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日々の行動で決まる!?「突然死」 その原因と予防法

直接の死因となる症状が現われてから24時間以内に死亡することを言う「突然死」。この突然死をするかどうかは、日々の何気ない行動など生活習慣で決まるというだけに見直して改善していきたいもの。ただそれらに縛られすぎると逆にストレスを生むので、できる範囲で取り組むべきとも。

更新日: 2017年06月06日

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egawomsieteさん

■健康な若者の突然死、3つの大きな要因とは 医師が解説

福田病院(横浜市)の福田伴男院長によると、18歳以下の健康な男女の突然死の大きな要因として(1)ウイルス性感染症による脳症(2)突発性心不全(3)てんかんが挙げられるという。

(1)ウイルス性脳出血は、脳脊髄液を好むインフルエンザなどのウイルスが短時間で脊髄に達し、脳症を引き起こすもので一晩で死に至ることもある。(2)突発性心不全は「心臓のどこかに何らかの故障がある状態が下地になって起こる」場合が多い。心臓の血管が詰まる心筋梗塞や、冷たい水に入ったときに起こる心臓まひなどがあたる。(3)てんかんは、脳の神経細胞のリズムが突然崩れて発症する。脳に何らかの障がいがあることによって起こる症候性と、原因不明の特発性に分けられ、発症率は100人に1人程度という。

 厚生労働省の統計によると、2015年に亡くなった15~19歳の男女は1220人で、うち3人が突然死だった。

■「月曜日の午前中」に心筋梗塞等による突然死が多い理由

ストレスを長時間受けたり、一定以上の強いストレスを受けたりすると、命の危険も脅かす事態になりうる。過剰なストレスは、病気を引き起こすのだ。

 ストレスは、自律神経やホルモンのバランスを崩すことで、さまざまな病気の原因になる。自律神経は24時間休まずに、心臓や胃腸などの内臓の動きや睡眠をコントロールしている。

 自律神経には2種類ある。昼間に人間が活動しているときに活発に働く「交感神経」と、夜間に人間が休息しているときに働く「副交感神経」だ。敬愛病院附属クリニック院長の知久正明医師が言う。

「不安やストレスを感じると、交感神経が亢進し、血管が収縮したり、血圧が上がったりします。これは、走っている状態がずっと続いていることと同じなんです。よって、長時間続くストレスは心臓や血管に負担をかけ、高血圧や、心筋梗塞などの心臓病を引き起こすことがあります」

体が眠りにつくときは副交感神経が優位になり、目覚めるときに交感神経が活発になる。特に副交感神経と交感神経が切り替わる午前中にバランスが崩れがちなので、気をつけたほうがいいという。

「心筋梗塞などによる突然死は午前10時までが起きやすいといわれています。特に、月曜日の午前中は週末のリラックス状態から急激に緊張状態に切り替わるので、最もバランスを崩しやすく、月曜の午前中は突然死が多いといわれています」(知久医師)

 さらに、自律神経の乱れは胃腸系の病気も引き起こす。

「交感神経が活発に働くと胃酸の分泌が過剰になって、胃炎や腹痛、胸やけ、吐き気といった症状のほか、ひどくなると胃潰瘍、十二指腸潰瘍になります。胃がんもストレスが背景にあることが多いです」(丸茂医院院長の丸茂恒二医師)

 また、自律神経だけでなく「過度なストレスは免疫力を低下させる」と丸茂医師は言う。

「ストレスが溜まると、ステロイドといわれる副腎皮質ホルモンが過剰に分泌されます。このホルモンは、免疫力を低下させる働きがあります。これによって、風邪やインフルエンザといった感染症にかかりやすくなります。また、がんにもかかりやすくなります」

 たとえ、病気にならなくても、不眠、食欲不振、食べすぎ、だるさ、頭痛、下痢といった不調の原因は、ストレスであることが多い。横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長の山本晴義医師が語る。

「人それぞれ、体質的や遺伝的に発症しやすい症状があって、そこにストレスが加わると、より強く出てきます。例えば、頭痛持ちの人は頭痛になりやすいし、お腹をすぐに壊す人はストレスで壊したりする。ストレスは万病のもとです」

 また、体だけでなく心の病も引き起こす。

「ストレスによる心の症状として、不安やイライラ、怒り、緊張、焦燥感、悲しみ、落ち込みや、気力や集中力の低下がみられ、仕事や家事の能率も落ちてきます。ひどい場合は神経症やうつ病になることもあります」(山本医師)

■中年の「朝トレ・ランニング」は突然死を招く!?

