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ツィゴイネルワイゼン・陽炎座・夢二 鈴木清順の描く浪漫三部作

いろいろとぶっ飛んでる監督の描く、耽美で魑魅魍魎な大正絵巻。ハマる人はとことんハマるこの映像美の世界を覗いてみませんか。

更新日: 2017年04月08日

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Cabodarocaさん

鈴木清順

監督の鈴木清順さんについてざっくりと。

※松竹大船撮影所の戦後第一回助監督試験を受け、合格を果たす。
※「日活は松竹の3倍の給料が出るよ」と西河克己監督に誘われて日活移籍を決意。
※『東京流れ者』の虚無的なラストシーンが日活上役たちから大批判を受け、急遽、ラストシーンを撮り直す。修正前のフィルムは現存せず。そしてとうとう翌年、『殺しの烙印』で社長の逆鱗に触れ、日活を解雇されてしまう。
※日活解雇後、妻や彼を慕う人々に生活や仕事を支えられ、梶原一騎プロデュースの『悲愁物語』で映画界に復活。そして荒戸源次郎プロデュースの『ツィゴイネルワイゼン』で日本のみならず海外でも高い評価を受ける。キネマ旬報ベストテン1位(黒澤明監督『影武者』は2位)など、各賞受賞。

映画のことはよくわからないけど、この人の映画見てると、映像の繋がりとか、役者が上手いか大根かとか、わりとどうでもいいと思ってるんだなーと感じるのは私だけでしょうか?

ツィゴイネルワイゼン

4人の男女が、サラサーテ自ら演奏する「ツィゴイネルワイゼン」のSPレコードを取り巻く、妖艶な世界へと迷い込んでいく。
内田百閒の「サラサーテの盤」ほかいくつかの短篇小説を、生と死、時間と空間、現実と幻想のなかを彷徨う物語として田中陽造が見事に脚色。
1980年キネマ旬報ベストテン第1位、ベルリン映画祭特別賞、ブルーリボン賞最優秀監督賞、第4回日本アカデミー賞最優秀作品賞等受賞。

5人の男女(または4人?)のうち、誰が真実を語り、誰が嘘を言い、誰が生きていて誰が死んでいるのか、誰かが誰かに取り憑かれているのか、すべてが曖昧なまま、この世界に引き込まれていきます。

タイトルにもなっているサラサーテのヴァイオリン曲以外は、ほとんど音楽は使われず(流しの三人組が歌う俗謡などが劇中で出てくるくらい)その代わりいろんな効果音が出てきます。この音がまた意味深なんですよね。

原田芳雄さんみたいな風貌の俳優さんって今の時代にはもう出てこない気がする。この映画の原田さんはなんかもうケモノのようで、すごいです。

映画監督の藤田敏八さんも、独特な風貌とその微妙な棒加減w(褒めてます)がリアルにこの時代の人っぽいです。

大楠道代の妖艶な美しさ。

でもそれよりもっと恐ろしい大谷直子。

鈴木清順監督ツィゴイネルワイゼン、知らず知らずの内に現実だか幻影を観てるのかわからなくなる、その境界への誘い方が実に巧妙で素晴らしい。 他の映画もそうだけど身を任せていれば清順の世界に、彼の幻影に入り込んでいく。

陽炎座

1981年公開の日本映画。泉鏡花原作。新派の劇作家が、謎めいた女やパトロンたちに翻弄されて生と死の境を彷徨う。
前年の『ツィゴイネルワイゼン』の成功を受けて製作され、独特な映像美と難解な物語の進行が見るものを困惑させる作風は前作同様である。
1981年キネマ旬報ベストテン第3位、日本アカデミー賞最優秀助演男優賞、優秀脚本賞、優秀撮影賞、優秀照明賞等受賞。

ハードボイルドなイメージのあった松田優作さんが、新境地を開いた作品。この後、夏目漱石原作の「それから」にも主演、レトロな雰囲気が似合う俳優さんとしても認知された感じ。

まだ顔を見せないで、打向つた青行燈の抽斗[ひきだし]を抜くと、其処に小道具の支度があつた……白粉刷毛の、夢の覚際の合歓[ねむ]の花、ほんのりとあるのを取つて、媚かしく化粧を為出[しだ]す。 -「陽炎座」

原作の泉鏡花 アンティークの装飾品のような美しい文章。

出典dai7.org

映像の美しさとしては、前作のツィゴイネルワイゼンよりもっと「狙ってる」印象を受けます。その分意味不明さは増してるんだけど。この場面とか…

作品中、ほおずきの実が女の魂のメタファーとして使われていますが、そうするとここってどういう……??怖いいでもってやっぱわかんねえええ!

でも、わかんないからこそもっと引き込まれるっていうのが、清順映画の魅力かもです。

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