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新国立競技場問題【安藤忠雄氏の記者会見、配布資料全文紹介】デザイン選定後のコストは「承知していない」

新国立競技場問題 安藤忠雄氏の記者会見内容及び、配布資料の全文を掲載しました

更新日: 2015年07月17日

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miyamontaさん

新国立競技場基本構想国際デザイン競技 審査とその後の経緯について

安藤忠雄 あんどう ただお
建築家
大阪府大阪市港区生まれ、同市旭区出身。一級建築士。大阪府立城東工業高校卒業。東京大学名誉教授。21世紀臨調特別顧問、東日本大震災復興構想会議議長代理、大阪府・大阪市特別顧問、新国立競技場 審査委員長。
生年月日: 1941年9月13日 (73歳)
生まれ: 東京都 東京都 港区
著書: 連戦連敗、 境界をこえる、 安藤忠雄最新プロジェクト: 2、他
受賞歴: プリツカー賞、 ジェームズ・ビアード財団賞 最優秀レストラン・デザイン賞、 RIBAゴールドメダル、 AIAゴールドメダル

配布資料全文

新国立競技場改築について、国際デザイン競技審議委員長として、ザハ・ハディド氏の提案を選んだ審査の経緯をここに記します。

 老朽化した国立競技場の改築計画は、国家プロジェクトとしてスタートしました。「1300億円の予算」、「神宮外苑の敷地」、オリンピック開催に求められる「80,000人の収容規模」、スポーツに加えコンサートなどの文化イベントを可能とする「可動屋根」といった、これまでのオリンピックスタジアムにはない複雑な要求が前提条件としてありました。さらに2019年ラグビーワールドカップを見据えたタイトなスケジュールが求められました。

その基本デザインのアイディア選定は、2020年オリンピック・パラリンピックの招致のためのアピールになるよう、世界に開かれた日本のイメージを発信する国際デザイン競技として行うことが、2012年7月に決まりました。

2013年1月のオリンピック招致ファイル提出に間に合わせるため、短い準備期間での国際デザイン競技開催となり、参加資格は国家プロジェクトを推敲可能な実績のある建築家になりましたが、世界から46作品が集まりました。

 デザイン競技の審査は、10名の審査委員による審査委員会を組織して行われ、歴史・都市計画・建築計画・設備計画・構造計画といった建築の専門分野の方々と、スポーツ利用、文化利用に係る方々、国際デザイン競技の主催者である日本スポーツ振興センターの代表者が参加し、私が審査委員長を務めました。グローバルな視点の審査委員として、世界的に著名で実績がある海外の建築家2名も参加しました。
 まず始めに、審査委員会の下に設けられた10名の建築分野の専門家からなる技術調査委員会で、機能性、環境配慮、構造計画、事業費等について、実現可能性を検証しました。その後、二段階の審査で、デザイン競技の要件であった未来を示すデザイン性、技術的なチャレンジ、スポーツ・イベントの際の機能性、施設建設の実現性等の観点から詳細に渡り議論を行いました。2012年11月の二次審査では、審査員による投票を行いました。上位作品については票が分かれ、最後まで激しい議論が交わされました。その結果、委員会の総意として、ザハ・ハディド氏の案が選ばれました。

 審査で選ばれたザハ・ハディド氏の提案は、スポーツの躍動感を思わせる、流線形の斬新なデザインでした。極めてインパクトのある形態ですが、背後には構造と内部の空間表現の見事な一致があり、都市空間とのつながりにおいても、シンプルで力強いアイディアが示されていました。とりわけ大胆な建築構造がそのまま表れたアリーナ空間の高揚感、臨場感、一体感は際立ったものがありました。
 一方で、ザハ・ハディド氏の案にはいくつかの課題がありました。技術的な難しさについては、日本の技術力を結集することにより実現できるものと考えられました。コストについては、ザハ・ハディド氏と日本の設計チームによる次の設計段階で、調査が可能なものと考えられました。
 最終的に、世界に日本の先進性を発信し、優れた日本の技術をアピールできるデザインを高く評価し、ザハ・ハディド案を最優秀賞にする結論に達しました。実際、その力強いデザインは、2020年オリンピック・パラリンピック招致において原動力の一つとなりました。
 国際デザイン競技審査委員会の実質的な関わりはここで終了し、設計チームによる作業に移行しました。

