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フランスで、イギリスで、アメリカで……西洋世界の女性をターゲットにしたISISの「新人獲得技術」

「テレビの中のスター」ならぬ「YouTubeビデオの中の戦士」が、ソーシャルネットを通じて「もし僕との結婚に同意してくれたら、女王様のように扱ってあげる」といった甘い言葉をささやく。巷の組織支持者が、友達の少ない孤独な女性に毎日声をかけ、贈り物をする……最近、いくつもの事例が報告されています。

更新日: 2015年07月23日

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ちなみに、英国の各主要都市はこういう位置関係。ロンドンは南西部にあり、マンチェスターはロンドンから北西に、北アイルランドのベルファストの方向に引っ張った線上。バーミンガムはその南。

バーミンガムについては下記参照。
http://matome.naver.jp/odai/2142103911239741601

※彼らについて深く知ろうとする人は、彼らのやり口を知っておいてください。ISISが「イラクのアルカイダ」と呼ばれていた時代(10年前)から構築されてきた勧誘マニュアルの通りに、人を組織に誘い込もうとしているそうです。原文は: nytimes.com/2015/06/28/wor…

※誘い込まれて現地に行ってしまったら、秘密や責任の共有という形で逃れられなくされるという報告もあります(捕虜を殺させる、女性は妻とする、というように)。このようなカルトの勧誘は、手口を知っておくことで、ある程度かわすことができると思います。

NYTのカリマチ記者による6月27日付け記事 nytimes.com/2015/06/28/wor… に関する昨日の連投の続きを、これから開始します。 ※昨日の連投は、matome.naver.jp/odai/214328281… matome.naver.jp/odai/214328281… にまとめてあります。

【ここまでの要旨 1】米ワシントン州で祖父母と暮らす23歳のアレックス。キリスト教の信仰を固く持ち日曜学校で子供に教える彼女は、2014年8月、ジェイムズ・フォーリーさん斬首事件に衝撃を受けた。なぜあのようなことが行なわれるのか。答えを求める彼女にISIS支持者たちは応えた。

【ここまでの要旨 2/了】彼らとは深い話をまじめにすることができた。アレックスの孤独は彼らとの交流で癒された。そして宗教論をたたかわす中で、彼女の心は「改宗」に傾いていった。2014年10月、アレックスは「ファイサル」という英国人とSkypeで話をするようになった。

続)アレックスは大学を中退後ケアホームで働いていたが、上司とうまくいかず1年でやめてしまった。その後コールセンターで働こうとしたが、苦情の電話のトーンに耐えられず、研修が終わるまでもたなかった。不安定なときに話し相手になったのがファイサルだった。26

記事に埋め込まれているNYT記者とのインタビューで、アレックスは「ファイサルは私にとってメンターのような存在」と言っている。彼との会話はたわいもないものが殆どだったが、2014年のクリスマスのころにはアレックスは一線を越えたと感じていた。改宗について彼女はファイサルに尋ねた。27

ファイサルは彼女に改宗の段取りを伝えた。心からの「信仰告白」をイスラム教徒2人に聞いてもらえばよい。アレックスにはイスラム教徒の知り合いはいないが、Twitterに信仰告白を投稿して、最初に読んだ2人が証人になれば問題ないとファイサルは言った。こうして彼女は改宗した。28

2014年12月28日の夜、家族がテレビを見ているときに、自室でのことだった。(このくだりの文章はぜひ原文で。淡々として、緊張感が高い。)数時間もしないうちにTwitterのフォロワーは倍に増えた。「私にはきょうだいがいるんですね。涙が止まりません」と彼女はツイートした。29

アレックスの改宗の証人になったのは、ファイサルと、ファイサルの友人のハリーという人物だった。

NYT記事にある名前で検索すると、アカウントが何度か停止されたりしていることがわかる(キャプチャ画像には入れていないが、画像検索などするとわかるはず)。複数アカウントで活動している様子もある。

記事には、5月にテキサスで銃撃事件を起こしたISISシンパと、ハリーのTwitterアカウントがやり取りをしていたことで注目されたとある。

1月になると、英国のファイサルから小包が送られてくるようになった。中身はパステルカラーのヒジャブや緑色の礼拝用ラグ、そして厳格な解釈を説いたイスラム教についての書籍類。アレックスは感激したが、中には戸惑ってしまうようなことが書かれているものもあった。30

例えば、礼拝前に身を清める際に水が身体に接触しなくなるからという理由でマニキュアが禁止されていること(※マニキュアの禁止というとフランスの17歳女子のことを思い出します。matome.naver.jp/odai/214157460… )。そして、一夫多妻制や、女子の相続権が低いこと。31

そして――この次の部分、読んだとき思わず「ぎゃあ」と。。。「小包を送ってくるたびにファイサルはリントのチョコレートを入れていた」。32 ※2014年12月にシドニーでISISを標榜するアレな人が武装して立てこもったのがリントのカフェ。matome.naver.jp/odai/214186017…

ファイサルは「リント」の意味も説明したという。また別の人にTwitterで強く勧められ、アレックスはISISのトップ、アブー・バクル・アル=バグダディの伝記本も目を通した。そこまで深く行っててもなおファイサルは「目立たないように」と指示。家族の前では髪を覆ったりはしなかった。33

