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誰か祝って! 誰も祝わなかったフランケンシュタインの怪物の誕生日 考察

有名なフランケンシュタインの怪物の誕生日を考察しています。怪物の誕生日を祝ってあげてください。

更新日: 2016年07月28日

SattaYukiさん

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有名なフランケンシュタインの怪物。批評研究も多いけれど…怪物の誕生日の研究はあまり行われていない

メアリー・シェリーの『フランケンシュタイン あるいは現代のプロメテウス』から生み出されたフランケンシュタインの怪物。
200年近く前の作品にも関わらず、今でも、モチーフとして新たな作品が数多く生みだされ、原作も様々な批評が行われています。
派生作品の原作では名前のない怪物に名前を付ける作品も見られます。
(クーンツのシリーズではデュカリオン、『アイ・フランケンシュタイン』では、アダムなど)

『フランケンシュタイン』は、架空とされている小説です。しかしながら、舞台背景や時代設定は曖昧ではありません。作中に散りばめられた、日付、実在の出来事、作品などの時間標識から、年表を作成する事が出来ます。
 作中の時系列についての研究も複数の文献でなされています。

にもかからわず、怪物の誕生日については、あまり研究がなされていないようです。

フランケンシュタインの怪物の誕生日は、1793年11月16日

原作では誰からも認められなかった、かわいそうなフランケンシュタインの怪物。
せめて、怪物の誕生日ぐらいは祝ってあげたい。
こんな動機から、誰も研究していないならと、私が考察した所、
フランケンシュタインの怪物の誕生日は、1793年11月16日となりました。

一部、意図的に決めなければならない所がありますが、以下で、物語の時系列および、怪物の誕生日について、考察していきます。

原作を読んでいる前提で話が展開していきますので、あらかじめご了承ください。

フランケンシュタイン 史実&作中年表

時間標識一覧

小説の舞台となっている年代を示す手がかりである時間標識を、小説の登場順に列挙していきます。
 『フランケンシュタイン』は入れ子構造の為、一部、物語の時系列と異なっている箇所もありますのでご了承ください。

時間標識1:ウォルトンの手紙

冒頭のウォルトンの手紙1(12月11日付、サンクトペテルブルク(St. Petersburgh))より、17xx年となっている事から、物語の舞台となる世紀は1700年代と特定できる。

時間標識2:『老水夫の歌』へのウォルトンの言及

ウォルトンの手紙2(3月 28日付、アルハンゲリスク)で、ウォルトンが、コールリッジの『老水夫の歌』に言及している。
『老水夫の歌』が収録された『リリカル・バラッズ』が出版されたのは 1798年 10月なので、小説の冒頭(物語としては終盤)は 1799年だと確定できる。

時間標識3:ヴィクター発見時の日付と曜日

ウォルトンの手紙4より、8月1日にウォルトンが、北極海でヴィクターを発見する。( 7月 31日の翌日という記述から)
ここで、7月31日(月曜)と書かれている。日付と曜日の組み合わせは、年によって異なるため、ある程度年代が分かれば推測する事が出来る。
グレゴリオ暦で、7月31日が月曜になるのは1797年である。
しかし、『老水夫の歌』の時間標識2と矛盾している。矛盾しない1799年では、水曜日である。

後述の矛盾点の考察でも述べる様に、時系列的にも不可能である事に加え、この日付が正しいかどうか疑わしいため、この時間標識は無視する事とする。

時間標識4:ヴィクターのインゴルシュタットでの研究

第三章冒頭より、ヴィクターは17才の時、インゴルシュタット大学に入学する。
母親の死の影響で少し遅れて入学している。
 時間標識9から逆算して、1789年の事と思われる。

その後、2年間勉強を頑張り続けた後、怪物創造のインスピレーションを受ける。
その為、 19才の時、おそらく1791年の頃から、怪物の創造を始めたと思われる。

 怪物を創造する第5章冒頭に、二年近く研究してきたとある。
約2年後、ヴィクター21歳の時、怪物を創造する。
 時間標識9から逆算すると、1793年11月の事である。

時間標識5:引用作品の時代錯誤

第5章で、ヴィクターが逃げ惑っている時に、コールリッジの『老水父の歌』が引用されている。ヴィクターが言ったとすると、怪物の誕生した時点で 1798年以降となり、物語の終盤では 1800年代に突入してしまい、多くの時間標識から矛盾する。
しかし、ヴィクターが直接言ったとは書いていないので、『老水夫の歌』が好きなウォルトンが勝手に加えたり、ヴィクターが後で知って、会話に用いた可能性が大きい。
その為、この時間標識については無視する。

 18章終盤のクラーヴァルのシーンに引用されているワーズワースの『ティンターン僧院』についても、老水夫と同じ『リリカル・バラッズ』と同様の事が言える。

 10章では、夫パーシー・シェリーの詩『無常』が引用されている。
 フランケンシュタインの初版はパーシー・シェリーの作品だとも思われていたし、明らかに意図的に入れていると思われるので、これも時間標識から除外する。

時間標識6:エリザベスの手紙

第6章冒頭にヴィクターが回復した際に受け取るエリザベスの手紙があり、日付が 3月 18日(March 18)となっている。
つまり、11月に怪物を造ってから、 ヴィクターは、最低でも4ヶ月ほど寝込んでいた事が分かる。
 時間標識9から逆算すると、1794年3月だと思われる。

時間標識7:アーネストの生年

また、同じ第6章冒頭のエリザベスからの手紙の中では、ヴィクターの弟アーネストについて、 彼女は16歳と記載されている。
 1794/3/18までに16歳という事になるので、逆算すると、アーネストは1777-8年生まれである。兄ヴィクターとは 6、 7歳違いだと推測される。

時間標識8:クラ―ヴァルとの交遊

その後、ヴィクターの体調は回復する。
第六章中盤で、夏がクラーヴァルとの勉強で過ぎ去り、その後、ダラダラとスイスへの帰郷が長引き、来年の春になってしまった事が語られる。
 ここまでで、怪物の誕生から年が二回変わっている事が分かる。
時間標識9から逆算すると、この時点は、1795年春だと推測される。

時間標識9:ウィリアムの死の日付と曜日

7章冒頭の5/12の父の手紙があり、先週の木曜( 5月 7日)にウィリアムが殺されたとある。
時間標識3と同様に日付と曜日の組み合わせを調べると、グレゴリオ暦では、1795年5月7日が木曜日の条件を満たす。
その一つ前は、1789年が該当するが、古すぎる為、他の多くの時間標識と矛盾する。

そのため、ウィリアムが殺されたのは1795年5月7日だと考えられる。
ここから逆算すると、怪物の誕生は1年以上前の 11月なので、1793年 11月となる。

時間標識10:ヴィクターのジュネーヴ帰還までの回想

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