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広告コピー【言葉で人を魅了する技術】

キャッチコピーはプロが作りつつも、素人が参加できる間口の広い創作活動だ。それゆえに、何となくできそうで、その実、この道を極めるのは極めて難しい。表題の画像は、としまえんの名作コピーのひとつだが、楽しいではないか。プールに行って涼みましょうってことなんだろうけど。。。ちょっと学んでみようよ

更新日: 2017年03月24日

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気付いてもらえて、覚えてもらえて、「あ、それもそうだね」って言われら、
もうそれだけでコピーになった甲斐があります。【編者】

【編者】82年、広告批評に掲載された作品。今、再び、話題になっているのは、この作品がそれだけインパクトのあることを意味する。この「反戦広告」の是非を議論するのもいいけど、この作品の良さをぜひ味わってほしい。コピーとは、そこに表現されていない前後または行間のメッセージで感情をゆさぶるものだ。「ほぉ、戦争をされたい。どうぞ、総理、ご遠慮せず、まずは戦場に行って見てください」てな感じのやりとりを想像する人もいるはず。または、「いや、実は、怖いんですわ」なんて本音をづけづけと言う兵士しか、今の世にはいないのかも、なんていう皮肉にも見てとれる

【まとめ編者】「不思議、大好き。」「おいしい生活。」などの広告で一躍有名になった糸井氏。このインタビューで、糸井氏の頭の中を少しのぞけた。「奈良の大仏をつくるにしても、最初はきっと・・・企画した人がいた」はず。要は身近に相手を探し、「近所のお店の女の子をナンパするためにどうしたらいいかを一生懸命考えていたほうが・・・勉強になる」ということ。「広告から離れる時期をつくったほうがいい」、「自分のつまらなさ、小ささに向き合える」。コピーライターは、一見簡単に見えて、それでいて非常に難しいようにも見える。糸井氏の言葉には、広告のための広告では人の心に響かないという本質があったように感じる

▼近年のコピーも、この後の名作コピーに劣らぬ出来です

「プール冷えてます」から始まり、数々の伝説を作った「としまえん」のキャッチコピー。2015年の最新作は久々(編者個人的には)の会心作。流れるプール50周年を記念して、「世界遺産 狙ってます。」と大々的に宣言した。としまえんの流れるプールは1965年に作られた世界初の「流れるプール」だ。そんな「世界最古」の流れるプールをメインに、としまえんプールの景色を、世界遺産を彷彿させるような美しく荘厳なビジュアルでアピールしている

今、大阪府警というワードがYahoo!急上昇ランキングの上位にランクインしている。それもそのはず、警察官募集のポスターがマジでヤバイのだ。たとえば、「ごめんですんだら警察いらんわ!」とか、「そこの優秀な若者に告ぐ。そんなところに隠れていないで出てきなさい!」などはキャッチコピーだけでも笑いを誘う。脳裏に強く焼きつき、忘れられない作品というのはまさにこれらのことだ。筋肉質な男性上半身を前面に押し出し、「草食系より大阪府警」というのも、流行語を取り入れた巧みなコピーである。警官採用ポスターであるから、「試験会場まで、ご同行願います。」というのも面白い。大阪流とも言えるが、その実力、十分全国区である

▼久々に最近(2015年末)見出した新しいコピー

え?と思わず見てしまうフレーズ。即席麺とは、速く作ることを固定観念にしてしまっているため、ゆっくり作れなどと言われることはほぼなかったはず。「日清はなぜ10分どん兵衛を作らなかったのか」で始まる対談では、「なんでそれだけ食べていて10分ができなかったんですか」と詰められる始末。たかだか即席麺に「こだわり」とは、とりあえず近年流行りだしたフレーズだったが、それを上回るこのコピーのインパクトに、思わず読み込んでしまった人は少なくあるまい。久しぶりのクリーンヒット・コピー

▼広告の本質は「人を動かす」こと。それを思い出させてくれる示唆:

