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憧れのタワーマンション 光と影

「高級」の代名詞のタワーマンションは若者夫婦から高齢者まで広く人気を集める定番商品ですが、階層によっての格差や住民構成の複雑さからくるトラブル、もしもの建て替えで同意を得るのは難しいなどのリスクを抱えます。

更新日: 2017年11月26日

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egawomsieteさん

<横浜最高層58階>最上階は8億円の横浜・超豪華タワマン

横浜みなとみらい21地区と関内地区の中間で、横浜市最高層・最大規模の「ザ・タワー横浜北仲」(事業主は三井不動産レジデンシャルと丸紅)が現在建設中だ。11月25日から販売が始まり、最上階58階に配置される住戸は8億円だ。

専有面積は約212平方メートル、約64坪。マンションの平均的な広さ70平方メートル・3LDKが3戸分収まる広さに、ゆったりと3LDKを収めるプランが提案されている。このクラスになると、実際の間取りはオーダーメイドになることが多い。

 一般に15畳程度の広さで「広い」とされるリビングダイニングは、規格外の60畳大。寝室は22畳。来客用の寝室も設けられ、そこには専用のバストイレが付く。住戸の向きにもよるが、リビングの窓からは横浜港とベイブリッジの眺望、そしてみなとみらい21地区を見下ろす景観が楽しめる。

「ザ・タワー横浜北仲」では、200平方メートルを超える大型で高額の住戸が4戸つくられる計画。このような話を聞くと、思わず「そんなマンション、誰が買うのか」と言いたくなる。「東京の中心地ならともかく、横浜で購入者がいるのか」という疑問もわく。

 しかし、今の不動産会社は、目算なしにマンション開発を行わない。「売れる」という自信を持っての分譲開始だ。実際、東京の中心エリアでは、超高層マンションの最上階部分で15億円クラスのマンション住戸が複数登場しており、それをはるかに超えるモンスター級・高額住戸もでている。超高層タワーマンション、都心低層マンションの最上階というようなプレミアム・ポジションの住戸であれば、想像を超える価格設定になってしまう時代なのだ。

では、「横浜で売れるの?」という疑問に対してだが、実は横浜市は人口373万人で、すでに大阪市の271万人より100万人も多い大都市となっている。これだけの大都市であれば地元に富裕層が多いし、「ヨコハマにセカンドハウスを持ちたい」という富裕層が全国、そして全世界に出てくることも不思議ではない。8億円の住戸を横浜で検討したいという人が複数現れても当然だ。

そして、8億円住戸には、他のマンションではなかなかお目にかかれない特典が付けられている。

 「ザ・タワー横浜北仲」は、1~3階にはスーパーマーケットを含む商業施設・文化施設が入り、46階から51階はホテル。一般的なホテルと少し性格が異なるサービス付き長期・短期滞在型宿泊施設「オークウッド」が入る。「オークウッド」よりも上の階の住戸、つまり52階から58階までのフロアがハイグレードエリアと位置づけられている。

ハイグレードエリアに直結するエレベーターは46階のホテルロビーにも停まるため、ホテルのロビーで客と待ち合わせて、住居部分に案内することができるし、ホテルのレストランも利用しやすい。さらに、室内清掃をホテルに依頼できるサービスなども将来的に採用される可能性が考えられる。ホテルに暮らす便利さと、マンション住戸のくつろぎの両方が手に入るわけだ。ホテルと一体化し、ホテルのサービスも受けられるマンションは極めて数が少ない。その希少性もある。

 もちろん、「ザ・タワー横浜北仲」は、限られたスーパー富裕層だけのものではない。総戸数は1176戸で、第1期分譲住戸は、約44平方メートルの1LDKが4500万円から。最多価格帯は6600万円で、5000万円台~7000万円台の2LDK、3LDKがある。それなら手が届くと言う人も多いだろう。

みなとみらい線「馬車道」駅と直結し、同駅から徒歩1分。横浜の歴史的建造物が並ぶ広場を通り、ショッピングを楽しみながらマンションの入り口に……。これまで、他にはなかった住み心地を実現するマンションで、昨年12月に資料請求の受け付けを始めてから今年11月12日までに約1万4200件もの資料請求があった。驚異的な数字である。

 そして、8月からのモデルルーム見学者は3600組以上。ケタ外れの注目度で、第1期分譲で販売される住戸は730戸。一つのマンションで一度にこれだけ多くの住戸を売り出すのは、横浜市内での最高記録となる。

■中国人のタワマン爆買い終了 即座に「転売」に出すケースが続出

東京湾を望む湾岸エリアでも屈指の人気を誇る豊洲地区。優に10を超えるタワーマンションがそびえたつ日本有数の「タワマン街」にあって、コンシェルジュ付きでホテル並みの豪華さで知られる有名物件に住む酒井隆氏(仮名、42歳)はいま、頭を抱えている。

