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カヴァ(kava)とは?~ポリネシア・ミクロネシアの習慣に挑戦~

フィジー、トンガ、バヌアツ、サモアなどの南太平洋地域(ポリネシア・ミクロネシア)の伝統習慣、カヴァ。知る人ぞ知るカヴァの世界をまとめてご紹介。

更新日: 2015年11月12日

Mary.Kさん

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カヴァ(kava)とは何か

フィジーのビレッジにて撮影したもの

私はこれまでに、トンガ、バヌアツ、フィジーなどを旅して来ましたが、それぞれの地域で決まって遭遇してきた(むしろ強制参加)儀式があります。

それが、「カヴァ(カバ・kava)」です。ハワイではアヴァと呼びますが、他のポリネシア(南太平洋)地域と異なり、現代では扱いが変わってきていますので、後述することとします。

カヴァ(kava)はコショウ科の潅木(ヤンゴーナ)から作られ、南太平洋のメラネシアからポリネシアにまたがる地域で常用される嗜好品であり、向精神性薬物の一種です。アルコールは含まれていませんが、酩酊など類似の作用をもたらします。

ただの木の根以外の何物でもありません。私の眼には少なくとも他の植物の根との区別すらつきませんでした。

根を乾燥させ、粉状にして水に混ぜるか、あるいはそのまま水で揉み出したものを漉した泥水様の液体がカヴァで、これをココナツの殻で作った器に入れて飲用します。
個人的な感想では、下に残る苦さと土臭さに耐えるのがこの儀式の試練第1関門だと思っています…。

かつては処女が口で噛み砕いていたというこの状態の粒。現在は石ですりおろすか、機械で一気にグラインドしていることが多いようです。

処女の唾液で発酵を促し、宗教的な意味合いも…?
今日のカヴァは噛み砕きじゃないよね?というドキドキ感が第2関門。

味も泥っぽいです。
現地の方が素手で絞ってくださいます…。
砕いて乾燥させた状態の根を布に包んで、この液体の中でゴシゴシと揉んで抽出します。

衛生的な戸惑いが第3関門ですね。
南太平洋への旅行には、整腸剤も持参しましょう。

カヴァの「儀式」=歓迎の儀式

その場で一番偉い人の祈りに、全員で呼応します。間の手を入れる感じ。客としては戸惑いますが、良い経験と思って見よう見まねでその空気に飲まれてみましょう。

カヴァの儀式は、なかなか厳粛なものです。
味がまずいからと言って、逃げることはできません。いったん始まってしまったら、もう飲むしかないのです…飲むしか!!

ホスト側は、だいたい3人が組んで儀式を始めます。一番偉い(様子の)人が全体を見渡して、客の誰に飲ませるかを指名する係。そばに控える2人は、粉を絞る係と出来上がったカヴァをココナツの容器に注いでサーブする係、といった感じでしょうか。

3本の脚付きの木の容器(タノア)に波打つカヴァをふたつ割りしたヤシの実の殻ですくい差し出されたら、手を叩いて受け取り、挨拶のことば「ブラ」と言って飲み干しましょう。お礼のことば「ビナカ」を忘れずに。

この儀式は、客のすべてが全員1杯ずつは飲み干すまで終わりません。
熱烈歓迎ですね。

うっかり野点茶会に出席して、場違いな心境を隠して抹茶をすすっている気分を想像してみてください。それが乗り越えられればカヴァの儀式に臨む準備は万端です。

エンターテインメント(観光)としてカヴァを体験する

なお、現在では、この儀式は神聖な歓迎の儀式という側面の他に、エンターテインメントとしての利用もされています。観光業が盛んなフィジーなどでは、旅行で行った際に気軽に体験できるものとなっています。

人生のネタ作りに、いかがでしょうか。

嗜好品としてのカヴァ

ふと街中で通りすがった一般家庭の軒下で発見しちゃいました。思わず撮影。洗面器でやってる…の…?
生活に浸透し、現地の人々の間で一般的に日常使用されていることが窺い知れますね。

一方で、儀式としてではなく、その成分・作用から、嗜好品としてカヴァを常用する習慣もまた、現地では浸透しています。

根から抽出する伝統的なカヴァの他に、すでにグラインドされてパウダー状になったものや、インスタントで服用できる形になったもの、またさまざまな味付けが施されてジュースのような瓶や缶で売られているものもよく目にします。

空港などにも土産として置いてあり、200円程度からで購入できますので、気軽に試したい方はそちらで(味は違いますが)アリかもしれません。

ハワイでは、他のポリネシア・ミクロネシア地域とは異なり、どちらかというとサプリメントやタバコ等のような扱いで、こちらの嗜好品としての流通の方が一般的なようです。(ハワイではカヴァではなくアヴァと呼びます。)

一般的なハワイ観光では、なかなかカヴァ(アヴァ)に触れる機会は無いかもしれませんが、気軽に入手でき、味や形式も豊富なので、上述のポリネシア伝統儀式としてのカヴァよりも身近な印象を受けるかもしれません。

しかし、メジャーではないところを見ると、肝臓への影響などの理由から本国アメリカで摂取が推奨されていないために、あまり情報が表に出てきていないということがあるのかもしれません。

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Mary.Kさん

幼・小・中・高・養護学校の各教員免許および、司書教諭・社会教育主事の資格を取得後、図書館・公民館・市役所・病院等で勤務。
内閣府「世界青年の船」参加経験有。JAPAN MENSA会員。

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