“日本は諸事情が建艦競争を不可避とするような情勢にまで推移することを許すわけはあるまいと思う。
1935年‐1936年の予算は2,193,414,289円、その中約47パーセントが陸海軍費。概算せられたる1936年の国債は9,880,000,000円、これは内閣統計局が1930年の国家収入を計算した額、即ち10,635,000,000円とほとんど匹敵する。
しかるに満州での経費は莫大なものであり、国民はすでに重税を課せられ、多くの社会層が極度に救済資金を必要とする現状にある日本が、どうしたら英米両国と同じ海軍比率を維持する計画に乗り出し切るか、これは見当がつかない。”

出典滞日十年 上 (ちくま学芸文庫)/筑摩書房 名分話 第328回 ハルとグルー(9)|メモ垣露文

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