事の発端は酒井氏が転職で職場が遠くなるため、いま住む部屋を売却しようとしたことにある。

酒井氏の住むタワマンは近くに緑豊かな公園が広がる好立地なうえ、丸の内まで電車で十数分という交通の至便さもあり、東京駅周辺で働くファミリー層に人気。設備も申し分なく、夜景を一望できるラウンジスペースからジェットバス完備の大浴場もある。

それだけに売りに出せばすぐに成約すると思ったが、そんな酒井氏の「楽観」は見事に裏切られることになる。

「売り出してから半年以上経っても、一向に買い手がつく気配すらない」(酒井氏)

売買仲介を頼む不動産業者に理由をたずねても、「こういうのはタイミングですから」と曖昧な返事が返ってくるのみ。そこで、不可解に思った酒井氏が旧知の不動産関係者に調べてみてもらったところ、衝撃的な事実を知ることになった。

まずわかったのは、このタワマンは中国人が多くの部屋を所有する「チャイナ・マンション」として業界内では知られた物件であったということ。販売当初には1000近い部屋を売り切れるのかと業界関係者の間で囁かれていたところ、中国人たちが上層階を中心に「爆買い」したことで完売した経緯があった。

一方、ここ1年くらいは、中国人による爆買いの活況から打って変わって、マンションから「売り」に出る物件が急増していたこともわかった。

しかも、その数は1件、2件ではなく、酒井氏が売りに出した時にはすでに20件近い大量の売り物件がこのマンションから市場に出回っていたことが発覚したのである。

「しかも、相場より安い『セールス価格』での安売りも始まっていて、安値に落とした物件から成約していく投げ売り状態になっていた。私も値段を度外視しないと売れないが、それでは住宅ローンの支払いが残るので、どうすべきか」

実はこの酒井氏のケースのように、湾岸エリアのタワマンで中国人による「爆売り」があちこちで勃発。気付いた一部の関係者の間で、大異変として騒がれ出した。

マンション評論家の榊淳司氏が言う。

「たとえば豊洲エリアに建つ有名物件で住民がプールも楽しめる高級タワーマンションがあるのですが、ここは投資目的の中国マネーが3割ほど入る人気物件だった。

それがいまでは、30件以上の大量の売りが出る『爆売りタワマン』と化しています。あまりに売りが殺到して、月に1件ほどしか成約しない。投資目的の中国人からすれば坪単価300万円弱で十分に儲けが出るので、その水準で売れるうちに売ってしまおうという動きが加速している」



中国や台湾の富裕層に太いパイプを持つマンションデベロッパーが、顧客の中国人に新規物件の営業に行ったところ、むしろ手持ち物件をすべて「売りたい」と持ち掛けられて震撼した――タワマン業界ではそんな「夏の怪談」のようにゾッとする話も語られ出した。

湾岸エリアのタワマン事情に詳しい不動産コンサルタントによれば、最近では中国人による「即売り」という新現象も急増している。

「即売り」とはなにかといえば、中国人が数年前にこぞって買ったタワマンがここへきて竣工ラッシュ。引き渡しが行われる物件が大量に出ている中で、引き渡し直後、即座に「転売」に出すケースが続出しているというのだ。

「中国人投資家が大量に購入したあるタワマンでは、引き渡しが行われた直後に100件近い『即売り』が出たと話題です。引き渡し前に手付け金を放棄して解約するケースも出てきた」(前出・不動産コンサルタント)

湾岸エリアのタワーマンションは、東京オリンピックの効果もあって絶好調。中国人ら海外マネーの買いも旺盛なので、まだまだ価格は上がっていく――。

そんな景気のいい話がいまも多くのメディアで流されているが、それとは正反対の異常事態が水面下で起き始めているのだ。

価格が3分の1になる

「日本のメディアは報じませんが、そもそも中国人によるタワマン『爆買い』はすでに1年前に終わっていた。中国本土では『常識』です」

そう指摘するのは、中国本土事情に詳しいジャーナリストの姫田小夏氏である。

「なぜかと言えば、日本のタワマンは利回りが落ちて、投資妙味がないと気付かれてきたから。まず賃貸に出そうにもすでに実需が飽和していて、家賃の高騰は望めない。

次に民泊に出す動きが活発化したが、日本では民泊を嫌がった管理組合が規約で民泊を禁止するようになってきた。それならば日本のタワマン価格がまだ高いうちに売って、もっと投資効率のいい国に投資しようという動きが加速していったのです。

実際、いま中国人の間で改めて見直されているのが中国本土での不動産投資。中国の不動産市場はバブルと言われてきたが、上海や北京ではいまも上昇を続けているところもあり、『上海の物件であっという間に1億円の利益を出した』という景気のいい話も聞こえてくる」



