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ミレーが描いた名画『落穂拾い』に隠された物語

3人の農婦はおそらく生活に困窮した未亡人であり、農園に残された穀物を一生懸命に拾っているところなのでした。だから、あの絵はのどかな田園風景などではありません。当時の生活の厳しさ、人々の心のやさしさ、そして必死に働くことの尊さを1枚の絵でみごとに表現したから、心にしみる傑作と評価されているのです。

更新日: 2019年10月13日

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サマリさん

ミレーが描いた名画『落穂拾い』

『落穂拾い』(おちぼひろい、仏: Des glaneuses)は、1857年にフランスの画家ジャン=フランソワ・ミレーによって描かれた油彩作品。

ミレー・マジック

感心するのは、ミレー・マジックとも言える画面内の視点誘導の巧みさである。だいたいこの絵の構図は対角線で出来ているようなものであり、農婦の手や足、頭、積み藁などの基本モチーフはすへて斜めの平行線の流れの中に収まるように描かれている。その結果として私たちは背景の「豊かな収穫」と手前の三人の「貧しい収穫」を画面上でたやすく比較することができる。ここに図示したようにまつたくスムーズで無駄がないのである。

落穂拾いは、単なる農作業じゃない?!

今までミレーの『落穂拾い』の事、『落葉拾い』と間違えて覚えてたかもしれない #tvtokyo

『落穂拾い』はのどかな田園風景?

ミレーの名画「落ち穂拾い」を御存じでしょう。3人の農婦が夕暮れの農園で、落ち穂を拾っている光景を描いた絵画です。一見すると、のどかな田園風景と写りますが、実はあの絵には、ずっと深い意味が込められていたのでした。

19世紀のフランス人の思いやり

19世紀のフランスは貧しく、当時の農村には収穫時に落ち穂をわざと残しておく習慣が生まれました。少量の穀物を、困っている人に黙って使わせてあげようという思いやりです。

聖書の申命記24章19~21節(全て刈り入れてはならない。落ち穂も拾ってはならない。)

あなたが畑で穀物の刈り入れをして、 束の一つを畑に置き忘れたときは、それを取りに戻ってはならない。それは、在留異国人や、みなしご、やもめのものとしなければならない。あなたの神、主が、あなたのすべての手のわざを祝福してくださるためである。

あなたがオリーブの実を打ち落とすときは、後になってまた枝を打ってはならない。それは、在留異国人や、みなしご、やもめのものとしなければならない。

ぶどう畑のぶどうを収穫するときは、後になってまたそれを摘み取ってはならない。それは、在留異国人や、みなしご、やもめのものとしなければならない。あなたは、自分がエジプトの地で奴隷であったことを思い出しなさい。だから、私はあなたにこのことをせよと命じる。

『落穂拾い』のモデルとなった、旧約聖書に登場する2人の女性

《013》ミレーの代表作『落穂拾い』のモデルとなった、旧約聖書に登場する2人の女性とは、ナオミと誰でしょう?

貧しい異邦人が収穫の後の畑で落ち穂を拾うシーンも旧約聖書に登場します。
モアブの女ルツがナオミに、「畑に行ってみます。だれか厚意を示してくださる方の後ろで、落ち穂を拾わせてもらいます」と言うと、ナオミは、「わたしの娘よ、行っておいで」と言った。(ルツ記2:2)

『落穂拾い』の本当の意味

3人の農婦はおそらく生活に困窮した未亡人であり、農園に残された穀物を一生懸命に拾っているところなのでした。だから、あの絵はのどかな田園風景などではありません。当時の生活の厳しさ、人々の心のやさしさ、そして必死に働くことの尊さを1枚の絵でみごとに表現したから、心にしみる傑作と評価されているのです。

現代に継承される思いやり(=ホスピタリティ)

当時の農村で見られた思いやりをホスピタリティと言い、その精神と言葉がホテルやホスピタルにつながっていきました。さて現代の日本、あなたのまちにホスピタリティはありますか。サービスが心にしみるような店が身近にありますか。そしてあなたは、働くことに誇りを感じて仕事をしていますか。

『落穂拾い』を描いたジャン・フランソワ・ミレー

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