「兄貴やめてくれないか」

そう言って話を遮ろうとしたが、それでも長男は話を続けた。

「昨日さ、夢に親父が出てきたんだ。俺を見ながら、何度もすまないすまないって言うんだよ」

それを聞いた次男は、

「何で兄貴の所だけに出て、俺たちの所には出ないんだよ」

Aを見ながらそう語りかけた。

その問いに対して長男から出た言葉に、二人とも驚いたらしい。

「次は俺なんじゃねーの。だから親父は、俺に謝りに来たんだろ」

二人はそれを聞いて押し黙った。その日はそれ以上、そのことを3人とも語ろうとはしなかった。



その後、長男の言った一言によって、3人は今まで以上に連絡を取り合うようになったそうだ。

父親の死後1年9ヶ月経った頃、突然長男と連絡が取れなくなった。次男からもその連絡が来た。家に電話をしても、嫁さんすら出ないとの事だった。

次男は不審に思い、長男の勤める会社に電話したそうだ。会社から返ってきた言葉は意外だった。1ヶ月ほど前に突然退社したと聞かされた。

二人はすぐに長男の自宅に向かった。何度呼び鈴を鳴らしても、誰も出てくることはなかった。不審に思ったのか隣の住人が出てきて、話を聞いてくれた。

すると隣の人は笑いながら、

「3人で旅行に出かけるって言ってましたよ」

そう教えてくれた。二人にはどうしても納得がいかなかったらしい。何で俺たちに何も告げずに出かけるんだ? あれだけ密に連絡を取り合ってたのに。

それからすぐに二人は、行きそうな場所として実家に向かった。主の居なくなった家にたどり着いたが、そこにも3人の姿は無かった。

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