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一体なぜ?台湾で日本の統治時代を"懐古"する映画が続々登場【懐日映画】

今年、台湾でとある映画が話題となりました。太平洋戦争敗戦後に台湾から日本に引き揚げた人々を追った映画「湾生回家」です。本作はドキュメンタリー映画としては異例の大ヒットとなりました。今、台湾では日本統治時代をテーマにした作品が数多く制作されています。その背景には現代台湾のとある事情がありました。

更新日: 2015年12月02日

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今年、台湾でとある映画が話題になった

ここ最近、台湾では日本統治時代をテーマにした作品が続々と登場しています。

2000年代に入ってからは『海角七号』『セデック・バレ』『KANO 1931海の向こうの甲子園』『大稻埕』と数多くの映像作品が作られています。また、日本統治時代をテーマにした漫画作品も登場しています。

このような現象を懐日ブーム(日本時代を懐かしむ)と呼び、若い世代がその中心を担っている点に大きな特徴があるそうです。

それというのも現在台湾では「台湾は台湾」であるという認識が急速に広まっており、"台湾人アイデンティティ"を考える際に日本時代が避けては通れぬものとなっているようです。

台湾で今年最も話題を集めた映画の一つが、終戦後に台湾から日本に引き揚げた人々を追ったドキュメンタリー映画「湾生回家」である

台湾のアカデミー賞といわれる中華圏の映画の最高栄誉、ゴールデン・ホース・アワード(金馬奨)ドキュメンタリー部門でノミネートされるなど、高い評価を得ています

引き揚げ日本人の"里帰り"を追った映画「湾生回家」

戦前の日本の統治下であった台湾で生まれ育ち、戦後本土へ引き揚げた人を特に「湾生(わんせい)」という

映画は移民4世で台湾在住の作家田中実加さんが企画。日本に引き揚げた湾生に里帰りを果たしてもらうとともに、日本人移民が台湾東部の発展に果たした役割に光を当てた

台湾生まれの日本人「湾生」が台湾に里帰りを果たした姿を追い、故郷への愛情や人間同士の友情を浮かび上がらせた。

台湾各地、35箇所の映画館で上映開始、ドキュメンタリー映画にしては異例の大ヒット

「映画を見たという人にたくさん声を掛けてもらい、反響の大きさに驚いた。特に若い人が歴史に関心を寄せてくれているようでうれしい。戦後70年、映画を通じて日台の絆がさらに強まることを期待する」

台湾東部の花蓮県で生まれた移民2世の冨永勝さん(88)

今、台湾では日本統治時代をテーマにした作品が続々制作されている

なぜ、湾生たちを取り上げた映画が台湾でヒットしたのか。それは、近年台湾で広がる「懐日(日本を懐かしむ)」ブームと深く関係している

2000年代にヒットした『海角七号』『セデック・バレ』『KANO 1931海の向こうの甲子園』『大稻埕』はいずれも日本統治時代を舞台としている

台湾アイデンティティ(中華民国としてより台湾としての共同体への帰属意識)を強く持つ層に支持されている

大正ロマンにヒントを得た漫画や、戦前に甲子園で準優勝した野球部を描いた映画-。台湾の若い世代が、日本統治時代を題材にした作品を次々と生み出している

台湾映画ブームの火付け役 映画「海角七号―君思う、国境の南」

日本統治時代の台湾で日本人教師が台湾人女学生に宛てて書いた恋文を、現代の台湾で郵便局員が『海角七号』といういまは存在しない昔の住所をたよりに送り届ける物語

低迷を続けていた台湾映画界で、この映画は例外的な興行収入5億3千万台湾ドルを記録し、『タイタニック』に次いで台湾歴代映画興行成績のランキングで2位になった

公開当初は他の台湾映画同様それほど振るわなかったが、口コミ効果で瞬く間にヒットしたと言われる。

「霧社事件」を描く大作歴史映画「セデック・バレ」

2部作合わせて4時間36分の台湾の超大作映画『セデック・バレ』は、20世紀初頭の日本統治時代の地元原住民の最大級の武装蜂起「霧社事件」を描いた作品

古来より続く独自の文化をないがしろにされてきたセデック族が部族の誇りをかけ武装蜂起し、日本の警察や軍との激しい戦いが迫力ある鮮烈な映像と共に描かれる

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