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中国の環境汚染が “水中のパンダ” を絶滅に追い込んでいた

中国の大河・長江に生息し、“長江の女神” “水中のパンダ” などと呼ばれた「ヨウスコウカワイルカ」。数年前の絶滅宣言が世界に衝撃を与えましたが、その後調査により“復活”。しかし今もなお絶滅が危惧される希少な淡水のイルカです。

更新日: 2016年04月24日

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中国の超希少種、ヨウスコウカワイルカとは

揚子江河海豚、Lipotes vexillifer
世界で4属4科ほどが知られている淡水に棲むカワイルカで、中国の揚子江(長江)に生息。

ヨウスコウカワイルカは淡水に生息するイルカで、長江(揚子江)の固有種

イルカは、なにも海にだけいるものではありません。アマゾン河やガンジス河、そしてこの長江のように、淡水にもイルカが生息しています。

雄は体長約 2.3m,体重約 135kg,雌は体長約 2.6m,体重約 240kgに達する。出生体長は約 95cm以下。体色は黒青灰色で,背部から腹部に向ってより淡色となる。

約2000万年前に太平洋から揚子江へ移動してきた種。

ガンジス河やアマゾン河などに棲むカワイルカと同様、かつて海にいた祖先が河に移動してきたものとみられています。

長い鼻、多数の歯、短い背びれが特徴。百年前まで最大5000頭が生息していたとされる

図の青色=生息地。
ヨウスコウカワイルカの生息域は、揚子江に限られている。

“長江の女神” あるいは “水中のパンダ” の愛称も

中国の伝統的な物語において、ヨウスコウカワイルカは、愛していない男との結婚を拒否して家族に溺死させられた姫の生まれ変わりとして描かれている。また平和と繁栄の象徴と考えられ、「長江女神」、すなわち「長江の女神」の愛称でも呼ばれている。

絶えゆくヨウスコウカワイルカ

汚染された長江を泳ぐヨウスコウカワイルカ。

ヨウスコウカワイルカの個体数は、中国の工業化、魚の乱獲、船舶による水上輸送、水力発電(ダム建設)などの影響により激減しており、三峡ダムの建設は、ヨウスコウカワイルカの生息環境に対し致命的な被害を与えている。

揚子江の汚染、 餌の減少、 電動式陸揚げや複数のフックを利用する漁船など、白イルカの生活環境は大きく変わった。 船のプロペラは好奇心の強いイルカを負傷させ、エンジン音はイルカのコミュニケーションを妨げ、群れから何頭かを孤立させたと考えられている。

汚染され真っ赤に染まった長江(揚子江)。

かつては宜昌から上海近くの河口まで、長江の中流から下流にかけての 1,700km にわたって生息していた。近年、生息域は数百キロメートルにまで減少し、主に付属湖である洞庭湖と鄱陽湖の間にある中流域の長江本流に限られた。

飼育がきわめて困難で繁殖が難しいことも、大きな足かせになっている(飼育成功例自体が極めて少なく飼育下の繁殖成功例に至っては皆無)。

急速な近代化が進む中国で、長江(揚子江、Yangtze)固有の希少種、ヨウスコウカワイルカ(Baiji dolphin)が絶滅したのではないかと危惧されている。

2007年 - 絶滅宣言

そして2007年、ヨウスコウカワイルカは “絶滅” が宣言された。

中国では 白鱀(ばいじ)と称され、古代中国では「長江女神」と崇められ、数千年にわたって人間の営みと和をなして共存してきた。しかし、中国の経済改革に伴う生産技術の導入や大量の水質汚染で、揚子江から女神の姿は消え去った。

中国、日本、アメリカなどの科学者が参加した国際的な調査団は、ヨウスコウカワイルカが事実上絶滅したと2006年12月半ばに発表した。

この調査報告は英科学誌Royal Society Biology Lettersに掲載され、話題となりました。

もともと揚子江のみの固有種で個体数が少なかったヨウスコウカワイルカは、近年の中国の経済発展で揚子江沿岸が開発されるに伴い、急速に数を減らし続け1986年には300頭、1997年には13頭、1998年には7頭になり、2006年には1頭も確認できず2007年絶滅宣言された。

このように、一度は絶滅が宣言され、世間を悲しませたヨウスコウカワイルカですが、その後のニュースを追ってみると、実はまだ生息しているようです。

そして絶滅宣言からの “復活”

2007年に安徽省銅陵市内を流れる長江で、大きな生物が何度も水面に上がって来るところを市内に住む男性が発見、撮影して専門家に見せたところ、先ごろ絶滅宣言が出されたヨウスコウカワイルカであることが判明したそうだ。

その後も目撃例や死骸の発見などがあり、まだ絶滅には至っていないらしいことが判明。

人類の活動が活発になり、ヨウスコウカワイルカの生存空間は徐々に狭められていった。この20年で、ヨウスコウカワイルカの生息数は急速に減少し、生息地は長江本流の一部地域、洞庭湖、鄱陽湖だけになってしまった。

現在、生息が確認されているのは、ほぼ江西省北部にある鄱陽湖のみとのこと。

今もヨウスコウカワイルカが生息する中国最大の淡水湖。
湿地の保存に関する国際条約「ラムサール条約」登録地。

44日間にわたる2012年のヨウスコウカワイルカ科学調査活動が終了した。宜昌~上海間の往復3400キロを調査した結果、目視により380頭、音響学調査により172頭をそれぞれ発見した。2009年の調査と比べ、頭数は明らかに減少し、生息エリアも分散していた。

鄱陽湖(ハ陽湖)周辺における近年の調査では、現在もわずかながらヨウスコウカワイルカが生息していることが分かっています。

絶滅は時間の問題か

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