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野党が提出した「同一労働同一賃金推進法案」が結構おおごとな件について

与党の労働者派遣法改正案への対案という形で民主や維新などの野党が「同一労働同一賃金推進法案」を提出しました。この法案をよくみると、日本の給料体系を根本から変える条文が織り込まれています。同一労働同一賃金とは何か、この法案が仮に通れば日本がどうなるのかについてまとめました。

更新日: 2015年03月27日

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tokinohitoさん

同一労働同一賃金とは

同一労働同一賃金(どういつろうどうどういつちんぎん)とは、性別、雇用形態(フルタイム、パートタイム、派遣社員など)、人種、宗教、国籍などに関係なく、同一の職種に従事する労働者に対して同一の賃金水準を適用し、労働の量に応じて賃金を支払う賃金政策のこと。

勤務年数や評価などによる定期昇給は無い。

国際労働機関(ILO)憲章の前文に明記されている

同一価値の労働に対する同一報酬の原則の承認、結社の自由の原則の承認、職業的及び技術的教育の組織並びに他の措置によって改善することが急務である

野党4党が「同一労働同一賃金推進法案」を衆院に提出

民主、維新、みんな、生活の野党4党は6日、同じ仕事ならば非正規労働者が正社員と同じ賃金や待遇を得られる「同一労働・同一賃金」推進法案を衆院に共同提出した。

法案の正式名称は
「労働者の職務に応じた待遇の確保等のための施策の推進に関する法律案」

この法案は、
(1)雇用形態にかかわらず職務に応じた待遇を受けられるようにする
(2)正規労働者への転換を含め、希望する雇用形態での就労の機会が与えられるようにする
(3)労働者がキャリアプランを作り、職業を自己選択できる
の3点を理念とし、そのために1年以内に派遣労働者の均等待遇を実現するための法制上の措置を講ずることや、パート労働者、有期契約労働者などを含め、職務に応じた均等待遇を確保するための施策を講じることなどを定めるもの。

「労働者派遣法改正案」の対案として提出した

維新の党の松野頼久国会議員団会長は民主党などとともに同一労働同一賃金の法案を国会での厚生労働委員会での労働者派遣法改正案の審議状況を見ながら、タイミングを見て国会に提出する考えを示した。

条文で「職務給」へ移行するよう要求している

一 労働者が、その雇用形態にかかわらずその従事する職務に応じた待遇を受けることができるようにすること。

意訳:企業が職能給から職務給へ移行するための政策を実行すること。

2 事業主は、国が実施する労働者の職務に応じた待遇の確保等のための施策に協力するよう努めるものとする。

意訳:企業は、職務給へ移行するための政策に協力すること。

第四条 政府は、労働者の職務に応じた待遇の確保等のための施策を実施するため、必要な法制上、財政上又は税制上の措置その他の措置を講ずるものとする。

意訳:政府は、職能給から職務給へ移行する政策を実行するために法を制定すること。

そもそも同一労働同一賃金は「職務給」が大前提

職務ごとに、その価値、難易度などによって賃金があらかじめ決まっており、労働者はより条件の良い職位を求めて昇格あるいは転職する。「職能給」や「年齢給」とは異なり説明性、客観性が高いのが特徴である。

これは職務給の説明。本まとめの最初で取り上げた「同一労働同一賃金とは?」と比較すれば、ほぼ同じ説明であることがわかります。
正確には、「職務給」は同一労働同一賃金の原則が前提。

現在の日本では「職能給」が一般的

職能給(しょくのうきゅう)とは経営学用語の一つ。これは企業において従業員の給与を決定する方法の一つであり、これの場合には従業員の職務遂行能力によって給与が定まってくるわけである。多くの場合には従業員の職務遂行能力の評価や資格に応じて範囲が定められ、その範囲内で毎年の給与が決まるわけである。

職務遂行能力によって評価され賃金が変わる制度。年功序列ほどではないが、基本的に長く勤務するほど賃金が上昇する。

年功序列(ねんこうじょれつ)とは、官公庁、企業などにおいて勤続年数、年齢などに応じて役職や賃金を上昇させる人事制度・慣習のことを指す日本型雇用の典型的なシステムである。

長く勤務すればするほど賃金が上昇する。近年はほぼ職能給に移行した。

「職能給」の日本はいわば「同一能力同一賃金」である

職能給は、職務の遂行能力によって賃金を決めるやり方です。原則として、同一能力同一賃金です。

個人的には、同一評価同一賃金の方が言葉としては正確だと思います。
能力が正しく評価されているか不透明な部分が多いため。

日本でいきなり「同一労働同一賃金」を導入するのは困難

塩崎恭久厚生労働大臣は16日の参議院予算委員会で労働者派遣法にからみ、「同一労働同一賃金」について、民主党の羽田雄一郎参議院幹事長から「ヨーロッパでは派遣社員と正社員の均等待遇が常識になってきている。均等待遇を確保できるよう前向きに検討すべき」と質され「ひとつの重要な考え方であるし、認識はしているが」と肯定しながらも「ヨーロッパは『職務給』、日本は『職能給』と呼ばれる様々な能力で賃金を決めている」と答弁、一足飛びには無理との考えを示した。

同一労働同一賃金と職務給はワンセットであり、職能給が中心の日本でいきなり導入するのは不可能。

「職能給」で「同一能力同一賃金」の日本が「同一労働同一賃金」を導入するにはまず「職務給」を導入する必要がある

しかし、実は日本でも「職務給」で働いている人たちがいます。

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