そして確認して戻ると救急車を呼び、子供達に一歩も家を出るなと言い残して、また出ていった。

しばらくして救急車が来て、騒ぎは大きくなり始めた。窓越しに確認すると、今度はパトカーまで来ていたそうだ。その騒ぎは一晩中続いた。



翌日の朝、殺人事件が起こったことを知った。

殺されたのは、あの家の長男だった。鍬で頭部をめった打ちにしての殺害だった。めった打ちにした場所は家の裏だったらしいが、最後の力を振り絞って、人の目に触れるあの大きな木の下までたどり着いて、そこで息絶えたらしい。

家にいたおばさんが自分がやったと証言したため、おばさんは警察に連れて行かれたが、翌日の昼間に次男が出頭してきて、おばさんは家に帰された。地元の新聞では大きく報道されたそうだ。

次男の判決はさほど重くはならなかった。動機が母親を助けるためだったのと、周りの証言や、もしかしたら嘆願書も出ててたかもしれないらしく、刑は思いのほか軽く済んだそうだ。

次男の刑が確定したその日、おばさんは家の木で首を吊って自殺した。Aは学校にいたため、事件が起こったことは家に帰るまで知らなかったらしい。

その家では、2年ほどの間に3人も人が死んでしまった。

あの事件が起こった後は、その家には誰もいないはずなのに、それ以来その家の前を通るのを止めて、大回りして家に帰るのを選んだそうだ。自宅の玄関からも見える家なのに。

事件から5年くらいが過ぎた頃、あの家の次男は刑期を終えて戻ってきた。近所の家を謝罪して回っていた。

Aの家にも訪ねきた。父親が対応して

「苦しかったね。これから頑張るんだよ」

そう声をかけていた。

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