早朝、皇居周辺を走っているオークリーサングラス族に、デブ体形はあまり見かけない。

「少しばかり太っている人がダイエット目的で行うのならば、食事前の朝ランニングは脂肪がエネルギーに変わりやすいという点で理に適っていると言えるでしょう。しかし、体脂肪率が低い人が朝トレやランニングを行うと、エネルギーを消費しすぎるため元気が出ない、頭がぼうっとするといった症状が出てくるので危険です。また、健康診断でメタボと言われたからと、すぐにランニングを始めるのも危険。実際に心臓発作や不整脈で死亡した例も少なくありません」(おおたけ消化器内科クリニック院長の大竹真一郎氏)

一方の池谷医院院長の池谷敏郎氏は、中年男の朝トレ、ランニングは総じて危険であると警鐘を鳴らす。

「起き抜けは交感神経が緊張しているため、血圧が高く脈も速く、血液が固まりやすい。特に夏は寝汗をかいて脱水になっていることも多い。そのような状態で、起床後1時間以内に運動をすると、特に中年男性の場合は日頃の運動不足や寝不足、疲れも伴って脳卒中や心筋梗塞を起こしかねません。朝トレをしたいなら1時間早く寝て1時間早く起きる、くらいの配慮が必要でしょう」

■登山ブームに突然死のリスク 「初日の午前中」が特に危ない

登山による疾病予防、健康増進効果は科学的に認められている一方で、実は体に悪い面もある。そこで、あまり目を向けられていない登山による突然死のリスクについて、イモトアヤコのマナスル登頂や、登山家・三浦雄一郎氏のエベレスト登頂にも帯同した日本人初の国際山岳医で、北海道警察の山岳遭難救助アドバイザーも務める大城和恵さんに聞いた。

「登山は運動療法として適切に行えば、動脈硬化予防になります。また、筋力の保持を目指せば、高齢者のロコモ(運動器の障害)などの予防にもなりますし、心のリフレッシュもはかれます。登山を運動療法として有効に使えれば健康にいいと言えますが、限度を超えてしまうと、体に悪い方向に働いてしまいます」(大城さん、以下「」内同)

 山岳遭難死因の3大死因の1つが「心臓死」。中高年の心臓死は、ほぼ全例が心筋梗塞とされている。

「3大死因は『心臓突然死』、『外傷』、『寒冷傷害(低体温症と雪崩)』ですが、北アルプスでは外傷が多く、富山では春や秋に雪崩が多いなど、山域によって順位は若干前後します。ですが、そういった山の違いを除いても、心臓死だけはどこの山でも一定の割合で起きています。外傷は捻挫などの軽傷も含みますが、心臓発作を起こした人で救助要請した人は、ほとんどが重症なので致命的ということです。そういう意味では、心臓突然死は身近で怖い死因と言えます」

なぜ心臓死リスクが高いか

「登山の初日からおおよそ3日目まで、交感神経の活性化が起こって体の緊張状態が続くので、血圧が上がり、脈が速くなり、心臓への負担が高くなります。高血圧の人、動脈硬化のある人、心臓病のある人には、心臓発作の危険が高まります。また、水分補給を適切にしないと血液がドロドロになり、一層、血管が詰まることになります。初日は体の緊張が特に強いので、日帰り登山は常に危険があるということです。これは毎回意識しておいた方がいいですね」

初めての登山がいきなり富士山という無謀なイベント登山をする人も中にはいるが、多くの人はハイキング程度の低山から始めることだろう。数百mの低山から気楽に登り始める人は多いが、例え600mの低山でもリスクに変わりはない。

「低い山でも心臓突然死はもちろんあり得ます。むしろ低山は気温も高くなるので、熱中症や脱水になりやすいんです。汗をかいたり呼吸による水分蒸発で、思っているよりも水分は体から出て行きます。脱水になると血液もドロドロしますから、心臓突然死の一番の原因である心筋梗塞や脳梗塞を起こしやすくなる。低い山は距離が短い分、短時間で下山できて負担は減りますが、体調管理や装備を侮りやすいリスクもあります」

心臓突然死が起きやすい人

●性別は男性
●34歳以上(欧州データ)
●登山の初日の午前中
●心筋梗塞、狭心症、高コレステロール、高血圧、糖尿病などの持病を持つ人
●運動不足の人

アメリカの文献では、40才以上で血圧が高い人は動脈硬化を起こしやすいため、運動検査をしてから登山をするように注意喚起している。

「中高年の場合は、ほとんどが心筋梗塞です。動脈硬化を起こす一番の原因が高血圧なので、薬を飲んでいたとしても、血圧が十分コントロールできていない人はリスクが高いです。持病のある人は、しっかりと持病のコントロールをしていないと突然死の危険があります。病院で負荷心電図の検査などをして、治療してから行く方がいいのか、全く行けないのか、主治医に指導してもらってください。特に心筋梗塞を起こしたことがある人は、かなり慎重に検査してから山に行ってください」

 運動不足の人も注意が必要だ。年間2週間以上山を登っている人の方が、心臓突然死を起こす人が少なかったのに対し、年間2週間以下の人や運動不足の人はリスクが倍になるとのデータもある。

登山で突然死を防ぐには?

