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親子共倒れに陥る介護破産…決して他人事ではない事態を知るべき!

親の介護費用をどう捻出するかは子供にとって大きな問題です。子に迷惑をかけまいと蓄えがある親も多い反面、子供に介護や援助に頼らざるを得ないケースも少なくありません。終わりが見えない親の介護はストレスや疲労、そして介護費用などが重なり、追いつめられる状況に至るケースが多いのが現実です。

更新日: 2019年11月29日

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egawomsieteさん

・親思いの子どもほど陥る介護の泥沼

2015年1月、91歳の母親とその介護をしていた64歳の息子Tさんが、遺体で発見されるという痛ましい事件がありました。重症の肝炎を発症したTさんが発作を起こしてそのまま亡くなり、身の回りの世話をすべて息子に任せていた母親も、後を追うように低体温症で亡くなったのです。

Tさんは地元の高校を卒業した後、県内の工場で正社員として働いていましたが、40代の時に母親の介護のため時短勤務ができる仕事に転職。亡くなる8年前には、介護との両立が難しくなってその仕事も辞めざるを得ませんでした。

母親の年金と、亡き父親の軍人恩給などを合わせた月額8万円では最低限の生活さえ難しく、母親の持病の医療費もかさむことから、貯金を切り崩してしのぐようになりました。費用のかかる介護サービスも利用できなくなり、ひとりで介護を背負うしかなくなったのです

節約に節約を重ねる中で、Tさん自身は体調を崩しても病院で診察を受けることはありませんでした。周囲に明るく振る舞いながら、母親に寄り添って献身的に介護をしていたTさんですが、亡くなる数日前には「しんどい」と座り込むほどに体調を崩し、最後には発作を起こしてこの世を去ってしまったのです―。

・月収20万円で母の介護費が月11万…45歳男性、介護破産寸前の不安

70代の母親が民間老人ホームに入居しており、費用は姉と折半しているが一人あたりの負担額は月11万円。「おかげで生活は苦しい」と漏らす。

「だって年収は300万円、月収は手取りで20万円弱なんですよ。老人ホームの費用で半分以上持っていかれ、残りは10万円弱。それでも独身だからなんとか生活できていますが、それも節約してやっとの状態。当然、貯金だってまったくできていません」

在宅介護なら出費は抑えられたが山崎さんも近くに住む姉も仕事を抱えていたこと、また母親の「子供に迷惑をかけたくない」との意思を尊重し、民間の老人ホームに申し込んだ。

「これが4年前のことです。半身に麻痺が残り、寝たきりではないですが日常生活を送るのがかなり不便になってしまったんです。正直、老人ホームの費用は痛いですが、在宅だと毎日ホームヘルパーさんにお願いするわけにもいかず、退院後から入居するまでの半年で私も姉も介護疲れで精神的、体力的にボロボロでした。あのまま母が家にいたら私は仕事を辞めていたかもしれません。まあ、今は自分の生活費に困るくらい大変だし、どっちがマシと言えるレベルではないですけど……」

今も低年収なのは大学時代に就活に失敗したから?

ちなみに山崎さんは5年前まで千葉県内にある小さな機械メーカーに勤務。しかし、上司のパワハラと残業手当のつかない超過勤務に耐えられなくなり、勤続13年で退社。実家のある北海道に戻り、地元の食品工場で働き始めた矢先に母親が倒れてしまったのだ。

「母が悪いわけじゃないのはわかっていますが、つくづくタイミングが悪いなって。思えば大学時代、バブル崩壊後の不景気に加え、地元のたくぎん(北海道拓殖銀行)が経営破綻したおかげで完全に就職氷河期。50社以上に応募しても全滅で、内定が取れずに卒業後はしばらく携帯電話販売店やビジネスホテルで契約社員として働いていたんです。なんとか正社員になりたくて上京して前の会社に入ったんですけど、もし卒業して普通に就職できていれば年収も今よりは多かっただろうし、ここまで苦労しなくても済んだと思うんです。こんなタラレバの話を今さらしたところで何の意味もないんですけどね」

