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深刻化する日本の子供の貧困…虐待や教育、体力格差など弊害に

6人に1人が貧困という日本の子供。この貧困は成長過程にある子供に与える影響は大きく、教育や体力格差に現れたり、虐待を受けて心に傷ができたり、非行に走るケースも多いといいます。

更新日: 2017年04月04日

egawomsieteさん

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■貧困で荒れる地獄小学校 「朝昼晩、給食!? 欲しいものはなんでも万引き!」

支払わないのか、支払えないのか。経済的困窮を理由に給食費の滞納者が急増中と語るのは首都圏某小学校の教諭(36歳)。

貧困で荒れる学校。ここは本当に日本?「学校は北関東、国道4号線沿いにあります。場所柄、工場勤務の親御さんが多く、そのしわ寄せが子供たちに及んでいます」

 自ら配膳係を希望し、給食の残りを大きなタッパーに入れ、こっそり持ち帰る子もいるそう。

「給食の時間がいちばん活気づきます。余ったゼリーは争奪戦になります。どこかの県で3か月未納が続いた場合、給食を提供しないことを決めたというニュースがありましたが、もしうちの学校が実施したら暴動になると思います」

子供たちによる“暴動”学級崩壊が起きていると嘆く教諭が続く。

「日頃、家で満たされないストレスによるものなのか。友達の文房具や衣類を盗み、それを近所の公園で販売する問題児たちがいて。彼ら彼女たちは万引きの常習犯で、コンビニであれスーパーであれ、お構いなし。今後が心配です」

■<子ども貧困対策>交付金利用1割 要件厳しく自治体負担も

子どもの貧困対策の一環として国が2015年度から始めた自治体向けの「地域子供の未来応援交付金」が、15年度の補正予算24億円に対し1割の2億4000万円しか利用されなかったことが分かった。申請の要件が厳しかったことや、自治体にも費用負担が生じることが低調さの理由とみられる

17歳以下の子どもの貧困率は13年の調査で6人に1人の16・3%に達する。しかし、衣食住が決定的に不足する途上国の貧困と異なり、目に見えにくいと言われている。

 政府は、貧困の連鎖を断つ狙いで15年度の補正予算で交付金を創設。地域事情に合わせた対策の推進が目的で、(1)実態調査と支援体制の整備計画策定(2)教育・福祉などの連携体制の整備(3)先行的なモデル事業--の費用を、300万~1500万円を上限に補助する。

 ただし、国は当初、(1)~(3)をセットで実施する仕組みを想定しており、消極的な自治体が多かった。このため、所管する内閣府は16年秋から柔軟に使えるよう改めた。また、何を調べればよいか分からない自治体向けに調査項目の具体例を内閣府ホームページで紹介するなどして利用を促した。

それでも昨年12月までの交付決定は12道府県、53市区町の計65自治体、総額2億4000万円にとどまる。自治体側が事業費の4分の1~2分の1を負担しなければならないことも背景にあるとみられる。

 交付が認められた大阪市は、市内の5歳児▽小学5年生▽中学2年生--の子どもと保護者計約9万人を対象にした大規模調査を実施。奈良県平群(へぐり)町は、貧困をきっかけに不登校となった子どもの居場所や学習拠点整備のモデル事業を始めた。

 交付金は16年度の補正予算でも10億円が計上されており、内閣府の担当者は「地域で困っている子どもを見つけて支援につなげるのに活用してほしい」と話している。

■子供の生活困難2割に 都が初の実態調査 困窮層では学習などの機会少なく 支援サービス知らないケースも

東京都が小中高校生ら子供の生活実態調査を初めて行い、家計が逼迫(ひっぱく)するなどの生活困難層にいる子供の割合が約20%に上ることが23日、都の中間まとめで分かった。貧困度合いがより深刻な困窮層は年齢別に5~7%。生活困難ではない一般層に比べ、困窮層では学習やレジャーなどの体験の機会が少なく、授業の理解度が低い傾向にある。保護者が支援サービスを知らずに利用していない実態も浮き彫りになった。

小学5年、中学2年、16~17歳の高校生らと保護者を対象に昨年8~9月に調査。小5がいる世帯の生活困難層が20・5%(うち困窮層5・7%)、中2は21・6%(同7・1%)、16~17歳は24・0%(同6・9%)となった。

 困窮層で金銭的な理由から食料を買えなかった経験が子供の年齢別に6~7割、公共料金の滞納経験が2~3割。過去1年間に海水浴に行けなかった割合は小5、中2で3割になった。遊園地・テーマパークに行けなかった割合は中2で45・1%に達した。

