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働けぬ?怠け者?貧困ビジネスに摂取される人々(生活保護受給者)の実態や素顔とは?

貧困ビジネスが社会問題になるなか、摂取される人々の大半が働ける健康状態ながら何もしない(できない)のも大きな問題。これは働くと生活保護が受給できなくなるからですが、働かない暮らしに慣れると堕落し、ますます社会復帰しづらくなるという悪循環に陥り、生気を失った廃人を量産してしまうことが懸念されます。

更新日: 2017年04月25日

egawomsieteさん

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■「独身・無職・中年」の絶望。生活保護で命をつなぎ、家でネットを眺める日々…

「労働意欲はあるんですけど、病気のせいで規則正しい生活はできないし、雨の日は身体も動かなくて……」

一日中閉め切られたカーテン、モノが散乱し足の踏み場がなくなった床――。我々を招き入れてくれた自室でそう語るのは松本浩之さん(仮名・40歳)。無職歴は一年だ。重度の睡眠障害・不安障害を患い、現在は生活保護を受給中だという。そもそもの病の発端は「3.11」だった。

「当時、派遣社員としてコールセンターの仕事をしていました。当時のオフィスは高層ビルの45階。もともとうつ気味ではあったんですが、高層階特有の“嫌な揺れ”で完全に心が壊れてしまったんです。睡眠導入剤を飲んでごまかしながら働くも、出社すればトイレに駆け込み嘔吐する日々。そんな状態になって3か月後には契約が打ち切られ、クビになったんです」

 転職から半年未満だったために失業保険の基準は満たせず、貯蓄はゼロ。むしろ親の借金を200万円肩代わりしている状況だった。

「生活保護か死ぬかの二択しかなかった。ケースワーカーさんに通帳を提示し、悲惨な状況を伝えたらなんとか給付が受理されました」

 病状が落ち着くのを待ち、借金返済のため3年前に一度社会復帰を果たしたが、そのせいでさらに病状が悪化してしまう。

「前職と同じコールセンターですが、今回は苦情処理担当。客の第一声が『死ね!』なんて日常茶飯事です。この2年間のうちになんとか借金は返したんですが、最終的にはまた心が壊れてしまって……。大量の睡眠導入剤を飲んで自殺未遂。そこで契約が切られて生活保護に戻ったんです」

現在も睡眠導入剤がないと眠れず、生活はおのずと不規則に。昼であれ夜であれ、その日起きた時間から松本さんの1日は始まる。

「起きている間は家でネットを眺めているだけです。外出して人と会うことはまずありません。ケースワーカーにはゴミのような扱いをされるので会うこと自体が苦痛になっています。医者からは『ケースワーカーが心的ストレスになっているから、引っ越したほうが良い』と勧められているんですが、そんな費用もないのが現状です」

生活保護の支給額は月約12万円。家賃などを除けば3万円程度しか残らない。そのため食事はすべて自炊。久々の外出となるスーパーへの買い物にも同行した。

「体調の良い日にスーパーに出かけて食材を買い込み、それを一日1~2回食べるという生活です。今日は受給日直前なんで、バナナとお惣菜しか買えませんが……」

 数百円の買い物を済ませ自宅へ戻る松本さんに、今後の人生への想いについて聞いてみた。

「社会復帰できる日がくればいいですけど、自分でももうわからないです。頼れる親も知人もいないので、今は引越し資金を貯めて、良いケースワーカーがいる地域に引越しするのが唯一の望みですね」

■「生活保護不正受給はもっと多いはず」5回生活保護を受けたジャーナリストが語る真実

「不正受給の割合は全体の0.5%と言われていますが、それは、あくまで発覚しただけの数字で、実際にはもっと多いと思います。」

 そう語るのは自ら生活保護を受けながら、貧困問題をテーマに取材活動をするジャーナリスト・長田龍亮氏だ。

 長田氏はフランスでの放浪~ホームレスシェルターでの生活を経て、帰国。その後、関東で住み込みの仕事を探していると、「土木関係の仕事がある」と誘われ、面接に向かった先が貧困ビジネスを展開する低額宿泊施設だった。最前線で目の当たりにした生活保護の現実とは……。

「求人は嘘で、実態は生活保護を食い物にした貧困ビジネスでした。二畳半の劣悪な部屋が用意され、生活保護費(この自治体では月12万5000円)は施設が徴収。毎日渡される小遣い500円と月に一度もらえる5000円の小遣い以外のお金は、食費と寮費として消えていきました」

入居者の多くは寄せ集められた高齢のホームレス。しかし、なかには働き盛りの30~40代もいたという。無職や病気でなければもらえないというイメージのある生活保護だが、現在の収入が最低生活費を下回っており(都内単身の場合は13万円程度)、すぐに現金化できる資産がなければ誰でも受けることはできるのだ。

 しかし、受給後は収入申告をする義務があり、給与が差し引かれた額が生活保護費として与えられることとなる。給与を得ること自体はルール上問題ないが、それらを報告しないのは不正に当たるのだ。

