1. まとめトップ

最も無難なトリスタンとイゾルデ(アーサー王伝説)

アーサー王関連の物語の中でも、特に著書によって設定の異なるトリスタンを、統一性の高いものを中心に矛盾や無理が生じにくい形でダイジェストしました。

更新日: 2018年12月30日

23 お気に入り 29927 view
お気に入り追加

この記事は私がまとめました

来栖崇良さん

悲しみの子 トリスタン

トリスタンは、リオネスのメリオダス王と王妃ブランシュフルールの間に生まれるが、メリオダス王はブランシュフルールを捨て別の女性を求めた。

悲しみにくれるブランシュフルールは我が子を「悲しみの子」という意味の「トリスタン」と呼ぶようになった。

成長したトリスタンは自分を騎士として取りたててくれる主君を求めた。




コーンウォールのマルク王がトリスタンの才覚を気に入り寵愛するようになる。

マーハウスとの決闘

かつて続いていたコーンウォールとアイルランドとの戦いは、コーンウォールがアイルランドへ毎年一定の貢物をすることで和睦がなされた。

コーンウォールはその貢物を送っていなかったが、アイルランドは長いこと黙認していた。

ところが、アイルランドにマーハウスという騎士が現れると、そのあまりの強さからマーハウスは政治的な発言力を増した。

マーハウスはコーンウォールにこれまで滞納した分の代わりとして、コーンウォールの子ども3人に一人を奴隷として差し出さなければ、戦争になると脅してきた。

そして、全てを拒否するならば、コーンウォールの騎士が自分と一騎討ちをして勝ってみろと言うのであった。


トリスタンは、マルク王に自分がマーハウスに挑戦をすると名乗り出て、決闘の場に赴く。



対決はトリスタンが圧勝し、マーハウスは瀕死の状態でアイルランドに戻ると間もなく息絶えた。

ツバメが運んだ黄金の髪の毛

マルク王は未婚で子がなかった。

そのため、マルク王は寵愛するトリスタンに王位を継がせようとしているのではないかという噂が立ち、マルク王の縁者はトリスタンを疎ましい目で見るようになる。


ある日、マルク王の頭上を飛んでいた燕から一本の女性の髪の毛が落ちてきた。

その髪の毛は金髪ではあるが、影の中では青みを帯びて、日の光にさらすと炎のように輝き、この世に二つとない魅惑の色彩を放っていた。

マルク王はその髪の毛に想いを寄せるようになり、この髪の毛の持ち主を妻にしたいものだと言い始めた。


トリスタンは自分がその髪の毛の持ち主を探し出してコーンウォールに連れて帰ると宣言する。

アイルランドの地は強暴なドラゴンの猛威に悩んでいた。

そこでアイルランドのアグウィサンス王は、ドラゴンを退治した者には身分を問わず娘イゾルデを与えると布告していた。


一方、トリスタンはドラゴンを倒せば、かつてマーハウスを殺したことをアイルランドに赦してもらえると考え、ドラゴンの退治に成功する。



トリスタンはドラゴンを倒したということでアグウィサンス王と会う。

トリスタンは主君マルク王が金髪のイゾルデを求めていること、そして、コーンウォールとアイルランドの友好のために金髪のイゾルデがマルク王の妻となることを求め、アグウィサンス王はそれを了承した。


しかし


コーンウォールに帰る船で、トリスタンと金髪のイゾルデはお互いに想い合ってることを感じあう。

マルク王は金髪のイゾルデをえらく気に入り、予定通りに金髪のイゾルデはマルク王の妻となる。

トリスタンと金髪のイゾルデは、やがて密かに逢瀬を重ねるようになる。

トリスタンとイゾルデの逢瀬は露見し、二人は捕えられる。



マルク王は二人に死刑を宣告するが

マルク王は金髪のイゾルデを愛し、トリスタンのことは息子のように思っていた。


マルク王の温情で、トリスタンの国外追放処分で事は治められた。

トリスタンは金髪のイゾルデから愛の証として金の指輪を渡されると、コーンウォールを後にして各地を流浪した。

トリスタンは、キャメロット城に着くと、一晩の庇護を求め、その謝礼に竪琴で物語をうたった。




これを機にしばらくの間、トリスタンは「円卓の騎士」として数々の活躍を重ねる。

白い手のイゾルデと結婚する。

トリスタンがブルターニュを訪れた時、王女を強奪しようとする敵と戦うホエル王に加勢した。
トリスタンの武勇に感謝し惚れ込んだホエル王は王女と結婚して欲しいと頼む。


王女はこの世の者とは思えないほどに透き通るような白い肌の持ち主で白い手のイゾルデといった。

放浪に疲れ、愛に飢えていたトリスタンは、安住を求めて白い手のイゾルデと結婚する。

再びブルターニュは戦禍に巻き込まれ、トリスタンは瀕死の重傷を負う。

最期を感じたトリスタンは、使者に金髪のイゾルデからもらった金の指輪を託してコーンウォールに行くように頼んだ。



そして、帰りの船に、金髪のイゾルデが乗っているなら白い帆を、金髪のイゾルデが乗っていないなら黒い帆を、掲げて欲しいと言った。

やがて、コーンウォールからの船が向かってきているという知らせが入り、トリスタンは白い手のイゾルデに船の帆の色をたずねる。


白い手のイゾルデが「黒い帆です。」と答えると、間もなくしてトリスタンは息を引き取った。

トリスタンの死から数時間後、事切れたトリスタンのもとに現れた金髪のイゾルデは、悲しみのあまりトリスタンに覆いかぶさると、そのまま死んでしまう。




事の顛末を知ったマルク王は、悲しみの言葉も許しの言葉も一言も述べず、トリスタンと金髪のイゾルデの遺体をコーンウォールに運び、二人を同じ墓に埋葬した。

【 関連まとめ 】

1 2