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みずほ銀行のヤバすぎる20万人月案件とは?

みずほ銀行のヤバすぎる20万人月案件とは?

更新日: 2016年04月13日

hcheckinさん

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2013年7月のみずほ銀行(BK)・みずほコーポレート銀行(CB)合併に先駆け、みずほは2012年4月にみずほフィナンシャルグループ(FG)とBK、CBの組織を統合し、新生みずほとしてスタートを切っている。そのみずほは2016年3月末をメドに、BKとCB、みずほ信託銀行(TB)の勘定系システムを統合する

「システム統合は新生みずほを象徴するプロジェクトだ」。FGの高取次長は力を込める。日経コンピュータの取材で、システム統合の概要が明らかになった。

 システム統合における最大のポイントは、勘定系システムを全面刷新することだ。既存の業務にとらわれず、銀行業務のあるべき姿を描き、それを実現するシステムを構築する。

BK、CB、TBのいずれかのシステムに片寄せはしない。「不動産信託」など独自商品を持つTBのシステムは一部残す可能性があるものの、BKやCBのシステムは廃棄する。1988年から24年間にわたって使い続けているBKの勘定系システム「STEPS」を、ついに刷新するわけだ。

 新システムはどう作るのか。みずほは勘定系システムのハードウエアだけでなく、アーキテクチャーそのものを全体最適の観点で刷新する考えだ。注目は業務アプリケーションの「コンポーネント化」である。預金、融資、為替といった機能ごとにアプリケーションを切り分け、業務コンポーネントとしてまとめる

各コンポーネントは「共通基盤」と呼ぶプラットフォームを通じて連携する。共通基盤にはCIF(カスタマー・インフォメーション・ファイル)や処理フローの制御など、各コンポーネントが共通して必要とする機能を実装する。

コンポーネント化の利点は、アプリケーションの肥大化に歯止めをかけられることだ。

 長年にわたり機能追加を続けてきた勘定系システムは、アプリケーション同士が密接に結合していて、明確に分離することができない。商品を追加・変更する場合、影響範囲は多岐にわたり、時間がかかる。みずほに限らず、大規模システムを抱える多くの企業にとって、ここが泣き所だった。

 銀行の勘定系システムの規模は、大手銀のものであれば5000万ステップを超える。周辺システムも含めると3億~4億ステップにまで達し、その規模は膨らむ一方だ。コンポーネント化によって、そうした肥大化に歯止めをかけるのが、みずほの狙いだ。

銀行合併などで勘定系システムを統合する際は、1行のシステムに「片寄せ」することが多いが今回は、巨大システムを全面刷新

コンポーネント化はビジネスの「攻守」両面において効果を発揮する。「攻め」に関しては、新商品を素早く投入できるようになる。アプリケーションの追加・変更にかかる期間を短縮できるからだ。既存の商品を改定する際にも、システム対応を速められる。

 「守り」については、システム障害リスクの軽減につながる。アプリケーションの肥大化を防ぐことで、バグを減らせるからだ。

 たとえシステム障害が発生したとしても、システム全体に波及しにくく、影響範囲の極小化や早期復旧につながる。過去に引き起こしたような大規模トラブルを防ぐ効果が期待できる。

 開発・保守コストの削減にも寄与する。アプリケーションに手を加える場合、影響調査や修正箇所の範囲を狭くできるからだ。

みずほが2012年3月にまとめた基本計画によると、2012年4月から2013年3月までを要件定義に充て、2013年4月から設計・コーディングに順次取り掛かる。

 先に述べたように、大手銀の勘定系システムは5000万ステップを超える規模だ。みずほの場合、CBやTBのシステムも合わせると、勘定系だけで1億ステップを超えるとみられる。

 これだけの規模の巨大システムを全面刷新するのは前例がない。銀行合併などで勘定系システムを統合する際は、1行のシステムに「片寄せ」することが多いからだ

要件定義こそ、この規模で収まっているが、実装フェーズでは最大8000人の開発要員が必要になる見込みだ。これはピーク時に6000人を投じた三菱東京UFJ銀行のシステム統合プロジェクト「Day2」を上回る。

 開発期間についても、設計から稼働まで2年間を費やした三菱東京UFJ銀行のDay2を超える見込みだ。机上の計算ではあるが、体制がDay2の1.3倍、期間もDay2より長くなることを考えると、Day2が2500億円かかったのに対し、みずほの投資額は4000億円を超える可能性がある。間違いなく、世界最大のプロジェクトだ。

みずほの20万人月案件は、「旧みずほ銀行」と「旧みずほコーポレート銀行」の合併に伴い、両行の基幹システムを一緒にして全面的に刷新するシステム統合の案件

日経 IT技術者がいない みずほ不安の「2020年問題」
情報社会を支えるシステムエンジニア(SE)不足が深刻になってきた。数万人規模とされる人手不足は「2020年問題」とも呼ばれ、システム統合でこれ以上失敗が許されないみずほ銀行などを脅かす。クラウド時代の到来で、大量のシステムエンジニアが余剰人員になるといわれていたのに、なぜなのか。

東京都内にオフィスを置く中堅ソフトウエア開発会社。経営幹部の1人は、ある取引先からの依頼に耳を疑った。
「技術は新人レベルでもいいので、とにかくシステムエンジニアを集めてほしい。仕事は、みずほ銀向けのシステム開発だ」
みずほ銀向けのシステム開発とは、基幹システムの統合作業のこと。みずほ銀は当初、2016年春の作業完了を目指していたが、作業に万全を期すため、2月になって計画を1年間ほど延期する方針を決めた。一見、開発スケジュールに余裕ができたようにみえるが、この幹部は心配している。

本当にみずほ銀のプロジェクトが順調に進むか?

「『孫請け』クラスの分際で口にするのも恐れ多いが、本当にみずほ銀のプロジェクトが順調に進むか不安だ。みずほ銀の前に、人手不足が立ちふさがるのではないか」――。そんな不吉な予感がしたのだ。

みずほ銀の今回のシステム統合は、昨年7月の「旧みずほ銀行」と「旧みずほコーポレート銀行」の合併に伴い、両行の基幹システムを一緒にして全面的に刷新することが目的だ。そのシステム開発の規模は並外れて大きい。

総投資額は3000億円を優に上回る

総投資額は3000億円を優に上回り、システム開発業界で使われる「人月」という単位で開発規模を示すと、20万人月。人月とは、1人のシステムエンジニアが1カ月働く作業量を意味するが、同じメガバンクである三菱東京UFJ銀行のシステム統合時は11万人月だった。今回のみずほのシステム統合は、実に三菱東京の2倍近くの
規模に達するのだ。

みずほ銀は、今年の夏から秋にかけての開発ピーク時はシステムエンジニアを8000人も集めなければならない。あるみずほフィナンシャルグループ(FG)幹部は、打ち明ける。「富士通や日立製作所などシステム大手には、数年単位でシステムエンジニアを確保してもらっている。しかし、この人数を集めるのには苦労しているかもしれない」

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