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実は名前が間違ってた(かもしれない)名画

絵画に画家本人がタイトルを付ける習慣が始まったのは実はわりと最近。それまでは誤解に基づく名前を付けられることが結構ありました。また正式なタイトルが付けられるようになって以降も、思わぬ理由で間違った題名が広まることも…。

更新日: 2016年05月26日

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ottwoottwoさん

《高級娼婦》

ヴィットーレ・カルパッチョ
1490年頃
コレル美術館所蔵

派手な服装から女性たちは娼婦だと信じられていたが、実は当時高級娼婦のファッションを貴婦人が真似る事は珍しくなかった。
今はこの絵は「二人のヴェネツィア婦人」などと呼ばれている。またこの画面はもっと大きな絵の4分の1部分だったことも判明している。

《ロレートの聖母》

ラファエロ・サンティ
1509-1510年頃
コンデ美術館所蔵

かつてイタリア・ロレートの教会にあったこの絵の模写が誤ってオリジナルと信じられていたため付いた題名。
ラファエロの手によるこの真作の方はロレートの地とは何ら関係無いのだが、模写に付いていた名前がそのまま継承された。

《ラ・フォルナリーナ》

セバスティアーノ・デル=ピオンボ
1512年
ウフィツィ美術館所蔵

ラファエロが恋人フォルナリーナを描いた別の絵と混同されていた。
今は正しい作者が分かり、題名も単に「女の肖像」とされることが多い。

《麦わら帽》

ピーテル・パウル・ルーベンス
1622-1625年頃
ロンドン・ナショナル・ギャラリー所蔵

かぶっているのはフェルト帽なのだが、18世紀以降麦わら帽と勘違いされていた。フランス語のpoil(フェルト)とpaille(麦わら)を混同したらしい。
ルーベンスを尊敬していた女流画家ヴィジェ=ルブランもこの間違いに影響されて麦わら帽をかぶった自画像を描いている。
代替タイトルは「フェルト帽」「シュザンヌ・ランダンの肖像」あるいは旧姓にちなみ「シュザンヌ・フールマンの肖像」など。

《夜警》

レンブラント・ファン=レイン
1642年
アムステルダム国立美術館所蔵

本当は昼の光景なのだが、明暗が劇的に描かれていたことと、劣化によって茶色く変色していたことから夜の絵だと勘違いされてしまった。
「夜警」というタイトルで完全に定着してしまったので、代替案の「フランス・バニング・コック隊長の市警団」はあまり浸透していない。長すぎて覚えられんし。

《織女たち》

ディエゴ・ベラスケス
1657年頃
プラド美術館所蔵

タペストリー工房で働く女性たちを描いた風俗画と思われていたが、今は新解釈に基づき「アラクネの寓意」と呼ばれる事が多い。
アラクネが老婆に化けた女神アテナと織物の腕前を勝負している場面。

《シテール島への巡礼》

アントワーヌ・ヴァトー
1717年
ルーヴル美術館所蔵

「~への巡礼」はこれからシテール島へ向かうところという解釈に基づくタイトルだが、一方で今いるここがシテール島であってこれは帰りがけの場面だという説もあり、真相ははっきりしない。
もしそうなら正しいタイトルは「シテール島からの出発」といったところか。

《真珠の女》

カミーユ・コロー
1868-1870年頃
ルーヴル美術館所蔵

少女が付けている髪飾りを指してのタイトルだが、実際は枯葉を模した装飾。
見間違いで誤ったタイトルを付けられたという説と、詩的表現であり間違えたわけではないという説がある。

《ファーストキス》

ウィリアム・ブグロー
1890年
個人所蔵

これは珍しい例。
正しいタイトルは「子供のアムールとプシュケー」なのだが、老舗の美術サイトWebMuseumになぜか全く違うタイトルと制作年が書かれているためにそれを参照した多くの人に誤解が広まってしまった。
ちなみに日本では「サイゼリヤにある絵」として有名だが、イタリアではなくフランス絵画である。

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