「収入隠しといった不正受給の数は年間で約4万3000件に上ります。その90%強が役所の調査で発覚したものですが、現金で得た収入を申告していない人はまだまだいるはず。潜入取材をしていても、周りに不正受給者はけっして少なくありません。役所が証拠をつかむのは難しい」

こういった理由から、今年1月に発覚した小田原市で受給者の生活支援を行う市職員らが「HOGO NAMENNA」と書かれたジャンパーを着ていた問題についても、長田氏は一定の理解を示す。

「不正受給を許さないというのは当然の姿勢です。福祉事務所の調査で発覚する不正はわずか。小田原市のジャンパーの文言は問題ありますけど、受給者に威圧感を与えていたわけではないと思います。『万引きは許さない!』みたいな街中の犯罪防止ポスターだって、普通の人は気になりませんよね? 疚しいことがなければ怖くないはず。それに僕が取材したところ、小田原市の受給者はそもそも『保護なめんな』という文言に気づいていませんでした」

また、64歳以下で病気や障害などの就労阻害要因がなければ、受給者は月に一度「求職活動状況報告書」を提出する義務がある。しかし、長田氏によれば生活保護を受け続けるため、嘘の報告をする受給者も少なくないんだとか。

「僕が入っていた施設でも、行ってもいない面接など、報告書に適当なことを書いている入居者がいました。たしかに生活保護を始めると依存をしてしまうのもわかる。仕事もせずにグータラ生活を続けていたらなおさらです」

 貧困ビジネスと呼ばれるような低額宿泊は、就職活動を禁止していることが特徴だ。しかし、これについても長田氏は施設だけの問題だけではないと指摘する。

「環境的に就活は難しいと思われるかもしれませんが、本当にヤル気がある人はたとえ携帯電話がなくても、自分で仕事を探して施設を出ていました。役所に行けば、履歴書もタダでもらえるし、証明写真も撮ってくれる。大阪市ではスーツまで貸してもらえるんです」

就職活動にも消極的になり、なかなか生活保護から抜け出せない……。では、そんな状況を生み出す原因は、いったいなんなのだろう?

「若くて健康な体でも受給できるのは問題だと思います。生活保護はカネがなくて扶養してくれる人がいなければ、基本は受給できる。私は過去5回、生活保護の申請をしましたが、いずれも2週間の審査で受けることができました。結局、最後のセーフティネットの居心地が一番いいんですよ。食事は現物支給やフードクーポンにするなど、支援の方法はほかにもあるはずです」

 本当に生活保護を必要としている人を行政側がふるいにかける「水際作戦」も問題だが、受給者が依存してしまう制度にも問題はあるようだ。

■生活保護でメシを食うNPOの実態 「弱者救済」「自立支援」のウラで

生活保護受給者は、今や全国で210万人超、その事業費は実に年間3兆8000億円にのぼる。

 そんな時世にあって、生活保護の周辺には深い闇が横たわっている。折から社会問題となっている「貧困ビジネス」の実態についてはさまざま報じられている通りだが、最近では以下のような“弊害”も生じているという。

「街の労働力をNPOに奪われて仕事になりません」

 こう嘆くのは、東京都下の労働者派遣業者である。

「大手ゼネコンの下請を相手に、現場労働者を調達して派遣してきました。おもに川崎駅構内で暮らすホームレスや家出人に声をかけ、寮をあてがって働かせていたのですが、ここ数年は全然集まりません。川崎に限った話ではなく、山谷や横浜の寿町などドヤ街、そして高田馬場や錦糸町など、これまで見かけられた場所から、彼らは姿を消してしまったのです」

そうした“人材”が向かった先は、

「都心に拠点を持つNPO法人が、大規模な“勧誘”をしているのです。川崎では毎週、そのスタッフがおにぎりとチラシを持って駅周辺を回っている。高架下で段ボールの中にうずくまっているような人たちに『生活保護を受ければ布団で眠れますよ』と声をかけ、宿舎へと連れ帰るわけです」(同)

 ドヤ街のリクルート活動は、大いに様変わりしたといい、

「月に2回の支給日には、川崎市役所に受給者が列をなします。老若男女合わせて500~600人ほどで、彼らは宿舎に戻り、月13万~14万の支給額のうち10万ほどをNPOに納める。で、8畳ほどの部屋に2、3人が押し込まれ、終日ゴロゴロして過ごすだけ。残った金は煙草代に消え、外出して何か楽しむこともできず、引き籠るしかなくなるのです」(同)

“社会復帰に向けたリハビリ”といえば聞こえはよいのだが、

「本当に病気だったり高齢で体が動かない人は仕方ないとして、大半の人が働ける健康状態なのが問題です。人間、働かない暮らしに慣れると堕落して、かえって社会復帰しづらくなる。ウチだったら日当1万円で食費や寮費を引いても7000円は残る。ひと月15万円は手にできるのに比べ、NPOの方は2、3万。でも、寝転がっているだけでカネを貰えるから楽で良いのでしょう。あちらから来たのが何人もいますが、中には数日で逆戻りする者もいて、結果、現場工事は進まない。トラックの運転手がいなければ、高層ビルも道路も作れないわけです」(同)

■“囲い込んでいた方が利益になる”