 現在は実家で1人暮らしをしているので家賃の負担はないが、食費と通信光熱費、車の維持費などでお金は残らない。転職して5年経つが昇給はほとんどなく、前職よりも年収にして80万円少ないとか。

「老人ホームの費用さえなければ、実家なので収入は下がっても今のほうが生活はラクだったはずで、母が倒れるまでは実際そうだったんです。まあ、借金をしているわけではないのは不幸中の幸いかもしれませんが、怖いのは病気やケガで自分が働けなくなったとき。

そうなれば姉ひとりで全額負担は厳しいでしょうし、母は今のホームを追い出される可能性もある。そんなことばかり考えているから気も滅入ってしまいますよ」

休日にアルバイトをすることも考えたが、社則を確認すると副業は禁止と明記。若ければ副業OKの会社に転職することもできるが、年齢的に辞めたところで正社員として雇ってくれる会社が見つかる可能性は低く、「今の職場にしがみつくしかない」と山崎さん。

「パーッと飲んで気を紛らわせたいところですが、お酒を買う余裕すらありません(苦笑)。とりあえず、今のギリギリの生活でしのいでいくしかない。いくら我慢し続けたところで希望がないのは辛いですが……」

 自分ひとりであれば、贅沢は無理でも人並みに暮らすことはできたはず。親の介護費用でここまで苦労を強いられるとは、なんとも切ない限りだ。

・民間のヘルパー代、毎月の帰省代、年収1000万円でも介護破産寸前に

大手百貨店に勤めているユカコさんは、面倒見がよく後輩にも慕われる姉御肌。同期に先駆けて管理職に抜擢され、45歳で年収は1000万円を超え、シングル女性の憧れのような存在です。

今は月に2~3回、母親の介護のために、実家のある岡山県に帰省していますが、それでも介護と仕事の合間を縫ってピラティス、歌舞伎鑑賞などの趣味の時間も持つようにしています。

ユカコさんのもとに、実家近くで暮らしている叔母さんから電話がかかってきたのは4年前。2013年の秋も深まったころのことでした。ふだん電話などしてこない叔母さんからの突然の連絡に、ユカコさんは一抹の不安を覚えたのです。

「あぁ、ユカちゃん。元気にしてる? 忙しいところにごめんね。実は、あなたのお母さんの様子が気になって電話したの。最近、お母さんに会ってる?」

 当時、ユカコさんは広報グループのチームリーダーに抜擢され、休日返上で仕事をする日々を送っていました。その年はお正月にも実家に帰省できなかったほどで、時折かかってくる母のヤエコさん(76歳)からの電話にも出られない日々が続いていました。

「最近、仕事が忙しくて、1年以上、実家に帰ってないんです。母がどうかしたのでしょうか?」

「実は、この間、久しぶりにヤエコお姉さんのところにいったら、部屋が段ボールだらけで、ぐちゃぐちゃなの。あんなにきれい好きだったのに、ヘンでしょう。何度も同じことを繰り返して話すし……。ユカちゃん、一度、お母さんの様子を見に帰ってこられないかしら」

叔母さんは、どうやらヤエコさんが認知症を患っているのではないかと心配しているようなのです。ユカコさんに兄弟はなく、8年前の2009年に父を病気で見送ってから、母のヤエコさんは岡山の自宅でひとりで暮らしていました。

その週末、なんとか仕事をやりくりして岡山に向かったユカコさんは、実家に着くなり、その変わり具合に愕然としたのです。

ユカコさんが子どものころからヤエコさんはきれい好きで、家はいつも整理整頓されていました。無駄なものを部屋におくのが大嫌いだったはずなのに、久しぶりに帰った実家には、部屋のいたるところに大きな段ボールが積み重ねられていました。そのほとんどは封をしたままです。台所に行ってみると、流しには使った食器や鍋がそのままになっています。

(おばちゃんの言うことは本当なのかしら……)

