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花粉アート...世界文化賞を受賞したヴォルフガング・ライプの独特な世界

花粉でさえもアートにしてしまうヴォルフガング・ライプまとめ。

更新日: 2015年10月15日

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sarimaroさん

ベルリンのベルテルスマン・ベルリン支社で10日に開かれた第27回高松宮殿下記念世界文化賞の受賞者発表会見には、彫刻部門の受賞者、ヴォルフガング・ライプ氏(65)ら約130人が出席し、現地メディアの注目を集めた。

▼高松宮殿下記念世界文化賞とは?

高松宮殿下記念世界文化賞(たかまつのみやでんかきねんせかいぶんかしょう、Praemium Imperiale)は、1988年(昭和63年)に財団法人日本美術協会が前総裁・高松宮宣仁親王の「世界の文化芸術の普及向上に広く寄与したい」という遺志を継ぎ、協会設立100周年を記念して創設した賞である。

「絵画」、「彫刻」、「建築」、「音楽」、「演劇・映像」の5部門で優れた人物に授与される。文化芸術の分野でノーベル賞を補完しようとする目的がある(ノーベル賞に存在する文学部門がないのはそのためである)。受賞者へは金メダルと1500万円が与えられる。

▼ヴォルフガング・ライプとは?

ヴォルフガング・ライプさんは、一貫して、生命をテーマにしてきた。
大学で医学を学び、その中で、科学の限界を感じて、24歳の時、芸術家に転身した。

ヴォルフガング・ライプさんは、「『生命』とは、医学でいうような、単なる『肉体』の問題ではありませんでした。わたしは、医者としてやりたかったことを芸術作品で表現しているのです」と話した。

芸術家になって半年後、大理石の表面を削って、牛乳を注いだ作品を発表し、注目を浴びた。

Milkstone ミルクストーン 1976年作
材料:大理石、牛乳
大きさ:27x31x6 cm
この作品はライプがミルクストーンを作り出して2作目の作品という事のようだ。

ヴォルフガング・ライプさんは、「この『ミルクストーン』という作品は、病院での経験が基になっています。重い病の人々や、死んでいく人々との交流が、この作品を生み出したのです。『ミルクストーン』は、わたしが感じた『生命とは何か?』、『生命の神髄とは何か?』に対する答えです」と話した。

その人生観は、東洋の思想や文化から、多大な影響を受けている。
10代のころに旅行したインドで、想像を絶する貧困を目の当たりにしたことがきっかけだった。

作品に使う素材も、牛乳やお米など、生命を育むもの。

Rice House ライスハウス 1989年
材料」:木に蜜蝋、中に米
大きさ:21 X 24 X 98 cm
1983年頃より、ライスを使った作品を発表しだし、更に蜜蝋を使った作品を発表しだしている。

ミツバチが巣づくりに使う蜜ろうで作った部屋や、自分の手で集めている花粉で作った作品が代表的。

Five Pollen Jars 花粉の入った5つの瓶 1981-90年
材料:花粉(パイン2つ、モス、ダンデリオン、バターカップ)、金属板
このような置き方は、ライプの家の台所の出窓に飾ってあった置き方のようだ。明るい台所の出窓にさりげなく置いてある瓶に入った花粉が置いてあるが、これが美しい。

花粉のインスタレーション(豊田市美術館にて)2003

ヴォルフガング・ライプさんは、「2年前にMoMAでつくったような大きな作品では、20年分の花粉を使いました。1990年代から集めたものです。ほどほどの作品をつくるのは、とても簡単ですが、本当に良いもの、本当に大切なもの、何世紀も価値を保つものをつくるのは、非常に難しい」と話した。

▼MoMAでつくった大きな作品

Installing Pollen from Hazelnut in the Marron Atrium at The Museum of Modern Art, 2013
ヘーゼルナッツの花粉で敷き詰められた荘厳なインスタレーション。

約5.5×6.4メートルの大きさで、これまでのアーティストの中で最大の花粉のインスタレーションとなる。

ヴォルフガング・ライプさんは、「今も世界には、戦争や暴力があります。人類にとって許されない行為です。芸術と文化は、常に世界を変えてきました。そして、人類そのものも変えてきました」と語った。

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