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この記事は私がまとめました

daiba49さん

『「衣食住」を保障してくれる刑務所生活を選択してしまう。彼らにとって刑務所が唯一の「安全圏」なのだ。その安全圏を求めて再犯を繰り返す』と。

 私は以前から「触法障害者」と呼ばれる人たちに関心があり、中でも、知的障害がありながら福祉的援助を受けられなかったために軽微な罪を繰り返し、社会と刑務所を行ったり来たりしている者がいる、という現状を憂慮していた。ここで紹介されている受刑者たちも万引きや無銭飲食などの小さな罪を犯して収容される者が多い。累犯(罪を重ねること)なので刑期は長くなる。服役中に亡くなる人も増えていくだろう。

 受刑者が、P級(身体上の疾患がある者)やM級(精神上の疾患がある者)といった等級に合わせて「工場」(作業の場)に振り分けられることは知っていたが、本書で「養護工場」なるものがあることを初めて知った。集められるのは重い認知症など「要介護」の受刑者だ。社会福祉士の資格をもった

「寂しくて、虚しくて、刑務所の方がいいかなと…」
「もう親も亡くなっていないし、子供もいない。刑務所経験しているから、どうせまっとうな仕事はさせてもらえない。だんだん年を取ってきて、仕事もなくなるし……」

高齢者対策に追われる刑務所に

増えていく高齢受刑者のために、刑務所サイドもさまざまな対策を重ねてきた。
食事は、体の状況に合わせて、塩分、糖分、タンパク質やカロリーなどに配慮した療養食を用意し、かむ力が弱くなった者のために刻み食、ミキサー食も作る。食事や排泄のコントロールができなくなった受刑者に対しては、刑務官が対応するだけでなく、若い受刑者が刑務作業の一貫として介護を行ったりする。そういえば、長野刑務所で服役していた堀江貴文さんも、高齢者介護の担当だった。
施設に手すりをつけ、できる範囲でバリアフリー化の努力も進められている。広島刑務所尾道支所では、高齢受刑者を集めたフロア設置し、そこを完全バリアフリー化して、工場にも段差なしに通えるようにした。

刑務所収容には生活保護を上回る費用がかかっている
 ここで問題になるのが、入所受刑者にかかる税金からの支出額である。ニューマン氏の見積もりによると、1人当たり年間380万円かかっているという。その他にも、取り調べや訴訟、移送などにかかった分として30万円が想定されるという。さらに高齢者の場合は収容中の医療費も必要になる。合計して、高齢者受刑者1人当たり420万円、と算出しており、これは福祉制度を通じて得られる可能性のある金額よりもはるかに大きい、とレポートは指摘している

 高齢者の入所受刑者は、再入所者の割合が高いのが特徴だ。FTは、ニッセイ基礎研究所の土堤内昭雄主任研究員が、高齢者の再犯者の割合は今後も上昇し続けると予想している、と伝える。「生活保護を受給する人の割合が戦後で最大になっている。高齢者の約4割が独りで暮らしている。悪循環だ。刑務所を出ても、所持金や家族がないため、すぐに犯罪に頼る」と土堤内氏は語っている。

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