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本当は怖い「時効廃止」

最高裁判所にて、時効廃止は合憲とされ、18年前の強盗殺人の被告の無期懲役が確定しました。今後の刑事裁判に大きく影響を与えていくことになります。

更新日: 2015年12月24日

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時効廃止は合憲ー。

最高裁が初めてある判断を出した裁判。

その結果、18年前に強盗殺人で逮捕された被告の無期懲役が確定しました。

18年前はまだ時効が成立していた時代。

「過去をさかのぼって時効廃止を適用して、有罪判決にするのは納得できない!」と被告は不当を訴えました。

実際に犯罪を犯している被告の意見なので、何を言おうと裁かれるべき。

ですが、もし、自分が「冤罪」で法廷に立つことになったら?

◎きっかけは、18年前に起きた事件ー

平成9年4月、三重県伊賀市のビジネスホテルでフロント係の水野省造さん(当時48)が殺害され現金およそ160万円が奪われました。

被告は強盗殺人の罪で無期懲役の判決を言い渡されましたが、「事件当時は15年で時効だったにもかかわらず、その後、時効の廃止が適用され罪に問われたのは、過去にさかのぼって処罰することを禁止した憲法に違反する」として上告していました。

「時効の廃止は憲法で禁止されているような違法性の評価や責任の重さをさかのぼって変更するものではない」という初めての判断を示して上告を退け、無期懲役の判決が確定することになりました。

◎刑事事件における時効は「公訴時効」・・・一体どんな制度?

犯人が事件を起こしてから長期間経過してしまうと、検察官がその犯人を起訴して裁判にかけることができなくなるというものです。

刑事訴訟法250条に定められている公訴時効(こうそじこう)という制度です。

犯罪が終わった時から、人を死亡させた罪で無期懲役や無期禁錮にあたる罪については30年、20年以下の懲役または禁錮にあたる罪については20年というように、その罪の重さに応じて1年から30年の期間が定められています

◎なぜ、公訴時効があるのか?

殺人などの命を一方的に奪う犯罪。

どんなに時が経っても、許されないことです。

そもそも何故、公訴時効の制度があるのでしょうか?

一般に、時間が経てば経つほど、人の記憶もあいまいになり、証拠の収集は困難になります。ですから、犯罪を立証するために必要な証拠を集められる期間には、おのずと限界があります。

また、事件に割ける捜査官の人員と労力にも限界があります。数年たっても十分な証拠が集まらない軽微な事件に人員を割き続けるのは不合理ですし、重大犯罪であってもおのずと限界があるでしょう。

長期間の逃亡生活により、犯人には事実上の社会的制裁が加わっているという点が理由として説明されることもあります。

◎遺族の心情や捜査方法の進歩により時効は廃止に

2010年(平成22年)4月27日に公布・施行された改正刑事訴訟法により、「人を死亡させた罪であつて(法定刑の最高が)死刑に当たる罪」については公訴時効が廃止された

それ以外の「人を死亡させた罪」については、これまでの時効期間を2倍に延長するなどとしている。

また、時効を迎えていない未解決事件にも適用される。

◎しかし、公訴時効廃止には「冤罪」に関する問題点がある

感情論的には,被害者の気持ちに時効などないわけですから,時効を廃止することは非常に良いことだと言えます。

しかし,ここで少し気をつける点があります。それは,「被害者以外の視点」です。

「被告がアリバイの主張をしたいと思っても、事件から10年、20年たってから起訴されて、アリバイを証言してくれる人を見つけられると思いますか」
 つまり時効が無くなると「冤罪に巻き込まれるリスク」が高まるのだ。

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