不安になったユカコさんは、「どうしちゃったの。この段ボールは何? お母さん、部屋に余計なものを置くの、嫌いだったじゃない」と詰め寄ったものの、返ってくる答えは要領の得ないものばかり。しまいには「うるさい! だまれ!」と、ユカコさんに罵詈雑言を浴びせます。

「まさか、あのしっかりものの母が認知症になるなんて…。信じられない気持ちでしたが、寝室のクローゼットを見たら汚れた下着が何枚も隠してあって、これはもう病院に連れていかないとダメだと思いました」(ユカコさん)

ところが、気位の高いヤエコさんは、「大丈夫だから」と、病院に行くことをかたくなに拒み続けます。自分でも「おかしい」と思いながらも、医師から診断をくだされるのが怖かったのかもしれません。

とはいえ、そのままヤエコさんをひとりにしておくこともできないと思ったユカコさんは、病院に連れていくことはあきらめて、当面の面倒を見てもらうために、民間のヘルパー会社と契約することにしたのです。

以来、平日は民間のヘルパーさんにお願いして、週末になるとユカコさんは疲れた体に鞭打って、岡山の実家に帰るようになりました。その間のヘルパー代は、月に約20万円。毎週末、実家に帰るための飛行機代もばかになりません。

 直接的な介護費用のほかに、想定外の出費もありました。家に積まれていた段ボールの中からでてきたのは羽根布団や浄水器、宝石、健康食品など、ヤエコさんが次々と通信販売で購入した商品の数々です。本人も注文したことを忘れてしまっていたのですが、クーリングオフ期間も過ぎていたため、ユカコさんは仕方なく貯蓄を取り崩して支払うことに。

 そんな生活が1年ほど続いたころ、ユカコさんの体を心は限界に達しました。朝、会社に行こうにも起き上がることができなくなったのです。

経済的な痛手も、ユカコさんを不安にさせました。年収は1000万円あっても、時間のなさをお金で買わざるをえないため、お金に羽が生えたように出ていくのです。貯蓄もどんどん減っていき、絶望的な気分に……。

ユカコさんの脳裏に「介護破産」という言葉が浮かびました。

「もうこれ以上、この生活を続けるのは無理。とはいえ、一人っ子なので、私以外に母の面倒を見る人はいません。当時は、会社を辞めて実家に帰り、退職金で母の面倒を見ようと思っていました。そこまで追い詰められていたんです」

母の介護のために仕事を辞める決断をしたユカコさんでしたが、意外な展開が待っていました。上司に退職を申し出たところ、こう声をかけられたのです。

「まずは雇用保険の介護休業給付を利用してみたらどうだい?」

介護休業給付。ユカコさんにとって、はじめて聞く言葉でした。

介護休業給付は介護休業制度のひとつで、加齢や病気などによって介護が必要な親や配偶者、子どもなどがいる場合に、サラリーマンが利用できる雇用保険の制度です。

■親の介護で破産しないための対策とは?

親の介護で破産しないためには、介護の支援について知り、事前に対策しておくことが重要。親の介護が必要になる前に3つの対策を確認してみましょう。

・介護支援の制度を利用する

介護を支援してくれる制度はいくつもあります。知らないばかりに無理をしてしまっては損ですよね。介護支援の制度と内容を正しく理解しておきましょう。

まず仕事をしながら介護に携わる場合、知っておきたいのが介護休業給付。介護によって会社を休み給料が十分に発生しないとき、給料のうち一部を介護休業給付によって負担する制度です。介護休業給付を利用すれば著しく収入が落ちないので、働きながら介護をすることも可能です。要件を満たせば、給与の67%は支給してもらえます。

さらに知っておきたいのが、高額医療や高額介護合算療養費制度。介護者の所得によって限度額は変わってきますが、ある一定額を超えた医療費や介護費に関して国が負担してくれるという制度です。これにより、高額な介護や医療費にかかるお金を抑えることができます。長引く介護の負担軽減になるでしょう。

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