登山中の突然死を防ぐ方法は、ゆっくり登る、持病の管理、水分補給、栄養補給、睡眠をとる、風邪などひいているときは登らないこと、と大城さん。

「登る速度の目安は、平地の半分のペース、お話をしながら登れるペースです。何もしない状態を0点、苦しくて何もできないのを10点とすると、3~4点程度のペースが心臓には負担が少ないと言われています。ですが、自分では速いつもりはなくても、ペースを守れていないことがほとんどです。交感神経の活性化だけでも脈が高くなってしまうところに運動をするので、かなり上がってしまい、休憩しても脈が下がらなくなってしまいます」

 登山をやめるべき体のサインは、尿の回数や量が少ない脱水状態が出ているときや、風邪や下痢、虫歯など体調がよくないときなど。前日の晩酌や睡眠不足、ちょっとした不調といったストレスが、心臓突然死に影響を与えることもわかってきている。

■結婚しているかどうかで大違い 脳卒中リスク、5万人調査で分かった

配偶者との離婚や死別によって婚姻状況が変化した人は、脳卒中を発症するリスクが高い傾向にある――そんな調査結果が、国立がん研究センターによって発表された。

婚姻状況は健康に影響を与える重要な要因のひとつ。既婚者は非婚者(離別、死別を含む)と比較して、健康状態が良いことが複数の研究で報告されており、婚姻状況の変化は循環器疾患の発症リスクを上昇させることも報告されているが、脳卒中発症リスクとの関連は調査されていなかった。

同センターは、全国9か所に住んでいる40~69歳の男女5万人を、1990年から15年間追跡調査したデータを分析。研究開始5年前に配偶者と同居していたが、その後何らかの理由で同居してない人と、同居し続けている人の脳卒中発症のリスクを比較した。

その結果、男女ともに既婚から非婚になると、脳卒中発症リスクが1.26倍になっていた。脳卒中の種類別にみると、出血性脳卒中(脳出血)のリスクは男性が1.48倍、女性は1.35倍に。脳梗塞リスクは男女ともに1.16倍だった。

さらに、同居家族の有無を確認したところ、婚姻状況が変化し、かつ自分の子どもと同居している男女の脳卒中発症リスクが高い傾向が見られた。同居する親の有無別にみると、男性にとっては配偶者を失うことによる脳卒中発症リスクへの影響が、親との同居で軽減されたが、女性はその影響が逆に加重される傾向が見られるという。

婚姻状況の変化が脳卒中リスクを上昇させた原因について、同センターは、これまでの先行研究の結果から、配偶者を失ったことによる飲酒量の増加や、野菜や果物の摂取が減るといった生活習慣の変化や、心理的ストレスレベルの上昇が、脳卒中発症リスクを上昇させているのではないかとコメントしている。

調査結果は、2016年3月1日、米心臓協会誌「Stroke」オンライン版に掲載された。

■寝すぎは本当に危険!8時間以上の睡眠で「脳卒中リスクは2倍」

ケンブリッジ大学の研究チームは、42~81歳のイギリス人1万人を対象に平均9.5年間行った調査で、8時間以上の睡眠が脳卒中のリスクを46%高めることを発見しました。

2回にわたる睡眠時間の調査で、どちらも8時間以上寝ていると答えた人の脳卒中リスクは、6~8時間と答えた人の2倍あったのです。

研究チームは「睡眠時間の長さと脳卒中リスクの関連は明らか。心臓・血管系の障害の結果として睡眠時間が長くなることもある」とコメント。

そもそも睡眠不足は代謝を阻害しストレスホルモンを高めるので、脳卒中になりやすいと言われています。今回の結果は、より長時間の睡眠も脳卒中リスクを高めてしまうことがわかったのです。

原因はまだ明らかではないのですが、心血管系疾患のリスク因子とは異なる何かが存在する可能性がある、とのこと。

■「誰にでも起こり得る」虚血性心不全…暴飲暴食、喫煙など関与

虚血性心不全(虚血性心疾患)は、心筋への血流が不足し、酸素などが行き渡りにくくなって心臓機能が低下する病気。冠動脈が狭くなる狭心症や、冠動脈が詰まって心筋細胞が壊死(えし)する心筋梗塞などが含まれる。

 福田医院(横浜市)の福田伴男院長は「冠動脈硬化が起きて血流が悪くなることが原因」と説明。不整脈との関連についても、「不整脈を放っておくと、心筋梗塞、脳梗塞につながりやすい。不整脈が出たらそれらの病気を想定し、精密検査を受けて、血管を拡張するステントなどの治療で解消しなければいけない」と指摘した。

虚血性心疾患の症状は、胸を圧迫されるような痛みや吐き気のほか、背中や腕に痛みが出る場合もある。不整脈は動悸(どうき)、息切れなどの症状が表れる。

 原因は、暴飲暴食、塩分・糖分の取りすぎ、疲れを翌日に持ち越すなど日常の生活習慣や喫煙が大きく関わっており、福田院長は「中高年の男性の発症が多い。若い頃からの長年の蓄積で、誰にでも起こり得る」と説明。「定期検診を受けることが大事」と話した。

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