よくよく見ると、改札機の普段ICOCAをかざす部分に
自分の肘のあたりをかざして改札機をくぐり抜けている。
しかも、肘のあたりには何かを巻き付けていたり、つけているようには見えない。

俺も同じようにやってみようと、改札機に向かって進んでいった。

今思うとなぜ何も考えずにそんな行動を取ったのかは分からないし
もっと慎重に考えていいような気もするけど、そんなことはその時は全く考えれなかった。

改札機まで辿り着くと、いつものICOCAをかざすところに
見よう見まねで肘のあたりをかざしてみた。
改札のゲートが開いた。
意味不明だった、がとりあえず家に帰りたいと思った自分は
迷わずホームに向かった。

駅構内はいつもと同じ感じで、若干違う部分もあったが
それはほんとに大した差では無かった
全く迷うこともなく倉敷方面行きの電車のホームにたどり着いた。
電車は間もなく到着するらしい。
すこし空いた時間でようやく頭が回り始めた気がする。

まずここは本当に異世界なのか。
空が赤いとかいう異世界スレを見たことがあるゾ
どうだっ!と見上げるが、空は青い。
ケータイはどうだ?
電波は入っている。(なぜか使おうとは思わなかった)
人の言語も普通
異世界の中でもかなりこの世界に近い場所なのか?なんて思ったりもした。

ふと電光掲示板に目を向けると、電車がどのあたりに止まるかってのが分かるタイミングだった。
△1~△4 みたいな感じのやつです。

それが△1~△16 だった。
何両編成だよとか思いながらも、到着した電車を見て驚いた。
めちゃくちゃ長い。しかも一車両が狭い。
両端に一座席ずつ並んでるだけ
こりゃ長くしないといけないわ、と思った。

俺は運よく席に座ることができた。
俺は一車両目に乗ったんだけど、そのせいなのか車内に車掌が3人いた。
車掌さんめっちゃ多いとか思いながらも、とりあえず周りの様子をよく見ようと思った。

しかし見ても特になにも変化はない。
普通のサラリーマンや学生が乗っているだけ。
そんなとき急にバスの時同じように車掌のアナウンスが始まった。

「バスの中で席を譲る相手はご高齢の方だけではありません。いじめられている子(こんな表現では無かったけど意味は同じ)
にも席を譲りましょう。この子たちは学校にも居場所はありません。せめて電車の中だけでも居場所を作ってあげましょう」

みたいな感じだったと思う。
これにはさすがに何言ってんだと思ったが、周りの乗客達の反応は
いまにも拍手喝采といったところで、アナウンスした車掌も毅然とした態度で
何か演説をし終わったあとのような雰囲気だった。

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