強い共感を喚起することにおいても天才的な手腕を発揮する太宰治が書いたのだから当たり前かもしれない。幼少期、少年期、青年期と同じ作家が書いているのだから、青年期で急に精度が下がるはずもないのだけれど、「このシーンもかいな、このシーンも自分の人生で出てくるんかいな」と未だに驚かされている。

 長くなったが、このような理由で僕にとって太宰治は特別な作家なのだ。
作品はもちろんのこと、太宰治自身に対する興味も募り、お墓参りや太宰が歩いた土地を暇を見つけて訪れるようにもなった。年に一度、太宰の誕生日に『太宰ナイト』というライヴまで開催するほど心酔するようになった。人生における大概の落とし穴は太宰が予告してくれると信頼している。

 そんな気概で色々と足を運ぶのだが、長らく太宰の生家である青森の斜陽館には行く機会がなかった。

 いつも、時刻表を調べたりするのだけれどまとまった休日も運賃もなかったため行けなかったのである。

 しかし、去年ようやく青森に行くことができた。

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