教会の日曜学校もこれまで通りに続け、礼拝では心の中で密かに会衆とは別の祈りを捧げていた。しかしアレックスはただ1人、従姉(妹)には改宗を打ち明けた。従姉自身が改宗を考えるようになっていた。34/※「イスラム教がオルタナティヴとしてアピールする」のは日本に限ったことではありません。

英国からの小包が次々と来るのを祖母がいぶかしむようになると、ファイサルは宛先をその従姉の家に変更した。徐々にアレックスは、家族に嘘をついていることがつらくなってきた。隠し事が大きくなるほど孤独感も深まった。こういうふうに「孤独を感じさせる」ことを、組織は意図的にやっている。35

かつて過激派で新メンバー獲得に当たっていたが、現在はカナダ政府に協力しているMubin Shaikh en.wikipedia.org/wiki/Mubin_Sha… は、「過激派は孤立した人を探します。孤立していない人は、孤立するよう仕向けます」と説明する。36/※まさに「カルトの勧誘」。

改宗から数週間経過してもアレックスはまだ実世界でイスラム教徒と会ったことはなかった。家から5マイルのところにあるモスクはISISを否定する声明文をアップしていたので……(←「なぜイスラム教徒はISISを非難しないのか」と言えるのはこのような事実を知らないか無視してるからです)37

ファイサルは「あのモスクは政府が浸透しているから」と説明し、アレックスがそのモスクに行くのを阻止した。そんなふうになっていた2月上旬、アレックスのツイートを見て過激化する兆候が増大しているのを見たTwitterユーザーたちが、アレックスに話しかけた。38

4/ and this approach makes it that much more insidious and dangerous. It bears noting that it was moderate Muslims on Twitter who reached

彼らの言うことを聞き、アレックスはファイサルにこれ以上物を送らないでほしいと告げようとした。しかし数日後にはまたファイサルから従姉の家に郵便物が届いた。チョコレートと可愛いカード。開くと20ドル札が2枚落ちてきた。「お2人で外出して、ピザでもどうぞ。Twitterの友人一同」39

2月14日、ヴァレンタイン・デーは、アレックスは自室のベッドで寝転がって、顔も本名も知らないISIS支持者と討論して過ごした。自爆攻撃はいかにして正当化されるのか、という話題だ。相手は「死の外科医」というハンドルで、咆哮するライオンの写真がアバターだった。40

※現在この「死の外科医」のアカウントは、アバターは卵になっていて、鍵つきになっています。それとは別に、マンガのOne Pieceのファンの人と思われるアカウントが複数あります。

そのころには、アレックスのネット上の友人たちはより多くを要求するようになっていた。彼女は以前からの友人を何人かフォローしたままでいたが、「よいイスラム教徒なら、異教徒(インフィデル)のフォローは切るべきだ」と言われた。41

2月16日、ISISを公然と支持するTwitterユーザーがアレックスのことをスパイだと断罪した。アレックスが友達だと思っていた人々が即座にアレックスをブロックし始めた。数日前には彼らと距離を置こうとしていたアレックスは、わたしを切り離さないでと懇願していた。42

必要ならTwitterのパスワードを教えるから、DMを精査してもらっても構わないとまで彼女は言った。「私のことをスパイだと思っている人たちがいますが、私はスパイではありません」。ここで仲裁に入ったのがファイサルだった。43/NYT記事 nytimes.com/2015/06/28/wor…

(このあとのファイサルの行動がさらにホラーなんですが、いったんここまで)

※この先は、個々にツイートするという形式には向かないので、以下、まとめて。NYTの記事から離れて私が書いている部分も多くなります。関心が高い方は、必ず、元のNYT記事をお読みください。分量がありますが、英文としては平易です(高校1年で読めるレベル)。
http://www.nytimes.com/2015/06/28/world/americas/isis-online-recruiting-american.html?_r=0

「スパイ」呼ばわりされたアレックスに助け舟を出したファイサルは、彼女を「イスラムへの招待」というTwitterアカウントの管理人に紹介した。

この「イスラムへの招待」というアカウントについて、NYTの記事ではMEMRI https://en.wikipedia.org/wiki/Middle_East_Media_Research_Institute をソースとして、「英国のバーミンガムを拠点とする急進的イスラム主義集団のアカウントで、ISIS戦闘員と常に連絡を取っている」と述べている。また、このアカウントの管理人は、今年ISISに加わるために英国から出て行ってしまった15歳女子の過激化に関わっているとThe Sunが伝えているということも書かれている。

「ソースがMEMRI」と「ソースがThe Sun」を鵜呑みにできる人はあまりいないだろう。

というわけでその「イスラムへの招待」というアカウント名をTwitterで見てみたが、鍵つきで中身はわからない。

ウェブ検索を試みたが、たまたま検索ワードがかぶっているだけで無関係のページを除くと、その「~招待」のウェブサイトやTumblr、ソーシャル系アカウント(YouTube, Instagramなど)やハッシュタグのほかは、Whoisの検索結果のページくらいしか表示されない。

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