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チベット死者の書とは何か

一生かかっても語りつくせない程、深い、だけどいたってシンプルな教え、チベット死者の書を要約しました。

更新日: 2016年05月30日

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puchimaruさん

チベット死者の書は、チベット仏教ニンマ派の経典。
パドマサンバヴァが著し弟子が山中に埋めて隠したものを後代にテルトン・カルマ・リンパが発掘した埋蔵教法(テルマ)

「チベットの死者の書」とは、この書をはじめて西洋世界に紹介したアメリカ生まれの人類学者W.Y.エヴァンス・ヴェンツによる命名

チベットでは宗派を問わず、一般に「死者の書」と言う教典を臨終を向かえた人の枕元でラマ僧が読む習慣がある。

「チベットの死者の書」は、深層心理学者カール・ユングが絶賛して以来、欧米の人々にも広く知られるようになった。また近年では欧米での臨死体験研究者から、その体験談との一致が指摘され、改めて注目されるに至っている。

どんな内容?

死者は49日間バルドゥと呼ばれる、生の中間的な状態に留まりますが、
その間に死者は、死の瞬間に眩しく輝く光(クリヤー・ライト)を体験します。

最初の一週間で死者は平和の様相(寂静尊)の神々の、
次の一週間で怒り狂った神々(憤怒尊)の来迎や襲撃を受け、
ついには閻魔大王の前に引き出され、人によっては灼熱地獄に投げ込まれたりします。

そして死者はそれぞれのカルマに従い、六つの世界のいずれかに再誕生していくのです

チカエ・バルドウ(死の瞬間の中有)
チョエニ・バルドウ(存在本来の姿の中有)
シパ・バルドウ(再生へ向かう迷いの状態の中有)

これら三つのバルドウのどこかで解脱できれば、仏の世界へ行けるが、できない魂はこれら三つのバルドウを順次通過した後に、次生(六道のどれか)へと転生して行く。六道はどこも迷いの世界であるから、死者がそこへ迷って行かないよう、解脱できるよう、この『バルドウにおける聴聞(トエ)による大解脱』を死者の耳元で説いて聞かす必要がある。

次に生まれる世界の幻影が現われるが、「その幻影の後を追随してはならない。それに執着してはならない。それを求めてはならない。汝が執着して求めるならば、汝は地獄・餓鬼・畜生・阿修羅・人・天の六道の境涯を彷徨って苦しみを味わう」ことになる。

死者の書が伝えたいこと

死後、目の前に訪れるとされている

仏や神々、光、おそろしい災厄、これらをすべて幻や夢であると見抜き、自分の業が作り出した幻影であると知る。そして究極的には空にほかならないと悟るのである。

空を追求する実修法こそが、じつは「バルド・トェドル」の成立の基盤となっている

死者の書が説く生に対するスタンス

人間は「宇宙」と呼ばれる全体の一部なのです。時間と空間のなかに限定された一部なのです。人間は自己を、自己の思考や感覚を、他から分離したものとして体験します。――それは意識の視覚的錯覚とでもいうべきものです。この錯覚は、わたしたちを個人的な欲望と、ごく身近な幾人かの人間への愛情に縛りつけている、一種の牢獄なのです。わたしたちの課題は、すべての生きとし生けるものを、自然のすべてを、その美しさのままに包み込むまでに慈しみの輪を広げ、わたしたち自身をこの牢獄から解放することにあります

「わたしは地獄を訪れました。幸せになるか、苦しむか、それは己の手の中にあります。
まだ自由の選択のあるうちに欲望を忘れ、次にくる世界を考え、こころの本質を知ってください。
それができないなら、せめて、思考・言語・行為による悪を犯さないようにし、
すべての努力を正法実践に向けてください。
それもできなかったら、せめて、師とサンガと貧しい者たちと富を分かち合いなさい。」

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