実際にその“NPO経験”のある40代労働者に聞くと、

「2年前、糖尿病が悪化して一時的に生活保護を受けることになり、役所でこの団体を紹介されました。私の場合、月12万円の支給額から管理人に9万円を納め、残り3万円でしたが、あっという間に消えました。食事は簡素で1日2食だけ。ご飯のおかわりもできないから腹が減る。残り1食は自分で弁当を買うなどしなければならず、ギリギリの暮らしでした」

同宿者は軒並みやせ細り、生気を失ったかのように映ったといい、

「することがないので毎日散歩し、交通費節約のため病院まで1時間以上かけて歩いていきました。NPOは“社会復帰させるより囲い込んでいた方が利益になる”と考えていたのでしょう。管理人からは就労支援のサポートもなかった。3カ月後、体調が良くなったので現場仕事に復帰しましたが、あのまま過ごしていたら、きっと廃人になっていた気がします」(同)

 このNPOは十数年前に設立され、ホームページには、「自立支援」「社会貢献」といった文言が並ぶ。が、その実態がなく看板倒れなのは前述の通り。あまつさえ経済活動の停滞を招いてしまっては、元も子もなかろう。

■“如何物”のビジネス

政治評論家の俵孝太郎氏が言う。

「かつては日本人の基本的な意識構造である“恥”の気持ちが生活保護をせき止めていました。ところが何十年かの間に恥知らずが横行し、『権利なのだから賃金と同じく請求してよい』という意識に変容してしまった。となると権利を売る、その手伝いをすることでコミッションを取ろうとする輩が出てくるわけです。私はNPOなどというものはいずれも“如何物”だと思っています。プロレタリアを食い物にする『ノン・プロレタリア・オーガナイゼーション』の略とも言え、だから貧困ビジネスとして成立するのです」

この図式を、わが国古来のお伽話になぞらえるのはジャーナリストの徳岡孝夫氏である。

「貧乏な時に親切そうな亀に誘われ、ついて行った竜宮城では美味しいものや楽しいことばかり。ところが帰ってきたら、どこにも居場所がない。淋しくて玉手箱を開けると、あっという間に年を取ってしまった。生活保護を貰い、楽でいいやと思いながら他人の世話になり、いつの間にか周りに誰もいなくなって老いさらばえる。こうした商売は、みんなで浦島太郎を量産しているようなものです」

 少なくとも“正義”などと無縁の振舞いであるのは間違いない。

■貧困ビジネスに搾取される人たちには“グータラ病”が蔓延している【生活保護の闇現場】

詐欺の構造・スキームは明らかにされているが、現場の生活情景はイメージしづらい。しかしこの度、貧困ビジネス施設「ユニティー出発(たびだち)」に入所した著者の長田龍亮氏が、自らの実体験をもとに搾取の実態、施設会長の人物像、そして法廷で争うまでの経緯を詳細に描いた骨太のノンフィクション『潜入 生活保護の闇現場』(ナックルズ選書)が出版された。

’13年7月下旬、長い海外放浪生活の末にアパートを引き払い、新宿駅近くのネットカフェで求人誌をめくっていた長田氏(当時・33歳)は、「個室寮完備」「3食付」「日払い相談可」と謳われた土木作業員の募集広告を見つけ、早速、指定されたさいたま市内の事務所まで面接に赴く。しかし、面接では「不況で土木の現場がない」ことを告げられ、生活保護の申請を打診される――ところから本書は始まる。

入所後、生活保護の認定を受けると、月1回役所から支払われる生活保護費(さいたま市の基準で12万5000円)は施設にすべて取り上げられ、入所者に支給されるのは「日払い500円」と呼ばれる1日500円の現金支給と、月に1度の「支給日」に支払われる5000円。合わせて月2万円以外の10万5000円は食費と寮費に消えていく。もちろん、食費と寮費はその価値に見合うものが提供されているわけではない。

〈室内は2畳ほどのスペースで、床は畳。部屋の大半を占める簡易式のベッドは、壁と同化している。2段ベッドではないのに、胸の高さまである不自然な高さだ。~中略~ユニティーの食事(晩飯)は基本的にはレトルト食品だ。東西堀荘の賄さんは元ホームレスで沖縄出身の比嘉(50)。調理の仕事をした経験は一切ない。毎週火曜日に本部から送られて来て、炊事場にある2台の大型冷蔵庫で凍らせてあるレトルトの食材を、油で揚げるか、レンジでチンするだけ〉

朝飯は午前10時に食堂に用意される即席ラーメン。また、クーラーを使えるのはどんなに暑い日でも14~23時まで、入浴は週3日しか許されず、一般家庭と同じサイズの風呂場を入所者全員(約30人)が交代で入ることになる。こうした記述を見れば、どれほどの額をピンハネされているのか、想像に難くないだろう。

「貧すれば鈍する」という言葉が適切かはわからないが、これだけ明白な搾取の構造があるにも関わらず、入所者に反発の色は見られない。むしろ、この劣悪な環境下での生活・歪んだヒエラルキーを享受している節は、長田氏が接した入所者の以下のようなコメントからも窺える。

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