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なぜ…? 戦後消えたはずの病気が今、乳幼児に急増している

昔は一般的だった病気「くる病」。戦後、栄養状態の改善からほとんど見られなくなっていましたが、最近子供たちの間で急増しているようです。背景にあるのは過剰な紫外線対策等による「ビタミンD」の不足。

更新日: 2015年07月25日

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この記事は私がまとめました

国内では戦後ほぼ見られなくなった「くる病」が増加している

足の骨が変形し、歩行しづらくなることもあるビタミンD欠乏性くる病が近年、乳幼児の間で増えている。

国内では栄養が不足していた時代に多くみられたが、食料事情の改善により過去の病気とされてきた。

(以前、くる病は)学会報告などでも、非常に珍しい病態と考えられていた。
ところが20年ほど前から、ぽつぽつ見られるようになり、最近は、ごくありふれた病気といっても過言ではないほど、患者さんは増えてきている

千葉県こども病院医師の言葉。

「くる病」とは

重度のO脚でくる病と診断された男児のレントゲン写真。

“くる病”は、足などの骨が曲がって変形し、進行すると、歩行困難になることもある病気

戦前はこの病気の患者のことを「背むし」と呼んでいたが、現在では差別用語として使用は控えられている。

成長期(骨の発育期)の小児でカルシウムが骨に沈着せず、軟らかい骨様組織が増加している状態をいいます。多くの場合、骨の成長障害および骨格や軟骨部の変形を伴います。

小児の骨にカルシウムが沈着せず、軟らかい骨の組織が増加している状態で、生後3か月頃〜6歳頃の骨の発育期に起こる。

栄養状態の悪かった昔はよく見かけた病気でしたが、高度経済成長を迎え食も豊になり、更にくる病の予防に日光浴を推奨されてからは、日本では珍しい病気となっていた

原因のほとんどはビタミンDの欠乏

名作アニメ「アルプスの少女ハイジ」の車椅子の少女クララが立ち上がるシーン。
彼女の病気はビタミンD不足によるくる病で、ハイジの故郷で日光浴を続けることで改善し、立つことができるようになった。

ビタミンDは、骨にカルシウムやミネラルを沈着させる働きがあり、骨の成長に欠かせません。
このビタミンDが不足すると、カルシウムなどの沈着が悪くなって、骨が柔らかくなり、“くる病”になりやすいのです。

ビタミンDが不足すると骨の生育に異常が生じ、頭蓋骨がへこむ頭蓋ろうや、くる病、骨粗しょう症などが起きる。

背景として紫外線による皮膚癌発症のリスク低減や美容を目的として、過度に紫外線を避ける生活習慣が広まった事が指摘されている。

ここにきて増えた背景として、過度の紫外線対策などでビタミンDが不足している理由が考えられるといわれている。

ビタミンD欠乏症を起こしやすい人は、
. 室内に閉じこもりがちな高齢者(栄養不良と紫外線への暴露が不十分)
. 日焼けを回避する為に、紫外線カット化粧品の多用、全身と顔を衣服で覆っている女性や小児など
. ビタミンD抵抗性のくる病:正常量のビタミンD補給でも肝障害、腎障害などの基礎疾患のある人
とされる。

戦後、くる病防止などのために子供たちが食べていた「肝油ドロップ」。
ビタミンAやビタミンDの摂取ができた。

適度な日光浴と食事からのビタミンD摂取が必要

紫外線の害ばかりが強調され、日光浴の重要性が軽視されている。

日光への暴露が不十分だと,ビタミンD欠乏症が起こりやすくなる。欠乏症により,骨石灰化が損なわれ,小児ではくる病を,成人では骨軟化症を引き起こし,また骨粗鬆症の原因となる可能性がある。

紫外線には害もあるが、実は日光不足も心身に悪い影響を及ぼすのだ。子どもが乳児であっても極端に紫外線を避けずに、帽子を被って散歩に出かけよう。

ビタミンDは皮膚が紫外線の照射を受けて、コレステロールから生合成されます。しかし、乳児ではそれだけでは不十分なため、食物からの摂取が必要で、とくに極小未熟児ではビタミンD欠乏になりやすいことが知られています。

ビタミンDを多く含む食べ物・食材としては、【脂肪に富んだ魚】が代表的な食品として挙げられ、特に魚の肝油や脂身に多いといわれています。

【卵黄】の他、【きくらげ】【干ししいたけ】【しめじ】といったキノコ類にも、その他の食品群と比べると比較的多く含まれています。

逆にこれらの食品群以外にはほとんど含まれていないため、意識的に摂取する必要がある。

母乳育児の落とし穴にも気をつけておきたい

最近、関東地方の健康な子ども、69人の血中ビタミンD濃度を調べた結果です。
およそ4割の子どもで、不足していました。

近年では母乳によって子育てをすることが推奨されていますが、母乳にはビタミンDの含有量が少ないため、完全母乳で子育てをすると、ビタミンDの量が不足してしまうのです。

しっかり母乳をあげていても、カルシウムが骨にならないのは、なぜでしょうか。最近では人口ミルクより母乳育児が推進されていますが、この母乳に「くる病」の落とし穴があったのです。

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