければならなくなった。法科大学院卒業までの多額の授業料を借金や貸付奨学金などでまかなっている人も多く、その費用返済と相まって、司法修習生の7割が経済的な不安を抱えているという調査結果もある。

 また弁護士登録後は、所属する地方の弁護士会へ会費を毎月支払わなければならない。金額は地域によって異なるが、年額で50~100万円といわれており、いずれにしても高額である。

難関試験を突破するために多くの時間とお金を費やしたにもかかわらず、仕事は減り収入は安定せず、逆に出費はかさむ一方。そのような状態では、さらなる出費を要する営業活動にいそしむこともできず、経験や人脈がないまま仕事を進めていかざるを得ない。必然的に、弁護士の質の低下という事象になって現れることになる。

 司法制度の改革は、国民生活の向上に資することを目的としていたはずだが、それが実現できているかは疑問である。

■信用失墜、低報酬…食えない会計士急増

日本公認会計士協会は2月中旬、社外役員候補を探している企業向けに会計士を紹介する制度を始めると発表した。日本でも上場企業を中心に複数の社外役員が必要になる時代。そんな中、懸念されるのが、なり手不足だ。協会の紹介制度はそれに応えるものとされるが、裏を返せば会計士業界の人余りが近年ますます深刻化しているとの実情がある。

 社外役員の複数化は海外投資家の強い声を受け、金融庁や証券取引所が昨年中に「企業統治指針」(コーポレートガバナンス・コード)づくりの中で方向性を打ち出したものだ。東京証券取引所は今年6月に2人以上の社外取締役を置くことを義務化する。そうなれば一度に3000人以上の社外役員が必要となる。ただし問題はそれだけの人数をどう確保するか、である。

会計士協会の新制度は、社外役員への就任を希望する会計士を登録してデータバンク化し、企業から希望する年齢や性別、経歴などを記入した所定の申込書を出してもらい、マッチングさせるというもの。最初、企業にはニーズに合った複数の会計士の情報が自己PRも含め匿名で伝えられ、そこから企業側が1人を指定し、相対で具体的な交渉に入っていく仕組みだという。協会は紹介後の進捗も適宜フォローするようだ。

 確かに会計制度に精通した会計士は、社外役員としてありうる選択肢なのかもしれない。事実、会計士出身の社外役員は、弁護士出身者と並び、過去それほど珍しくはない。しかし、業界挙げて企業経営の現場に人を送り込もうというのは、どこか居心地の悪さを感じさせる話だ。今回の新制度は、なり手不足に悩む企業側の問題よりは、むしろ会計士業界の収入確保策の側面が強いように感じる。

税理士業界との縄張り争い

かつて公認会計士は士業の中でも狭き門として知られた。年間合格者は1000人にも満たず、エリート資格ゆえ高収入のイメージも強かった。しかし、企業活動のインフラを充実させる狙いで2006年に新試験制度が導入されると景色は一変する。ピークの08年には合格者が3000人を突破、門戸は一気に広がった。とはいえ、狙い通りに会計士の活躍の場は広がらなかった。

 日本企業が会計監査のため支払う報酬は、米欧に比べ、もともと低いとされる。さらにリーマン・ショック後には既存監査先からの報酬引き下げ圧力が強まり、一方で新規株式公開(IPO)は激減した。おまけに内部統制報告制度(J-SOX)の導入による特需もなくなった。大手監査法人といえども赤字に沈み、10~11年頃には新日本監査法人や監査法人トーマツが数百人規模の人員削減に追い込まれている。その後も監査法人の利益水準は極めて低い。労働集約型産業なので、それは人件費に直結する。

そうした窮状を見かねた金融庁は一時、「企業財務会計士」なる新資格の導入を目論んだ。会計士の知識・経験を生かし、資格者が企業の財務部門などで活躍できるようにする制度であるが、この中途半端なアイデアは国会への法案提出までこぎ着けたものの、制度導入に熱心な副大臣が去ったこともあり11年についえてしまう。

 他方、この間、会計士の近接業務である税理士との間では縄張り争いが勃発した。現在、会計士には税理士資格が自動的に付与されているが、税理士業界も人余りが深刻で反発が強まっている。数年前には会計士が税務業務を始める際に試験を課すよう、税理士業界が声高に叫んだこともあった。

業界の苦境が増すのと比例して「お公家集団」と呼ばれた会計士業界も、かつてより政治との距離を詰めている。13年、日本公認会計士政治連盟が集めた政治資金は8043万円。対する日本税理士政治連盟は1億2913万円を集めており、カネの面を見る限り政治力は税理士のほうが上。会計士業界から税理士業界への流入圧力が強まれば、また反発が起きることは確実で“転職”も楽な状況ではない。

こうした状況下、「食えない会計士」は間違いなく水面下で増殖している。その象徴的事例は、問題企業ばかりを専門に監査する新興監査法人の存在である。大手監査法人に逃げられた企業の“駆け込み寺”というわけだ。有名なのは07年2月に設立された監査法人ウィングパートナーズ。後に偽計事件が発覚するオーベン(旧アイ・シー・エフ)や東証マザーズ上場第1号ながら不祥事続きだったニューディール(旧リキッドオーディオ・ジャパン)など、20社余りが短期間のうちにクライアントとなった。ずさんな監査は、すぐに発覚する。事務所のトップら所属会計士2人が金融庁から最長1年6カ月の業務停止処分を受けることとなったのである。その後、事務所は雲散霧消した。

本来、会計士は独立した立場で企業の決算に目を光らせる役割のはず。それが社外役員の立場とはいえ企業経営に参画するのは、根源的な部分で矛盾がありはしないか。前述した新興監査法人では、監査先企業との距離があまりに近い例があったのも事実。例えば、“駆け込み寺”の元祖的存在だった旧国際第一監査法人では、ボス会計士が親族企業の名義で監査先の増資株を取得していた。それでは厳格な監査など期待できるはずもない。そこまで悪質なケースでなくとも、大量の会計士が企業の経営陣に入っていけば、利益相反リスクはおのずから高まらざるを得ない。

健全な企業社会を持続させるインフラとして会計士の存在が重要なことは、論をまたない。であれば、それを財政面でどう支えていくのが適当なのか。監査報酬を底上げするルールづくりや、取引所が業界に負担金を支払うやり方など、大胆な方策が議論されていい時期ではないだろうか。

■サラリーマンが“資格貧乏”に陥らないためには

ひと昔前まで雲の上の存在だった弁護士、税理士、公認会計士、社労士がいまや、「資格貧乏」に成り下がっている。大枚をはたいて猛勉強したのに、有資格者が増えすぎて、ロクな仕事がないからだ。

 多くのサラリーマンがスコアアップに血道を上げるTOEICも、時代遅れ。すでに“ガラパゴス資格”の烙印(らくいん)が押されている。

 せっかく取ったのに骨折り損――そうならないためには、資格の生かし方を、根本から見直すべきだ。「資格を取ると貧乏になります」(新潮選書)を上梓したジャーナリストの佐藤留美氏がこう言う。

「資格ビジネスの裏側を数多く取材して見えてきたのは、多くの資格がサラリーマンの不安に乗じて稼ぐ〈コンプレックス商法〉の商品になってしまっていること。資格とは、あくまで仕事に使えてなんぼなのに、資格さえ取れれば出世できる、リストラされずに済むと誤解しているサラリーマンが多く、資格ビジネスは、そこに付け込むのです」

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