 発注者である日本スポーツ振興センターのもと、技術提案プロポーザルによって日建設計・日本設計・梓設計・アラップが設計チームとして選ばれました。2013年6月に設計作業が始まり、あらゆる課題について検討が行われ、2014年5月に基本設計まで完了しました。この時点で、当初のデザイン競技時の予算1300億円に対し、基本設計に基づく概算工事費は1625億円と発表されました。この額ならばさらに実施設計段階でコストを抑える調整を行っていくことで実現可能と認識しました。
 基本設計により1625億円で実現可能だとの工事費が提出され、事業者による確認がなされた後、消費税増税と物価上昇にともなう工事費の上昇分は理解できますが、それ以外の大幅なコストアップにつながった項目の詳細について、また、基本設計以降の実施設計における設計プロセスについては承知しておりません。更なる説明が求められていると思います。
 そして発注者である日本スポーツ振興センターの強いリーダーシップのもと、設計チーム、建設チームが、さらなる知恵を可能な限り出し合い一丸となって取り組むことで、最善の結果が導かれ、未来に受け継がれるべき新国立競技場が完成することを切に願っています。

2015年7月16日
新国立競技場基本構想国際デザイン競技
審査委員長 安藤忠雄

会見では・・・

採用されたザハ氏案については、「ダイナミックで流線型で斬新、そしてシンボリック」と評価

自分たちはあくまで「デザイン選定」までを担当したのであり、基本設計の際に1625億円への値上がりについては耳にはしたが、それ以降の2520億円への工費の膨らみの詳細については分からず、「なぜそんなに高くなったのか、私も聞きたい。どこか下がらないかのか聞きたい」

斬新なザハ氏案を選んだ理由として、「2020年の東京五輪に勝ち残って欲しいという気持ちの一部があの案を選んだかもしれない。一人の人間としては、できたらザハ案を残してほしい」と語った。

デザイン選定以降の設計段階でのコストアップの詳細については分からないと説明

コスト面については、「値段が合わないなら、(工費を下げられないかを)設計事務所で討論して、それを公に公開しながらやればいいのではないか」と提案した。

今回のデザイン選定には、五輪開催に求められる8万人の収容規模、スポーツやコンサートなどの文化イベント開催を可能にする「可動屋根」という複雑な要求があり、2019年に日本で開催されるラグビーW杯までというタイトなスケジュールも背景にあったとしている。

ザハ氏デザインは、スポーツの躍動感を思わせる、流線型のデザインで、大胆な建築構造がアリーナ空間の高揚感、臨場感、一体感は際立ったものがあり、世界に日本の先進性を発信し、優れた日本の技術をアピールできるデザインだったと評価した。

技術的な難しさとコスト面の課題はあったが、技術面は「日本の技術力を結集することで実現可能」で、コスト面は「ザハ氏と日本の設計チームによる次の設計段階で調整可能と考えた」と説明

その他記事

「新国立」計画見直し…コンペやり直し案も

政府は、2020年東京五輪・パラリンピックのメイン会場となる新国立競技場の総工費圧縮に向けて建設計画の見直しに着手した。

 複数の政府関係者が15日、明らかにした。2520億円に膨れあがった総工費に国民の批判が高まったことで見直しに傾いたが、見直し方法などを巡り流動的な面もある。

 政府関係者は15日、「総工費が増え、国民から反発を受けている中で、何もしないわけにはいかない。計画は見直す」と語った。

 見直しで焦点となるのは、費用高騰の要因となった「キールアーチ」と呼ばれる競技場のデザインで最も特徴的な2本の巨大なアーチ構造の扱いだ。素材や工法の変更などで費用圧縮を目指す案が有力視されている。このほか、デザインのコンペ自体のやり直しを求める意見も出ている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150716-00050006-yom-pol

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