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世界最古のアナログコンピューターと言われる「アンティキティラ島の機械」の秘密が明らかに

古代の沈没船から発見された、青銅製の歯車式の道具「アンティキティラ島の機械」は、発見後長らく作られた年代や場所、使用方法など多くが謎に包まれていました。しかし、X線分析の結果、道具の表面に3500以上の文字が書かれているのが見つかり、古代ギリシャ人が天体観測やオリンピックの時期を知るためなどに使っていたことが判明しています。

「アンティキティラ島の機械」は発見からおよそ50年の間、天体観測儀のようなシンプルな設計のものだと考えられていて、「ギリシャ人が非常に精巧かつ正確な機械を作り、1400年もの間歴史の表舞台から消え去っていた」とは誰も考えなかったとのこと。

その後、イェール大学に所属する博学の物理学者・科学史家のDerek de Solla Price氏がアテネ国立考古学博物館を訪れてアンティキティラ島の機械を観察し、「アンティキティラ島の機械は天体の動きを計算して宇宙の営みを示す機械であり、世界最古のコンピューターと言える」という論文を1959年に発表。以後25年間にわたって、Price氏はアンティキティラ島の機械がどのように動くのかというメカニズムの解明に取り組みました。

アンティキティラ島の機械は、内部の部品の多くが壊れたり腐食したりしていた上に、表面に刻まれた文字が薄れたり、部品同士が重なって文字がつぶれたりしていました。

X線分析や画像解析技術が発達し、表面に書かれた文字を判別できるようになったため、2005年に世界中の考古学者・天文学者・歴史家による研究プロジェクト「The Antikythera Mechanism Research Project」(AMRP)が発足しました。

出典i.gzn.jp

X線分析により明らかになった、機械表面の文字。

研究結果から、アンティキティラ島の機械は約2100年前に作られたと推測されています。構造は非常に複雑で、くるくると回る部品や、少なくとも30個の青銅製のギアを含む精巧な部品が使われているとのこと。ギアには何千個もの歯があり、以下の写真では中央部分に白い歯車が残っているのが分かります

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目盛りが刻まれた円形の部品もあり、驚くべき精度で時間の経過や天体の動きを示していたと見られています。少なくとも3種類のカレンダーで日数を計算し、オリンピックの時期を計算するための目盛りもあるとのこと。

AMRPでは、アンティキティラ島の機械の部品をスキャンして3Dモデルを作成。

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機械の正面には目盛りがあり、恒星や惑星を表す印が地球の位置に基づいて書かれていました。月を模した小さな球が細長い軸の上でくるくると回り、月の満ち欠けを示すために黒と白で塗られていました。側面には機械を動かすための取っ手がついています。

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機械の裏面。アンティキティラ島の機械は、古代ギリシャの遺物の中で最も精巧に作られていて、同じような精巧さを持つ機械は、14世紀のヨーロッパで歯車式の時計が登場するまで現れませんでした。

機械に刻まれた文章からは、古代ギリシャ北部の街・コリントの独特のカレンダーについての記述や、機械の表面に取り付けられた小さな球についての記述、ロドスの街で開催されていた競技会の日程についての記述なども発見されています。沈没船からはロドスで作られたと見られる陶器も見つかっていることから、「アンティキティラ島の機械はロドスで作られたのではないか」と見られています。また、Jones氏は、「機械作りの技能や表面に書かれた文字の筆跡から見て、機械は古代ギリシャの小さな工場で複数人の手によって作られ、アンティキティラ島の機械以外にも似たような道具を作っていたのでは」と推測しています。

アンティキティラ島の機械で太陽や月の食を予測するためのダイヤルは、食が発生した際の月の色や、当日の天気も予測できるとのこと。Jones氏は、「アンティキティラ島の機械についての研究は、人間が道具を使い始めた起源や目的について理解を深めるのに役立つ」と語っています。

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