1)相手の抵抗感を認める
2)頭で理解しやすい(音、フォント等)
3)小さな要求から徐々に
4)夢のような効果を敢えて
5)自分で自分を説得させる
6)相手に意図的な役割を託す
7)みんなの好評を伝える
8)損失がないことを保証する
9)魅力的な顔モデル
10)ユーモア
11)希少性を強調
12)似ているもので好意を引き寄せる
14)さらにおまけや特典
15)何度も見れば好きになる
16)比較対象をうまく使う(アンカリング)
18)擬人化
20)まず相手を混乱させ、考えを変えてもらう
21)隠喩
22)何から始めるかをはっきりと
など、
※一部略

上述の広告心理の書籍に出てくる「隠喩(メタファ)」の事例。「ゴミはその後どこに行く?」というタイトルだ。隠喩とは、私たちの脳の、(感情や記憶への)ショートカットを利用する技術だ。メタファに必要なのは受け取る側のイマジネーションや感情を掻き立てることだ。メタファとは、2つの無関係なものが、重要な性質を共有していると提案すること

▼「読まれない」ネットでこそ、鍛えられるコピーの力。まずは基本を押さえよう

「マイナス三重苦」から考えよう。
1)興味ない
2)知らない
3)読みたくない
これに加えて<行動しない>が加わると、多くの人は実は情報に無反応なのだ。本書は、コピーライターの立場になり、「四重苦」とも表現する。この基本に立った上で考えるのが、本書のスタンスだ。商品名を連呼しようが、良い良いと強調しようが、誰も相手にしてくれない。それよりは、ズバリ、そのものの価値を真っ先に伝えたほうがよい。逆に言えば、多くのコピーはそれができていないのかもしれない

昔から「広告はラブレターだ」と言われてきた。確かに、相手に気持ちを伝えて、自分への興味や好意を持ってもらう。。。(ただ、実際に)ラブレターのような文章を書くにはどうしたらいいのか。それは相手のことを思い浮かべることだ。誰に対してのメッセージなのかがあいまいだと、気持ちの入ったコトバは出てこない

相手が、どんな人物で、どんな表情/どんな状態でこのラブレターを読もうとしているか。本当のラブレターなら、きっとそこまで考えるはずだ。そしてその出だしに最大限の注意を払うだろう。広告コピーも同じ。しかし、相手は、特にネットのユーザーは極めて冷淡で素っ気ない。だからこそ、相手が「え?」と振り返ってくれるような表現で初め、「おぉ」と前のめりになってくれるコトバ(価値を伝える)で続け、「へぇ」と気になってくれるような誘導を行う。特に本書では、「他人事ではなく自分と関係があるようイメージさせる」ことを提案している

価値を見出すには、常識と想像力をフル稼働させる。価値とは商品を使う、手に入れることで得られる喜び(を指す。実際の現場で)どのような問題解決や快適性アップをもたらすか考えてみる

感情に迫るのがいい。人の悩みや喜びをどれだけ想像できるかがカギとなる。共感をベースに、かつ人は忘れやすいので、伝える内容は一つに絞る。ただし、コピーとなると、すぐに「かっこ良く」「心にしみる」ものという思い込みが出てきてしまう。これは甚だ勘違いだ。どう伝えるかより、何を伝えるかに神経を集中させよう。実は、広告コピーで参考になるのは、書籍のタイトルだ。雑誌の見出しも秀逸。そこで出てくる実用系ワードに学んでみるのも手だ

▼キャッチコピーでよく言われる、「心への刺さり方」を体得しておこう

【編者】「俺たちに明日は無い」と悲壮感いっぱいに訴えている。コピーと言うか、ポップと言うか。いずれにしても、人の心をとらえるのに十分すぎる迫力をもつ。それはなぜだろう。プロが書いたものも、素人が書いたものも、そこには、にゃっと笑って言葉を投げかける作り手と、同じく、ちょっと驚きつつも言葉を咀嚼して何やら満足気な受け手がいるような気がする。コピーには、言葉の芸術を通して、売り手と買い手が対話ができているような「見えない糸(意図)」がある

「干すより、キレイ。」と聞いて、えッと振り返った人もいるはずだ。ふとんクリーナーはまだ、ほとんどの人に認知されていない。干せばすむものをわざわざお金をかけて掃除機のような不格好な機械を買うなど、「ありえない」なんて人もいるはずだ。ところが、このCMの、シンプルかつ美しいフレーズは、あたかも化粧品のようなイメージを商品にもたせている。それが映像美と重なり、「え?そうだったの?」となる。コピーとしては、かなりの良策ではないだろうか。本作品はその続編

