「何を言う早見優! ここまできたら最後までやるっきゃナイト!」

「ああ、あなたはアッパッパーになってしまったのか。でも、もしかすると間に合うかもしれない。走れメロス。私はここらでドロンさせていただきます」

 メロスは全力で走り、ついに処刑場に辿り着いた。

「恥ずかしながら帰ってまいりました」

 メロスが叫ぶと、セリヌンティウスは解放された。

「メロス、おかえりんご」

「セリヌンティウス、あたいを殴れ。あたいは一度、悪い夢をみた。君に殴られなければ、君を抱きしめる資格が無い。おっと、顔はやめなよ。ボディにしな!」

 セリヌンティウスはメロスを殴ると、こう言った。

「メロス、アイムソーリーひげソーリー。私も一度、君を疑ったのだ」

 メロスがセリヌンティウスを殴ると、それから二人はひしっと強く抱き合い、周りの者は拍手をしながら「ヒューヒュー」「アチチだよ」と囃し立てた。

 王様は言った。

「開けてびっくり玉手箱。お前らは私の心に勝った。どうか私もお前らの仲間に入れてくれないか」

「モチのロンよ」

 すると、ひとりのナウいヤングな少女がメロスにとっくりのセーターを着せた。セリヌンティウスはメロスに教えた。

「メロス、君はマッパじゃないか。そのオシャマなシティーガールは君のチョメチョメをみんなに見られることがヒジョーにキビシーのだ」

 勇者はひどく赤面したんだっちゅーの。

前へ 次へ

この情報が含まれているまとめはこちら

【太宰治シリーズ】走れメロス全文

走れメロスとは、太宰治の小説作品である。太宰の代表作の一つであり、小説はもとより、演劇や朗読など様々な形式によって出版や頒布、放映等がされている。尺の長さ、テーマ性などから国語の教科書では定番中の定番であり、太宰の作品の中でも最も知名度が高い。

このまとめを見る