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職場への訴状送達は逆効果。嫌がらせで有利になる事などありません。

よく見かける、相手の自宅ではなく、わざわざ職場などに訴えてやる!と脅しをかけるやり方。あれだけでも、十分に嫌がらせや名誉毀損になるでしょうが、訴状を職場へ送達するというのも、効果的だと誤解されている事が多いようです。寧ろ、逆効果であり、不当な行為であり、不利になります。

更新日: 2015年07月09日

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takuramixさん

事の発端

「弁護士に依頼するついでに、訴状を相手の職場に争奪すると効果が何倍かになる。」
という意見がありました。
これを真に受けて訴訟に臨む人が出てくるのは問題があるという事で、弁護士の方々から指摘、批判が入りました。

何の効果が「何倍か」になるのか、そこが問題。

心理的な「脅し」の効果は確かに何倍にもなるでしょうが、訴訟では逆効果であり何倍も不利になるでしょう。
訴訟は、相手を脅す事を目的としたものではありませんから、これは自爆行為ですね。

弁護士の方から、丁寧な解説が…

我に正義があれば何をやっても許されると考える、いかにも素人の考えそうな空想ですね。こんなこと許容されるわけありません。 twitter.com/nezikure/statu…

なおここで許されないというのは別に加害者を擁護するわけではなく、住所が分かってるのに敢えて就業場所に送達させて恥をかかせよう、プレッシャーかけようという魂胆が許されないだけなんだけど、その辺分かってくれるかな?

せっかくなんでいくつか解説。 1.まず,訴状の送達は,被告の住所地ないし所在地が原則。 2.就業場所送達といって,職場に送達する方法もあるが,補充的な方法で裁判所が認めないこともあるし,有効性で紛争になる可能性があるので避けた方が無難。

続 3.受け取り拒否や居留守の問題があるということであるが,そうであれば,付郵便送達という方法もある。これなら,「送った時点」で送達完了になる。 4.相手方以外に紛争の内容を知らせて名誉毀損する方法は,ブラック企業とか勘違いワンマンベンチャーに多いが,はっきり言って逆効果。

続 4続き.関係先は,相手方より,こちら側に悪い印象を抱く。「おかしな人に因縁つけられて大変ですね」ということに。 5.訴訟でそれを摘示されると,下手すりゃ,こちらの他の供述の信用性が低下しかねない。

続 6.裁判にかかった費用は敗訴者負担という話があったが,不正確というかほぼ間違い。負担になるのは,勝訴割合に応じた訴訟費用のみ。 7.請求時点で,かなりマージンを取って大きく請求するケースが多いので,請求出来る「訴訟費用」は一部のみ。

続 8.訴訟費用には,弁護士費用は含まれない。出頭の交通費日当のみで少ない。 9.弁護士費用は,認められた賠償額の10%が裁判実務の相場で,基本的に弁護士費用に釣り合わない。

続 10.訴訟費用は請求出来るが,それには,訴訟費用確定の申立てが必要。かなり面倒で特殊なので,やる人はほとんどいない。私の経験でいえば,私はかなりやる方でやったことは沢山あるが,敗訴してこれをやられたことは,一度もない。

続 11まとめ.勘違いしている人が多いが,民事訴訟は,正しい人が間違っている人を追い詰める手続きではない。正しい人が間違っている人に請求する手続きでもない。誰が正しいか決める手続きですら,正確にはそうではない。 ある人のある人に対する権利の存否を判定する手続である。

弁護士が,法的に間違った「ネット法律情報」について,厳しく誤りを指摘するのは,散々,それで被害に遭って不幸になった人を見てきたから。 「ネットに書いてあったとおりにやったんです!」という,取り返しの付かないことになった人の相談を受けた経験は誰しもあると思う。

単なるルール違反や非常識というだけの問題では無い

『ルール違反』や『非常識』として批判されていると誤解されている向きもありましたが、これはそういうレベルの問題ではありません。

訴状を職場に送達する事をもって、暗に周囲にその人が訴訟を起こされている人だと知らせる事により「効果」を得ようとする…。

これは、テレビドラマなどで、ある日上司に呼び出され、
「君、こんなものが届いたよ、一体どういう事だね?訴訟を起こされるような人を雇っておく余裕は無いんだよ!キミ!」
と迫られるような場面がよく描かれるので、「効果がある」と誤解されるのでしょう。

相手を怖がらせる効果ならあるかもしれません。脅しにはなるかもしれませんが、法的には逆効果ですね。せっかくの訴訟が台無しになるような「脅迫的行為」「名誉毀損」を行うなら、訴訟などしなければ良いのです。

いじめ問題で被害者側が違法不当な行為に及ぶのは,明らかに悪手。 いじめが悲劇的な結果に終わるのは「対応が遅れた」からであることが多い。 被害者側が違法不当な行為に及ぶと,関係者に「モンスターペアレントが変な事を言っている!」と思い込んで対応しない「口実」を与えてしまう。

被害者だからこそ、フェアプレイを遵守することが大事なんですよ。泣き寝入りしろと言うのではなく、正当な手段で攻めていきましょうということ。アンフェアなことをやると、かえって心証が悪くなります

前もいったけれど,「相手方の関係先に書面を送って嫌がらせ」って,効果があると思っているのは本人だけですよ。 相手方の無用な怒りを買うし,関係先だって,「相手方が悪い奴」と思うだけでなく「相手方が変な人に絡まれてかわいそう」って思うケースが一杯ありますよ?

訴訟は、脅迫の道具ではありません。

おそらく、ここが最も誤解されているのでしょう。
訴訟を脅迫の道具に使おうとする人が大勢居ますが、それをやった時点で、訴訟では不利になります。
訴訟を復讐の為のものと勘違いしていたら、自爆するだけです。

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