1. まとめトップ

アンゾフの成長マトリックスとは

市場の変化に伴い販売戦略を変えることは経営に常に求められることです。求められていることは理解しつつも、次にどこへ進むべきか、その”一歩”をどこに定めるべきかを決断することは非常に難しいものです。そんな時に役立つのが今回紹介するフレームワーク、「アンゾフの成長マトリックス」です。

経営戦略を検討する著名なフレームワークの一つに「アンゾフの事業拡大マトリクス」(図1)があります。これは、縦軸に「市場」、横軸に「製品」を取り、それぞれ「既存」、「新規」の2区分を設け、4象限のマトリクスとしたものです。この4象限から企業の成長戦略オプションを数多く抽出しようとするもので、経営学者のH.I.アンゾフが提唱しました。

アンゾフの成長マトリクスは、経営学者のH・イゴール・アンゾフ(H. Igor Ansoff)が提唱したもので、縦軸に「市場」、横軸に「製品」を取り、それぞれ「既存」「新規」の2区分を設け、4象限(市場浸透,新製品開発,新市場開拓,多角化)のマトリクスとしたものです。経営戦略としてどんな商品を投入していけば、事業が成長、発展できるかを検討するのに有効なフレームワークとなっています。

アンゾフの成長マトリックスの4象限とは

-それぞれの組み合わせは、

(1)既存製品×既存市場=市場浸透戦略
(2)新製品×既存市場=製品開発戦略
(3)既存製品×新市場=市場開発戦略
(4)新製品×新市場=多角化戦略

市場浸透:既存市場で既存商品の市場シェアを伸ばせるだろうか?
市場開拓:既存商品を新しい市場で販売できるだろうか?
商品開発:既存市場で新しい商品を開発して成長の機会はあるだろうか?
多角化:新市場に向けて新しい商品で勝負できるだろうか?

市場浸透戦略

現在の市場で、現在取り扱っている製品の販売を伸ばす成長戦略。例えば、既存顧客に広告や値引きなどを通じて、既存商品をより多く買ってもらえるようにする方法である。

市場開拓戦略

新しく顧客を開拓して、既存製品の販売を伸ばす成長戦略。例えば、国内向け商品を海外にも販売するという方法である。

製品開発戦略

既存の顧客層に向けて、新製品を開発して販売する成長戦略。製品のモデルチェンジやバージョンアップなどが該当する。

多角化戦略

新しい製品分野・市場分野に乗り出し、新しい事業を展開することで成長する戦略。例えば、航空会社が音楽流通ビジネスを展開するような方法である。

Aの領域(自社の現状)………現在の製品、サービスは何か。

  Bの領域(新市場開拓)………現在の製品、サービスを新しい市場、
                顧客へ提供できないか。

  Dの領域(新製品開発)………現在の顧客に今と異なる製品、
                サービスを提供できないか。

  Cの領域(多角化)……………B、Dを行ないさらに、新しい市場、
                顧客へ新しい商品を提供することが
                できる可能性はないか。

多角化戦略をもう少し詳しく

アンゾフは多角化戦略について、さらに次のようなタイプがあると指摘しています。

■水平型多角化
同じ分野で事業を広げるタイプです。たとえば、オートバイメーカーであったホンダが自動車事業へと多角化したケースなどがあげられます。

■垂直型多角化
製造の上流もしくは販売という下流へと事業を広げるタイプです。たとえば、部品メーカーが製品まで手がけ、販売するケースなどがあげられます。

■集中型多角化
現状の製品と近い製品によって新しい市場へと進出するタイプです。たとえば、Apple ComputerがiPodを開発、音楽配信に乗り出したケースなどがあげられます。

■ 集成型多角化(コングロマリット型多角化)
まったく新しい製品を、新しい市場に導入していくタイプです。ソニーやイトーヨーカ堂による銀行業務への進出などがあげられます。

戦略の構成要素

アンゾフの経営戦略では、戦略の構成要素として次の4つを挙げています。

■製品・市場分野
自社の製品と市場のニーズから進出分野を明らかにすること

■成長ベクトル
成長させる分野を考えること

■シナジー
新しい分野に進出することによって得られるシナジー効果(相乗効果)

■競争上の利点
他社との優位性を考えること

補足資料

動画解説

1 2