1. まとめトップ

モンサントが世界の食糧を牛耳っている?! | 陰謀論の真相

「農業マフィア」「巨悪」とも呼ばれるモンサント。除草剤などの農薬や、遺伝子組み換え(GM)技術を利用した種子などを製造・販売する世界的なバイオ化学メーカーには、市民団体や環境団体から大きく批判されています。本当のところはどうなのか、モンサントについて調べてみました。

更新日: 2017年06月19日

2 お気に入り 2687 view
お気に入り追加

▼ モンサントは農薬、遺伝子組み換え作物において大きなシェアを持つ

農産業界に君臨する米国の超巨大企業モンサント・カンパニー。除草剤などの農薬や、遺伝子組み換え(GM)技術を利用した種子などを製造・販売する世界的なバイオ化学メーカーだ。

モンサントは100年以上の歴史と、100億ドル以上の売り上げを誇る世界的なバイオ化学メーカーです。遺伝子組み換え作物において圧倒的な世界シェアを持ちます。

▼ 遺伝子組み換え技術で知られるモンサントには、環境団体から批判が…

毒性が問題視されながらなお農薬の大量使用が続き、遺伝子組み換え作物が増え続ける原因のひとつに、一握りの多国籍企業の影響力があります。
その影響力は、種子から流通、食卓までと食糧の生産を支配し、さらに生産者と消費者が分断されている現状があると考えています。
毒性の高い農薬の使用中止を呼び掛け、遺伝子組み換え作物の作付け廃止を訴えるとともに、有機農業への転換を訴えています。

2012年に行われたモンサントに対する批判運動の様子

モンサントの商品である遺伝子組み換え作物や農薬については漠然とした安全性への不安や、またモンサントのような大企業に農業を牛耳られるといったイメージも根強くあるようです。

▼ 環境団体のモンサント批判には、ジャーナリストから疑問の声も

環境NGOのグリーンピースの人たちとも話をするのですが、彼らの「生態系に合った農業が必要」といった理想はよく理解できますが、自分たちは工業社会の恩恵を受けて都会に住んでいますから、どうも説得力に欠けます。

現実問題としては不可能ですが、仮に世界中の食べ物をすべて有機農産物にしたら、生産量は下がる、人手はかかるで、値段が上がります。すると、今度は所得の高い人はよいでしょうが、低い人の生活レベルは間違いなく下がります。そういうことを考えると、いまの農業はまずまずの豊かさを支え、よいパフォーマンスを発揮していると言えるでしょう。

「非科学的な遺伝子組み換え作物論争に終止符を!」- 毎日新聞・小島正美記者に聞く遺伝子組み換え作物

▼ 利用者である農業生産者からはモンサント製品について肯定的な意見も…

以前は、恥ずかしいことに私は「遺伝子組み換え作物が普及しても、農薬は減らないし、収量も増えない」という内容の海外の論文を記事で書いたりしていました。ところが、実際に行ってみたら、現場では私の考えていたこととはまるっきり違うことが起きていました。生産者は口をそろえて「収量は増えます」「農薬も確実に減ります」「殺虫剤をまかなくて済むので、環境にもいいです」と言うのです。

私の心の中にも、以前は多少なりとも「農家が巨大企業の操り人形に…」というようなイメージもあったのですが、実際に生産者に会ってみると、そんなことはありませんでした。どの農家に聞いても、「今年はあるメーカーから買ったけど、来年は別の会社から買うかもしれない」という人がいましたし、今でもいます。

実際に、どの生産者に聞いても、間違いなく農薬は減るし、収量は増えるし、環境にも良いんだという答えが返ってくる。一度目は、遺伝子組み換えのシェアが3~4割でしたが、さらに増えていたので「生産者が植えてみて、効果的だったからまた増やしたんだ」と考えました。私自身も最初の1年ぐらいは懐疑的な気持ちもあったのですが、これまでに8回の海外取材をした結果、もはや組み換え作物のメリットは揺るぎないものと考えざるを得ませんでした。

強調したいのは、途上国のアルゼンチン、ブラジル、フィリピンなどでドンドン使用する農家が増えていることです。途上国でも伸びているということは、零細な農家でも大きなメリットがあるということです。これまでに発表された内外の数百の査読付き論文によれば、組み換え作物が収量を上げ、農薬の使用を減らし、世界の食料問題を解決しうる力をもっていることは明白だと言えます。

遺伝子組み換え作物の苗の価格は高いです。しかし、彼らも商売ですから、ずっと損し続けるわけにはいきません。高くても買うということは、その高い値段を上回る収量があったと考えられます。つまり、苗代が高くても使用する生産者が増え続けていくということは、それだけのメリットがあるということです。

利用者からは肯定的な意見も多いようです。
多くの環境団体とモンサントの間に認識の大きな差が存在していました。その認識の差がモンサントへの批判の要因とも言えるようです。
そして、近年、モンサント側の対応に変化が生じています。

▼ 頑なだったモンサントの態度にも変化のきざしが…

これまでは直接の顧客である農業生産者に(のみ)誠実であればそれで十分とも考えてきた。彼らに最適な道具を提供できればそれでよし、と考えてきたのだ。だがそんな姿勢を2年前から変えた

ここ数年、農業への関心が高まり、またSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の普及で、現代的な農業に対して必ずしも正しい情報が行き来していないことがわかった。むしろ、誤った情報がはびこっている。

モンサント広報担当の副社長であるヘスース・マドラゾ氏

全社で毎日のように対話を行っている。会社が組織的に行うこともあるし、従業員が自発的にやっているものもある。従業員には「自由にやっていい」と勧めている。効果も出てきた。農業への関心は本当に高いことを、あらためて知った。参加者からは「なぜこのような取り組みを早くやってくれなかったのか」という声も出ている。

モンサント広報担当マネージャーウィリアム・ブレナン氏(2016年当時)は以下の様に述べています。

モンサントに批判があることは承知しています。ただし私たちは自由な言論活動や意見表明を妨害することはありません。また健全な批判は歓迎します。そして私たちにも反省があります。これまで農家との意思疎通は重ねてきましたが、一般社会、そしてステークホルダーの皆さんと農家ほどにはコミュニケーションを深めてきませんでした。今はさまざまな立場の方と対話を重ねています

モンサント本社への見学は年900団体もあり、広報チームが分担して、可能な限り、希望者を案内している。反対派から、料理のプロ、小学校から大学生までの学生、そしてユーザーである農家、海外からの要人、あらゆるメディアなど、多様な人が来るという。世界各地のモンサントの支社でも広報担当者が市民集会などに出向き、話す機会を増やしている。ホームページでの情報公開も充実し、さまざまな寄せられる疑問に、広報担当者が丁寧に答えている。

▼ そんな中で、立場を変えた元モンサント批判活動家も…

1 2





気になったことを調べてまとめています。
関心分野はサイエンス・コミュニケーションです。