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<受験に媚びない自分らしさ> OBから見た私立武蔵中学・武蔵高校の魅力と所感

入学時点では原石の状態で入ってくる子が多い武蔵中学・高校。最近では他校のプレゼンスに押され気味とも言われる武蔵ですが、改めてOBの皆さんから武蔵の魅力と今後の課題について伺いました。後輩の皆さんはぜひ気軽に質問されてください。

更新日: 2016年03月05日

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ClassOnCloudさん

1/10(日)昼の食事会より。この日は三人のOBの皆さんにお越しいただきました。

1.基本・入試情報

1-1.建学の精神「武蔵の三理想」と第二外国語

私立の旧制7年制高等学校で高校に移行したのは武蔵だけで、他は大学に移行しました。これがもともとの武蔵の大学らしさの由来と言われています。

OBからのコメント

1.東西文化融合のわが民族理想を遂行し得べき人物

2.世界に雄飛するにたえる人物

3.自ら調べ自ら考える力ある人物

これは今から90年以上前、武蔵の創立にあたり定められた通称「三理想」です。1,2の理想を具現化したものとして、中3から始まる第二外国語の授業があります。高校では交換留学を行っており、希望者はドイツ、オーストリア、フランス、イギリス、中国、韓国に短期留学することができます。

また、3を具現化したものとして、理科や社会において、実験やフィールド調査を重視する「本物教育」があります。

1-2.男子御三家の一角

中学受験の偏差ランクでは落ちてきている武蔵ですが、受験指導を期待して入ってくる子はほぼいなく、入学後も拘束は皆無です。
場所柄環境も最高で、余計な刺激もなければ、広い敷地が確保されているためギスギスしておらず、根強い人気のある学校の一つです。また一学年が約170人ほどと規模が小さく、互いのことをよく知ることができます。

1-3.おみやげ問題

理科の入試問題では例年、身近にある道具を一人ずつに渡し、形や仕組みの特徴を観察させる、通称「おみやげ問題」を出しており、教科書的な勉強の枠内にとどまらない生徒を集めています。

1-4.マルサスの「人口論」を出題

社会でも単なる知識問題は少なく、マルサスの「人口論」などを題材にした論述問題や、黒船の絵を描かせる問題など、特徴的な問題が多くなっています。

全科目を合わせた論述量は、中学受験のなかでもおそらくトップで、東大入試にも引けをとりません。

試しに何人かの高校生にこの問題を解いてもらいました。果たして採点結果は…

試しに何人かの高校生にこの問題を解いてもらいました。果たして採点結果は…

試しに何人かの高校生にこの問題を解いてもらいました。果たして採点結果は…

試しに何人かの高校生にこの問題を解いてもらいました。果たして採点結果は…

1. 砲艦外交を示す、大砲
2. 産業革命を示す、外輪船 (蒸気が出ている場合は部分点)
3. 帆走もできたことを示す
4. 船団で来たことを示せるように、複数の船を描く

といったポイントが採点対象となるようです。皆さんはいかがでしたか?

1-5.学校の先生が問題を自ら販売

学校説明会では解説付きの過去問を学校の先生自ら販売することで、どのような学生を求めているか、明示的に意思表示をしています。

2.学生の質と学習環境

2-1.文理を分けない

他の進学校と比べても顕著な違いが文理で分けない点です。集団での宿泊行事は中学までしかありませんが、特定のグループで固まるといったことは少なく、むしろ生徒同士の仲は良く、文理の垣根もあまりありません。

授業のレベルでは、高2で文系向け数学・理系向け数学(早めに数2Bを終わらせて数3に入る)が必修選択で設けられたり、高3で日本史・地理が自由選択になったり、理科基礎が一部選択可能になったりと文理分けを意識したものがあります。尤も、文系でも高2まで理系向け数学を選んだり、高3でも基礎でない化学と地学を学んだり出来るので完全には分かれていません。クラス分けの単位には文理は殆ど影響しませんので、人のレベルでの文理分けはほぼありません

2-2.サッカー部は都大会でベスト8(他の進学校と比べても一段高い多様性の幅広さ)

武蔵生を30人取ったら、その多様性は日本の高校で有数なのは間違いありません。

学問の分野では、国際化学オリンピックで活躍した生徒や中高生対象の科学論文コンクールで複数の受賞歴のある生徒、その他の分野では、ジャグリングや将棋で全国トップクラスの実力をもった生徒などもいます。

サッカー部は2015年度の都大会でベスト8、野球部も西東京でベスト16など部活動も盛んです。人工芝のサッカー場と野球場を備えるなど、部活道のための施設も充実しています。進学校で、メジャーな集団球技で都大会で上位の成績を残すというのはなかなかできないことですね。

2-3.受験を文字通り意識しない男子校

JGや神戸女学院同様、席次評価がないなど、学校が受験勉強を無理強いすることはなく、むしろ上のような多様な分野での活躍が教師によっても生徒間でも評価されます。上位の女子校ではしばしば見られるスタイルですが、原則社会に出た後、定年まで職業人として全員が稼げるようになることを前提としている、男子校でこれを貫くのは容易ではありません。

2-4.freestyleな授業

先生それぞれが、自分のやりたいように授業を行います。例えば、中学の幾何の授業は平行線公準の解説から始まり、手書きの教科書でユークリッド幾何に取り組みます。また、漢文を通して論語・孟子・荀子などの思想を教える先生もいます。英語では、プレゼンテーションや演劇の授業があり、ともに生徒に人気です。

加えて、各学期の最後には、特別授業と呼ばれる生徒の提案をもとに行われる授業もあり、宇宙人の存在や先生自身の恋愛観について語ってもらったりします。

freestyleな授業を展開すると、つい指導者の趣味に偏りがちですが、武蔵はうまく中庸を取れているようです。

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