中国人の間では、東南アジアや欧州に投資する動きも活発化。ロンドンで10億円を超す「豪邸投資」がブームになったり、東南アジアの1000万円クラスの物件を現物も見ずに、スマホサイトを通じて「爆買い」するのが人気化したりしている。姫田氏が続ける。

「そもそも日本の不動産の『爆買い』が盛り上がったのは、1元=20円ほどの円安・元高が進んだから。

それなのに、昨年くらいから1元=15~16円へ円高・元安が進展したことで投資妙味がなくなり、日本の不動産を買うどころか、いつ売り抜けるかに関心が移っていった。

それに、いまや経済では中国が一流、日本は二流。将来性のない日本より、まだまだ値上がりが見込める中国本土やアジア諸国のほうが魅力的なのです」

Photo by iStock

要するに、中国人からすれば、もはや日本のタワマン投資など見向きするに値しないというのがリアルな現実。

追い打ちをかけるように、これからは「タワマンの5年問題」なるものが噴出して、中国人の「爆売り」がとてつもない勢いで加速していく。

「トリガーとなるのが、5年ルールと言われる日本の不動産税制。日本では不動産の取得から5年以内に売却した場合、売却益に対して39%の高税率がかけられる一方、5年を超えればこれが20%に下がる。

中国人による爆買いはアベノミクスが始まった'12年末からなので、この年末がその『5年目』に当たる。ここから一気に売り物件が急増しかねない。

これまで『爆買い』してきた中国人が、今度は所有が5年を超えた物件から投げ売りし始めれば、売りが売りを呼ぶようなパニック状況に陥るでしょう。湾岸エリアのタワマンでは、いま坪単価300万円ほどのところが、数年以内に100万円台まで落ちてもおかしくない」(前出・榊氏)

9000万円の物件が3000万円まで暴落すると考えれば、そのヤバさがよくわかるだろう。そんな目を覆いたくなる「Xデー」が眼前に迫ってきたのである――。

■高層階は「成功の証し」 階層ヒエラルキーが生む悲喜劇「低層階の人たちは…」

相変わらずタワーマンション(タワマン)に人気がある。私は何冊か書いた本の中で、タワマンに関しては「必要悪」という立場を取っている。

 都心の限られた場所で多くの住戸を作るためには仕方がないという考え方だ。しかし、多くの人はそう考えない。ここに住むことは成功の証しと考えている。

 タワマンに何かメリットがあるとすれば、それは眺望だ。地上から何十メートルも高い場所だからこそ味わえる開放的な景色が広がる。

 ただ、それは毎日変わらない。私の多くの知人たちもタワマンに住んでいる。彼らに聞くと「飽きるよ」という答えが多い。同じ景色を眺めるのだから仕方がない。

タワマンには厄介なことも多い。その1つが階層ヒエラルキーだ。

 昨年、「砂の塔」というテレビドラマが放映されて話題になった。分譲価格が高い高層階の住人が、「低層階の人たちは…」というたぐいの発言でヒエラルキー意識をあらわにする。一方、低層階に住む若いお母さんは「うちの主人は高所恐怖症で…」と始終言い訳をしていた。

 ああいういびつな意識は日本人特有のものかと思っていたら、最近DVDが発売されたイギリス映画の「ハイ・ライズ」でも同じようなシーンが出てきたので驚いた。

 以下は都心のタワマンに10年近く住んでいる方から聞いた話。ある人は階層ヒエラルキーに悩み、7階→13階→21階というように、順次高層階へ向かって買い替えているそうだ。ママ友グループで低層階居住をバカにされるのが嫌で、引っ越していった家族を何組も知っていると。

 低層階で下りのエレベーターに乗り込む時に高層階から乗っている人から冷たい視線を浴びるというのはよく聞く話。朝の混み合っている時間ならなおさらだろう。

湾岸のタワマンに住むのは見えっ張りな人々…これは私の主張ではない。とある財閥系大手のマンションデベロッパーが作成した広告代理店向けの資料に書かれていたこと。だから「ターゲットの見えをくすぐるような広告表現を提案しろ」という意図なのである。

 見えっ張りな人が集まって住んでいる限り、階層ヒエラルキーは必ず発生するだろう。そこから生まれる悲喜劇は今日もどこかで繰り返されているはずだ。

 タワマンを、人生の忙しい時期を過ごす必要悪な住居と思えば、ヒエラルキー意識は希薄化する。住民同士、お互いが仮住まいなのだから、妙な対抗意識を燃やさないで済む。

 リタイアの時期になれば、低層の落ち着いた住まいに引っ越せばいい。その方がかなり健康的だ。急に具合が悪くなって救急車を呼んでも、救急隊員が駆け付けるまでの時間、搬出して病院に到着するまでの時間も低層住宅の方が短くて済む。必然的に生還率も高くなる。

