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コウモリにかまれた子ども12人死亡、南米ペルー

南米ペルーで、先住民の子ども少なくとも12人が、コウモリにかまれた後で狂犬病を発症して死亡した。保健当局によると地元住民らは当初、魔術のせいだと信じていたという。

更新日: 2016年02月13日

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孔明0530さん

地元保健当局の担当者の話では、死者が出たのは首都リマ(Lima)から北に1100キロ離れたロレト(Loreto)州のアマゾン(Amazon)密林にある先住民族アチュアル(Achuar)の2つの村。2015年9月~2016年2月に、8~15歳の子ども12人が相次いで死亡した。

子どもたちは全員、吸血コウモリにかまれた後で死亡しており、症状と診断結果から狂犬病に感染していたことが確認されたという。

村の長老たちは医療関係者に対し、子どもたちが死んだのは魔術のせいだと考えていたため、当局への狂犬病発生の報告が遅れたと説明したという。事態を受け、アニバル・ベラスケス(Anibal Velasquez)保健相はテレビ会見し、現地に迅速な医療支援を行うため衛生緊急事態を宣言した。

ナミチスイコウモリ

分布

アルゼンチン北部、エクアドル、エルサルバドル、ガイアナ、コスタリカ、コロンビア、スリナム、チリ北部、ニカラグア、パナマ、パラグアイ、ブラジル、フランス(仏領ギアナ)、ベネズエラ、ベリーズ、ペルー、ボリビア、メキシコ

形態

体長7-9cm。体重15-50g。背面の体毛は褐色、腹面の体毛は白い。

鼻は大きく反りあがり、獲物が出す赤外線(熱)を感知していると考えられている。これによりかれらは獲物を探し、また獲物に取り付いた後、皮膚下の暖かい血の流れる血管を探る。歯列は門歯が上顎2本、下顎4本、犬歯が上下2本ずつ、小臼歯が上顎2本、下顎4本、大臼歯が上顎2本、下顎4本の計22本の歯を持つ。上顎の門歯や犬歯は剃刀状で、獲物の皮膚を切り裂くのに適している。また切れ味が鋭いことや、寝ている時に噛まれることが多いため噛まれた獲物が痛みを感じることは少ない。そして犬のように傷口を舐めて流れて落ちてきた血を飲む。さらに唾液には血液の凝固作用を妨げる物質が含まれているため、獲物の血液が固まらず摂取を続けることができる。

親指は長く、後肢も力強い。そのためコウモリとしては例外的に歩行が得意であり、獲物に接近する時や血を吸った後などは地上を移動することが多い。

生態

森林に生息する。夜行性で、昼間は洞穴や樹洞の中で小規模な集団でぶら下がり眠る。社会性が発達しており、通常100匹、時として1,000匹にも及ぶ大規模な群れを形成することもある。

食性は動物食で、鳥類や哺乳類、主に家畜(ウシ、ウマ、ブタ等)の血液を吸う。コウモリ目では本種のみが哺乳類の血液も摂取する。眠っている獲物の近くで着地後歩いて忍び寄り、鋭い歯で獲物の体毛がない部分に噛みついた後、傷口に舌を高速で出し入れして血液を摂取する。30分ほどの間に、自分の体重の40%もの血液を摂取することができる。本種は小型のため血液を摂取した後は血液の重量や消化のために飛行することができなくなり、地面を飛び跳ねるようにして移動する。その後水分を大量に摂取し排泄を行う。糞は血液のみ摂取するためか黒く粘着質で臭い。また同じねぐらに血液を摂取できなかった個体がいる場合、他の個体が口移しで血液を分け与える。

野生での寿命は約9年。繁殖形態は胎生で、1度に1頭の幼獣を年2回出産する。

利他行動

飢餓状態の仲間にたいして血を分け与える「利他行為」の習性をもつことで知られる。過去にグルーミングをしたことのある仲の良い個体間などでまれに確認されている。 また別個体の子どもに乳を分け与える現象も確認されており、種族における社会性の高さに研究の焦点が集まっている。

人間との関係

吸血鬼のモチーフにもなっている。しかし一般的に知られる吸血鬼伝承は東ヨーロッパに由来するが、本種は南北アメリカ大陸に分布するため直接の因果関係はない。

本種は人間の血液も吸うことがあるが、外界から遮断された人家の中に侵入することは困難なこと等から人を襲うことは稀。獲物を死に至らしめるほどの大量の血液を吸う訳ではないが、家畜を複数の個体で襲い衰弱させたり、咬み傷から狂犬病等のウィルスや伝染病を媒介することもあるため害獣とされる。

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