 授業の理解度は一般層に比べて低い傾向で、十分に理解できていない子供の割合は小5で3割、中2で5割に達した。学習塾や家庭教師を利用していない割合は小5で7割、中2で6割となり、一般層の4割に比べて高いことが分かった。

支援サービスを知らず、利用していなかった割合も困窮層では高かった。子供に無料で食事を提供する「子ども食堂」の場合、小5で5割、中2で6割に達した。

調査を都と連携して行った首都大学東京の阿部彩教授は「子供の中で体験などの面で大きな格差があることが分かった。2割の層をターゲットにした支援策を考えないといけない」と指摘している。

 調査では(1)「低所得」▽(2)公共料金や衣類代などを払えなかった経験がある「家計の逼迫」▽(3)経済的な理由で子供にレジャーや学習の経験などが少ない「子供の体験や所有物の欠如」-の3つの基準を設定。1つ以上に該当する世帯を生活困難層、2つ以上の世帯を困窮層、該当なしを一般層と定義。墨田区、豊島区、調布市、日野市の在住者を対象に実施した。

■子供を貧困から救うには? まずは“認識”を改めるべし

なぜ貧困世帯には荒れる子供たちが現れてしまうのだろうか。認定NPO法人もやいの理事長である大西連氏はその原因をこう分析する。

「幼少期に経験した貧困や虐待が原因でコンプレックスに苛まれ、心が廃れてしまった子供がいることは否めません。例えばこの20年間、都内では約10人のホームレスが未成年者から凶器を使用したリンチを受けて死亡しています。そして、逮捕された少年少女の多くは『ホームレスはゴミだと思った』『怠けているから社会のクズだ』と供述しています。残念ながら、そのなかには貧困家庭で育った少年少女が少なくありません」

 なかには一線を踏み越えてしまった子供もいたという。

「暴力団など反社会的勢力の一員に加わってしまう子供もいます。他には20代でメンタルを病んでしまったり、刑務所から出所したけど仕事のない人、刑務所と精神科病棟を出たり入ったりするケースもあるようです」

さらに社会の変化が問題をより複雑なものにしている

「昔はドラマのような絵に描いたケースが多かったので、外から見ても子供の暴走の原因がわかりやすかった。例えば母子家庭で母親の帰宅が遅い、鍵っ子、暴走族のメンバーといったものでした。ところが、今は核家族化が進み、世間のプライバシー意識も高くなり、実態が見えにくくなっています」

 また、東洋大学教授の藤本典裕氏は貧困の経験が子供の心身に与える影響についてこう語る。

「同志社大学が’14年に行った『大阪子ども調査』によると、大阪の子供に自己肯定感について質問したところ『自分には価値がない』と答えた子供は小学生、中学生ともに約2人に1人という結果が出ました。これだけでも衝撃的ですが、特に教育にお金をかけられない貧しい家庭の子供のほうが『価値がない』と答える傾向にあるんです」

そんななかで、我々大人が取るべき解決策として、藤本氏は「一人ひとりの社会的認識を改めるべき」と指摘する。

「NHKの番組を受けて、出演した“貧困女子高生”がスマホを持っていると騒がれ、バッシングが起きましたが、今や高校生にとってスマホは友達との関係を繋ぐ生活必需品。どんな家庭の子供でも所持していてもなんらおかしくはありません。これは食うや食わずの生活をしている『絶対的貧困』の問題と、その日の生活に困るほどではないが、進学や生活環境面で金銭的な不利益を被る『相対的貧困』の違いが混同されたまま理解されていることの現れです。今、なんとかすべきなのは後者だという認識を持つべきです」

また、大西氏は子供を守る場としての「コミュニティづくり」の大切さを強調する。

「大事なのは居場所がない子供を孤立させないこと。そのためにはコミュニティづくりと、それに加えて大人は地域の子供たちに関心を持つことが大事。休日は近くの公園で地元の子供と遊んだり、彼らに何か異変はないか気をつけたりしてほしいです。地元の面倒くさいおじさんを自任する気持ちが大事ですね」

 出口の見えない子供の貧困問題。大人が一人ひとりできることを実行するのが解決の糸口だ。

■「給食のない夏休み、体重の減る子がいる」

文部科学省の「平成22年度全国学力・学習状況調査」を見ると、毎日朝食を摂る児童生徒ほど、学力調査の得点が高い傾向があることがわかる。脳で使われているエネルギーはブドウ糖から補充されるが、肝臓に蓄えられているブドウ糖は約12時間分しかなく、朝食でブドウ糖をはじめとする様々な栄養素を補給して、午前中しっかりと活動できる状態をつくることが大切だと補足している。

