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「氷」一文字で伝わるかき氷の旗って、考えてみると凄い。

夏の風物詩ともいえる「氷」の幟(のぼり)。氷旗。シンプルで、長く親しまれるそのデザイン。考えてみるとすごいと思いませんか? 明治ごろから使われ続けているようです。(20150731 作成)

更新日: 2015年07月31日

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夏になると「氷」の幟(のぼり)が…一文字に意味が凝縮

『かき氷あります!』と主張

「氷」の幟には基本的にはそのような意味が込められていると思います。

かき氷を売る店ならそば屋からデパートの地下食料品売場やコンビニまでみかける。

この単純明快の図柄は、ある時は海水浴であり、ある時は峠の茶屋である。子供の頃の乾いた喉を潤すイメージを与えてくれたり、祭や縁日の雰囲気を醸してくれたり諸々の夏の郷愁を感じさせてくれる。

見ただけで涼しくなる。不思議な旗です。

文字は赤で染められているんですけどね(多数派と思われるものの場合)。

「氷旗」と呼ばれています(読みは「こおりばた」?!)

それは違うと思います。

いや、その旗はかき氷やろw pic.twitter.com/E0jUgQ92EZ

かき氷ではなく普通の氷売り場にかき氷の旗。
「氷」だけしか書かれていないのに、かき氷の旗だと勝手に思うほうがおかしいのでしょうか。

古くから使われ続けていますよね…考えてみると凄い

今に至っても 氷旗 が消えないのは、このデザインに強い共感を感じるからでしょう。

店によって少しずつデザインは違えど、この旗が今でも使われ続けるのはやはりそれだけ強いインパクトを持っているからでしょう。

カキ氷の「氷」と「波」が描かれている暖簾のデザイナーは、誰ですか?
日本の広告デザインの中でピカ一だと思うのですが。

氷旗の氷の一文字に込められた意味は、氷がごちそうであり特別なものであった時代のなごりのように思えます。

かき氷は平安時代にはすでに存在…明治ごろから普及

「あてなるもの、薄色に白襲の汗衫。かりのこ。削り氷(けずりひ)にあまづら入れて 新しき金まりに入れたる。」というフレーズが42段にあります。削り氷とは、小刀で削ったかき氷のこと。これを、新しい金属製のお椀に入れて、甘い蔦(つた)の煮汁をかけて、食べるのは、優雅で上品なものと清少納言は感じていました。

『枕草子』にもかき氷の記述が
「あてなるもの」(上品なものという意)と記されたかき氷は、当時は特権階級の人しか口にできなかったようです。

1869年(明治2年)、神奈川県横浜にある馬車道で町田房造が初めての氷水店を開店(日本においてアイスクリームを発祥させた店でもある)。また、1871年(明治4年)、中川嘉兵衛が五稜郭の外壕で生産した天然氷が「函館氷」と銘打って京浜市場に登場しそれまでのアメリカ・ボストン産の輸入氷「ボストン氷」に比べて良質でかつ低廉であった。

この頃から氷・かき氷が普及したといわれています。

氷旗の起源・成立ちは?

中川嘉兵衛が販売した天然氷には「天然氷」「函館氷」という文字と龍が舞う図柄がデザインされていたといわれています。
この図柄は、「龍紋氷」と呼ばれ、基本型は販売店にかけられた看板で、今に伝わる氷字の下に水流模様の原型になったとみられています。

氷水売りの氷旗としては、明治8年10月出版「明治の光」という雑誌にヨシズ張り屋台に「氷店」とかけられた長方形の手ぬぐい型の図がある。おそらく「氷」の1字のものもあったろう。

天然氷がヒットし、「氷は儲かる」と評判を呼び、氷販売業者や氷水店が急増する。また粗悪氷による悪評も新聞紙上をにぎわすようになると、内務省は明治11年12月4日付けで「氷製造人並販売人取締規則」を発令し、「卸売小売ノ店頭ニ何地製造ノ氷ト大書シタル看板ヲ掲ケ行商ハ荷ヒ(桶箱)等ニ表出スヘシ」と、「産地表示」を義務づけた。
「官許」の字の下に「氷」と産地を染め抜いた「官許 氷 函館」あるいは「官許 氷 中川氷室」のような氷旗が登場する。現代の氷販売店入り氷旗の原型は、この官許氷旗にっあったと考えている。

よく見かける氷旗のデザインとしては、「氷」という文字の他に波が描かれていたり…さらに千鳥が描かれていたり…

氷の文字の下には、海=波が描かれています。そして、波の上には日本古来より波と対で描かれることが多い「千鳥」が飛んでいます。この「波に千鳥」という組み合わせの文様は、涼感を誘うとして夏の着物や浴衣に良く使われます。きっと、この“涼感を誘う”というところから氷旗にも使われるようになったのでしょう。

千鳥文様は昔から縁起物として愛され、波と千鳥が一緒に描かれる「波千鳥」は浴衣の柄などにもよく使われているそうです。
かき氷の季節は夏、ということで涼しさを連想させる伝統的な日本の意匠「波千鳥」に、「氷」の字をはめ込んでこのデザインが生まれたってことなんでしょうね!

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