出典adgang.jp

広告・クリエイティブ作品を学ぶには「AdGang」がその宝庫だ。たとえば、「東京新潟物語」という地酒のキャッチコピー。新潟と東京を結ぶ上越新幹線の車内で掲示されている。就職して上京した女性が、故郷を離れて初めて気づいた、『“故郷”のあたたかさ』と、『“家族”への想い』をテーマに描かれている。「好きな人と故郷の駅に降りたとき、私、結婚するんだなと思った」。少々長めで、普通の文章形式なのに、心にグッとくるはずだ。その他、「東京には、好きになった人がいる。新潟には、好きだった人がいる。」など秀逸

イタリアの非営利団体・Exodus Fondazioneが、わずか45秒で飲酒運転の危険を理解できる“飲んだら乗るな”を啓発する動画を公開した。動画と文字の組み合わせだが、最後にはお決まりの「飲んだら乗るな」が登場する。コップの向こう側に置かれた標識。コップにアルコールを注ぐごとに、道路標識の矢印の向きすら変わってしまった。実験に見とれていると、最後に文字が登場。このとき、私たちは知らずに、こう呼応しているはずだ。「飲んだら乗るな。飲むなら乗るな」。つまり、このフレーズがいかに日本人の心をとらえたかがうかがえる

広告とは、読んで字のごとく広く告げることを目的としているので、世の中に広がっていく言葉はその企業や商品、サービスの存在を多くの人に知らせてくれるという意味でも非常に貢献度が高い。それがすなわち、コピーされるコピーということ:
1)「ファイト!」「一発!」
2)駅前留学
3)そうだ 京都 行こう
4)やめられない、とまらない、かっぱえびせん
5)男は黙ってサッポロビール
6)24時間戦えますか
いずれのコピーも覚えやすい・使いやすいといった共通点があり、言葉として十分ひとり歩きしている

「これ、ただの文字列じゃん」と言われて落ち込んでしまうことがある。それは、そこに何の情報もないからだ。思わず反応してしまうような事実を添えるだけで、強力な説得力をもつ:
1)英語が話せると、10億人と話せる:ジオス
2)乳がん検診で一番多く見つかるものは、安心です
3)たばこを持つ手は、子供の顔の高さだった
4)100人乗っても大丈夫:イナバ物置
5)地図に残る仕事:大成建設
6)吸引力の変わらないただひとつの掃除機
衝撃の事実は、剥き出しのまま訴求できるだけでなく、その事実で一点突破できる強さがあるので非常に効果的だ

キャッチコピーは、いずれにしても受け手の幸せを想って書かれるもの。受け手を想う気持ちが必ず必要。受け手を説得したくてたまらない気持ちが強いときほど、命令や押し付けにならないよう細心の注意を払いたいものだ:
1)このままじゃ、私、可愛いだけだ:朝日新聞
2)きれないお姉さんは好きですか
3)「面接で失敗した」と嘆いていたのは学生ではなく、社長のほうでした:リクナビ
4)ショックなのは、盗まれたことより、入られたこと:セコム
5)死ぬのが恐いから飼わないなんて、言わないで欲しい:日本ペットフード
受け手としての感覚に差異はあっても、単なる脅迫と感じることはないという事例だ

▼それでは、日本の著名コピーをいくつか

顔も、手も、洗うはず。紙で吹いて終りにはしないだろう。まさに、それを「おしり」に代えて問題提起をしたところが斬新だった。商品自体が画期的で、なぜこの商品を買わなければならないかを、非常にストレートに、かつ感情に訴えるように示せたことが見事だった。しかも、顧客対象が「誰にとっても」という点で、きっと難しかったはずである

「いい」コピーとは文字だけで、人に、「いい」何かを想像させる。衣服の生地の良さをアピールするのに、「触る」のは決して不思議なことではないが、羊毛(ウール)という材料であることも、このフレーズが生きる理由になっている。広告の世界では、「シズル感」(=おいしさや新鮮さなどを購買者に訴えかけること)と表現するが、五感を刺激して「いい」感覚を思い起こさせる表現になっている

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