■大阪市内に高層マンション続々も…児童急増で“教室足りない”

大阪市内の都心部と周辺部における児童の偏在に、市が頭を悩ませている。市内全体の児童数はピークから半減する中、都心部ではマンションの建設ラッシュなどで急増し、小学校の校舎不足が表面化しているためだ。14年後には鉄道新線「なにわ筋線」が開通し、中間駅ができる市内中心部はさらに児童数が増えることが想定され、吉村洋文市長は29日、10~20年後を見据えた抜本的対策の検討を指示した。

 市教委によると、平成28年5月時点の市内の小学生の数は約11万3千人で、昭和54年の約24万2500人と比べ、半数以下に減っている。都心部の北区や西区、中央区では、5年後の平成34年度、小学校約30校で教室が計約140室不足する可能性があるという。

背景には、マンションの都心回帰がある。市内では昭和40~60年代にかけて都心部の地価が高騰。郊外に移り住むことで中心部の人口が減少する「ドーナツ化現象」が進み、小学校の廃校・統合が進んだ。しかしバブル崩壊後、これら3区では古い雑居ビルが取り壊された跡に相次いでマンションが建てられ、これまで割安感があった郊外型マンションが、資材価格や人件費の高騰に伴って価格が上がり、「共働きで都心部の物件を買う方が得策と考える夫婦が増えた」(不動産会社関係者)という。

不動産経済研究所大阪事務所によると、西区では53階建て888戸のマンションが平成27年1月に竣工(しゅんこう)。北区の中之島では今年10月、55階建て894戸のマンションが完成予定で、地下鉄御堂筋線中津駅周辺(同区)では分譲を始めたものも含め計3棟(約400~650戸)の建設が進む。同事務所の笹原雪恵所長は「市内の中心地となる3区では居住用であれ投資用であれ、需要は高まっている」と分析する。

西区では西船場小の教室を確保するため、併設する西船場幼稚園を廃止する条例が今年3月の市議会で可決。市は園跡地に新たな校舎を建てる。西区では他にも、堀江小で児童が急増する見込み。市は同校に近い西高校など市立3高校を統合する計画を進めており、西高の敷地に堀江中を移転後、同中の跡地に堀江小の分校や新設校を建てる案を視野に入れる。

 “追い打ち”をかけるのが43年春に開業予定のなにわ筋線だ。北区や西区などに新駅ができるため、沿線はさらなる人口増加が見込まれる。市担当者は「交通の便が良くなり周辺の地価が上がるだろう。児童数への影響は未知数だが価値を見いだす子育て世帯も多いのでは」と話す。

こうした悩みは阪神間のベッドタウン、兵庫県西宮市も同じだ。同市は教育環境の質を確保するため、17年度から戸数の多いマンションなどの建築を制限する地区を条例で定めている。同市の担当者は「人口が増えれば市税収入が増えることから開発制限は悩ましい部分もあるが、子供の教育環境を確保するためにはやむを得ない」と語る。一方、吉村市長は「教室確保が厳しいから入ってくるなと住宅戸数を調整するのは違う」としてマンションの総量規制には否定的だ。

 ただ、具体策は見えていない。市は今月29日、吉村市長をトップとして市教委を含めた部局横断会議の初会合を開催。北、西、中央3区の区長や校長は、児童数の急増で、特別教室を普通教室に転用して教室を確保している窮状を訴えた。吉村市長は10~20年単位で児童数を推計し、中長期的に対策を練るよう指示。「高校の統廃合の跡地を小学校用地に回すなど、教育環境づくりを最優先で進めていかないといけない」と危機感をあらわにした。

■話題のタワーマンションが刑務所のような監視体制になったワケ

一生に一度あるかないかの大きな買い物である家。だがそんな高額な商品であろうとも、悔やんでも悔やみきれない“ヤバい商品”は紛れている。

 ヤバい不動産、欠陥住宅や事故物件などが代表格だが、それ以外にも、家はいたって普通なのに、近隣住民のせいでヤバくなる物件もある。駅前という好立地、入居テナントも人気店が多い某タワーマンションは週末になると住民以外も集まる屈指のオシャレスポット。買い物客や取材でメディアも訪れるが、そこにはある難点が……。タワマン下層部のアパレルショップに勤めるTさんは、こう語る。

「買い物客の若いコがスマホで自撮りしていたり、地方から旅行できたお父さんが子供を撮影しているだけで、すぐに警備員が手を振りながら飛んでくるんです。うちの店でもお客さんのスナップ撮影などをするのですが、店から少しでも離れると怒られる。取材許可を持っているメディアの人間もブーブー言われるし、お客さんに来てほしい店の側からしたら、いい迷惑ですよ」

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