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首都圏の空のタブー『横田空域』…未だに続く米軍の日本支配

関東〜中部上空に存在する広大なアメリカ領、通称「横田空域」。首都に近い日本の上空であるにもかかわらず、日本の航空機は自由に飛べず、羽田空港でも余計な迂回を強いられるなど費用や時間の面で大きな負担を強いられています。戦後レジームからの脱却を掲げる政府も、なぜかこの問題には深く切り込んでいません。

更新日: 2015年08月12日

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関東上空に存在する広大なアメリカ領

羽田空港や成田空港を利用する飛行機から外の景色を見ていると「ん??」と思うことがあります。
たとえば関西方面から羽田空港に向かう飛行機の場合、羽田空港から南へ50kmほどの地点を通り過ぎ、その後房総半島端っこまで行き、左旋回した後に羽田空港に着陸します。

羽田空港を利用したことがある人なら、「なんか遠回りするなぁ」と思ったことがある人も多いのではないでしょうか。

横田空域は、新潟県から東京西部、伊豆半島、長野県まで広がり、12,000フィート(約3,700m)から最高23,000フィート(約7,000m)の高度に上る空域であり、現在、この空域においては米軍が管制業務を行っています。

関西方面からの飛行機が羽田空港に着陸する際、南側で大きく旋回してから着陸に向かうのは、この「横田空域」が存在しているからです。

「横田」という名で誤解しそうだがその管制空域は神奈川県や静岡県、北は新潟県まで1都8県にまたがる。そして最高高度は2万3000フィート(約7000メートル)もある、まさに「見えない空の壁」

この空域内には、米軍の横田をはじめ、空自の入間、海自・米軍の厚木などの飛行場があり、これらの飛行場を利用する航空機に対する進入管制業務(航空機に対し出発・進入の順序、経路、方式の指示などを行う業務)を行うための空域として利用されています。

米軍が管轄する「横田空域」図解。
日本の飛行機はこの空域を避けて飛行しなければならない。

上図に示した空域。これが戦後70年を経た今でも米国に占領された状態が続いている。

日本本土の中心、しかも首都にほど近い空域でありながら、日本の主権が及ばない空間です。

特に羽田空港や成田空港から西日本や中国・韓国方面へ向かう民間航空機の飛行ルートに目に見えない壁として立ちはだかり大きな障害となっています。

もっとも高いところで7,000メートルにおよぶ日本の航空機が飛ぶことのできない横田空域。まさに“見えない壁”です。

在日米軍問題と言われてると、真っ先に沖縄の基地問題を皆さんは思い浮かべると思いますが、実は在日米軍問題は沖縄だけの問題では無いのです。

この首都圏の在日米軍問題は、なぜか沖縄ほど槍玉に挙げられていない印象があります。

横田空域の存在によって日本が負担しているコスト

羽田空港の混雑は有名です。
首都圏の玄関口である羽田空港の周辺では、横田空域の存在のために飛行機が飛ぶ進路が限られてしまうことが原因のひとつです。

横田空域のせいで、日本の航空機はわざわざ大回りをして移動をしており、無駄な時間や燃料を浪費しています。
その量は毎年約11万kℓ。

この11万kℓという数字は羽田発大阪行きの消費燃料約1年分に相当する量とのこと。

横田空域を飛行できないことによる大回りにより、航空会社は余分な燃料を使用せざるを得ず、その分の費用は最終的には利用者負担となります。飛行時間が余計に多くかかることも言うまでもありません。

利用者にとっては運賃高としてデメリットを被り続けている。

無駄に迂回することによる燃料コストは当然利用者に跳ね返ってきます。
お金だけでなく、時間の問題も…。

羽田空港のすぐ西に広がる「横田空域」が、2020年東京五輪で増大する航空需要をまかなう妨げとなっている。国土交通省は複数の新たな航路を検討しているが、実現には空域内を通過しなければならず、米軍との調整が必要としている。

オリンピックが東京で開催される2020年には、羽田・成田両空港の発着処理能力を超える航空需要が生じると国土交通省は試算しています。

なぜ「横田空域」が存在しているのか

戦後、戦勝国であるアメリカ合衆国と、敗戦国である日本の間には日本国内での米軍の特権を認める「日米地位協定」という不平等な協定が締結された。

横田空域があるのは終戦後、連合軍が日本の航空管制を掌握したのがはじまりで、今も日米地位協定に基づいて米軍が管理しているからです。

米軍による横田空域の管制権の法的根拠は、日米地位協定にあります。

日米地位協定は正式には「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第6条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定」といいます。

「なぜ関東に米軍の制空権(基地)が存在するのか?」という事ですが、やはり司令部機能を持ち合わせている部隊が多いので、首都圏に近い方が日本政府や防衛省/自衛隊との連携の面でも有利と思われ、現に横田や厚木、座間などからは頻繁に首都圏へ向かうヘリコプターが確認できます。

また、首都圏に米軍基地が機能していることで抑止力となっているという見方もあります。

なお、日米地位協定により米軍人、軍属、家族は出入国の手続きを必要としない。このため、アメリカの高位高官が出入国してもそれが日本側に告知されない限り、日本はその事実を知ることができない。

日米地位協定では、現役の米軍人などが外国から日本国内にある米軍基地に入る場合はパスポートを持つ必要がありません。

横田空域 返還の可能性はあるの?

同空域は1992年(平成4年)に約10%、2008年9月25日に約20%が返還され、現在は高度約7000mから約2400mの、東から西に高い6段階の階段状となっています。

2008年に20%返還された時は、羽田から西に向かう便の飛行時間は平均3分短縮された。燃料費は年間約60億円削減された計算になる。

横田空域については、日米合同委員会の下の枠組みにより日米両国政府が協議を行い、これまで7回の一部返還が実現していますが、 日本政府が求めてきた横田空域における進入管制業務の米軍から日本政府への移管(横田空域の全面返還)については、米軍は運用上の理由により応じられないとの立場をとっています。

今のところ、全域返還の見込みはまったく立っていません。

もし全域返還されれば、大阪国際空港(伊丹)までなら現状50分程度のところ、30分近くで着くようになるでしょう。福岡や沖縄も、今より20分は短縮されるはずです。燃料費も浮き、年間で数百億円規模のコストが削減できると考えられます

横田空域が全域返還されれば、日本の民間航空機は今よりもずっと自由な航路を飛ぶことができるのですが…。

今年で戦後70年。米軍による日本支配はいつまで続くのでしょうか?

もう一度横田空域のおさらいをしておきましょう。

戦後70年を迎えた今も、日本の中心のこれだけ広大な空域が米軍に占領されているということを。

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