 一方で、厚生労働省が発表した2012年の「子どもの相対的貧困率」は過去最悪の16.3%で、6人に1人の子どもが「貧困」状態だ。その現状を伝える一例として、家庭で朝食を食べられず、始業前から給食の残りの牛乳とパンを求めて保健室に行列をつくる子どもの姿が『子どもの貧困連鎖』(新潮社)に描かれている。大阪府内の公立小学校では、2008年から保健室で朝食を出すようになった。

「“給食のない夏休み、体重の減る子がいる。”と帯に記された『子どもの貧困白書』(明石書店)が発売されたのは2009年で、当時と比べても1日の主な栄養源が学校の給食だけ、という子どもたちが少しずつ増えています。給食というものによってどの子も必要なエネルギーと栄養素が得ることができる、これをまず大切にする給食の仕組みが崩壊してしまっては、将来も貧困のスパイラルが繰り返されてしまうのではないか」(関西在住の公立小学校の教師、40代・女性)

「“給食のない夏休み、体重の減る子がいる。”と帯に記された『子どもの貧困白書』(明石書店)が発売されたのは2009年で、当時と比べても1日の主な栄養源が学校の給食だけ、という子どもたちが少しずつ増えています。給食というものによってどの子も必要なエネルギーと栄養素が得ることができる、これをまず大切にする給食の仕組みが崩壊してしまっては、将来も貧困のスパイラルが繰り返されてしまうのではないか」(関西在住の公立小学校の教師、40代・女性)

また、小学校と幼稚園での給食中止に対して、自身が母子家庭で育ったという関西在住の公立小学校の教師(20代・男性)も、心配の声を漏らす。

「給食を中止する日には弁当を持参してもらうと言っても、すべての家庭に弁当を準備する余裕があるわけではない。実際に、私の母親は朝から晩まで働いていたため、早起きをしてまで弁当を作る余裕はなく、いつも給食に助けられていた。もちろん時間的な余裕だけでなく、経済的な余裕があるのかどうか。戦前・戦後の『欠食児童』をなくす目的で始まった学校給食なのに、この時代に再び『欠食児童』の存在を増やしてしまうことになるのではないか」

■荒れる貧困層の子供たち…15歳の援交少女が全裸配信をやめた理由

荒れる貧困層の子供たちももちろん立ち直ることがある。埼玉県の某市に住む華純さん(仮名・16歳)もその一人だ。彼女の転機となったのは「妊娠」。かつてアダルト動画配信で生活していたというその生い立ちもまた凄まじいものだった。

「両親が離婚したのが8歳のとき。原因はパパの浮気だったみたいだけど、ママも男遊びが激しかったからね。ウチらけっこう放置されて育てられたっぽい。4歳上のお姉ちゃんがいるんだけど、夕飯は2人で袋ラーメン作ってたもんね」

 給食費はいつも未納。学校側からの催促に母親が「だったら行かせません!」と怒鳴り込み、そのせいでクラスメイトから集団イジメに遭う。中学校入学直後から、ヤンキー集団の仲間入りをした。

「夜遊びとかするようになったからお金は欲しいけど、家がお小遣い欲しいとか言える雰囲気じゃなくて。だから服とかバッグ欲しいときは援交したけど、中3のときに先輩からもっと稼げる方法を教えてもらって。スマホで配信できるアダルトチャットなんだけど」

彼女が利用していたのは海外にサーバーを置く課金制のアダルトチャットサイト。視聴者が集まれば集まるほど配信者にお金が入る。

「YouTuberノリで始めたんだけど、現役JCってだけで常連の視聴者はめっちゃいた。最初は制服からの下着チラ見せとかやってたけど、『もっと脱いで!』とかリクエストが来るから全裸になってあげたり(笑)。だから『マスクしときゃ大丈夫っしょ?』って開き直ってた。親のカードを勝手に使って、ひと月に最高で15万円は稼いだね」

 しかし先月から配信を休止中。その理由を「今年できた3歳年上の彼との子供を妊娠したら、なんか全部くだらないことに思えちゃってさ」と語る。新たな命とともに歩む彼女たちの前途が祝福されるものになることを願いたい。

■大手メディアが伝えていない「荒れる少年の貧困」――ヤクザの取り立てに怯え、盗んだバイクで走り回る…

「婆ちゃんが『これだけは捨てられない』って聖教新聞を取っとくから、足の踏み場がないんですよ」

 そう案内された良太さん(仮名・17歳)の家は築40年はたとうかという平屋の住宅。玄関を開けると、脂のこびりついた台所の奥に2間の四畳半が見えた。

「家賃は3万円。自分はベッドで婆ちゃんは下で布団を敷いて寝ています。物心ついた頃からずっと」

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