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「相続税対策にアパート建設」ってどういうこと?

なぜアパートを建設することが相続税対策につながるのかを、簡単にご説明します。

更新日: 2016年06月22日

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1 なぜ最近「相続税対策」が盛り上がっているのか?

2015年1月1日から、相続税の基礎控除額が引き下げられたのと同時に最高税率が引き上げられた。

最高税率の引き上げとは、要するに財産をたくさん持っている人からより多くの税金を採ることができるようになることを意味します。

相続税の税率も、相続人の法定相続分の取得価格が2億円超に関しては、累進性がきつくなり、最高税率も50%から55%へと引き上げられている。

5%の引き上げというと、さほど負担感がないと思われるかもしれない。しかし、この法定相続分の取得価格(課税される遺産総額(=課税価格の合計額-基礎控除)を法定相続人が法定相続分に応じて取得したものとして計算した価格)が仮に3億円と仮定すると、従来の「3億円 x 40%-1700万円=1億300万円」が、新税率のもとでは「3億円 x 45%-2700万円=1億800万円」と500万円も増税となる。

更に、法改正により、基礎控除額も引き下げられました。

「控除」とは、税額計算を行う上で、相続財産を無いものにしていいよという金額のことです。具体的には、「マイナスの財産(借金など)」や「基礎控除」などがあげられます。「マイナスの財産」が「相続財産(プラスの財産)」に比べて多いようなときは、例え相続放棄をしなかったとしても、相続税の計算上は相続財産がないこととなり、結果として相続税額もゼロになります。

相続財産の価格が基礎控除内であれば、そもそも相続税は発生しないということですね。

【H26.12/31までの基礎控除額】
5000万円+1000万円×相続税法上の法定相続人の数

【H27.1/1以降の基礎控除額】
3000万円+600万円×相続税法上の法定相続人の数

相続税は2014年までは「5,000万円+1,000万円×相続人の数」を下回っていれば、相続税はかからないようになっていました。

しかし、2015年からこれが一転し、「3,000万円+600万円×相続人の数」を下回っていないと相続税は納めなればならないことになったのです。

基礎控除額の引き下げはかなりインパクトが大きいかと思われます。

これまでの制度では相続税の心配が要らなかった方でも、にわかに相続税対策を考えなければならなくなったわけです。

2 なぜアパートを建てることが相続税対策になるのか。

相続税の計算は、次のような順番で行います。

1. 遺産総額を算出する
2. 基礎控除額を差し引いて課税対象となる額を確定する
3. 各人の法定相続分に基づく相続税額を算出し、合計する
4. 3の合計額を、各人が実際に相続した遺産の割合で割りあて直す
5. 各人ごとに事情に応じて増額・減額して最終的な相続税の額を確定する

アパートを建てることは、このうち1の「遺産総額の確定」にかかわってきます。

例えば、3000万円の家を建てるとすると、その資金を出すことによって、3000万円減少することになります。一方、建物が財産として残ることになりますが、3000万円で建てた建物の評価額は、3000万円より安くなるのが通例ですし、建物の評価額は、時の経過とともに減価しますので有利に働くことが考えられます。

相続税の計算上、土地や建物は時価で評価されるわけではなく、相続税評価額と呼ばれる相続税法等によって計算された金額で評価されます。
賃貸経営・アパート経営が代表的な節税対策と呼ばれるのは、この計算において相続税評価額を大きく下げられるからに他なりません。

一般的に、土地は相続税や贈与税を算出するときの基準になる「路線価」を用いて評価することになり、更地の場合も、この路線価がそのまま相続税評価額となります。しかし、アパート用の土地のように、貸家の目的とされている宅地については、「貸家建付地(かしやたてつけち)」として評価され、更に20%程度評価を下げることが出来ます。

建物であれば「固定資産税評価額」を用いて計算することになります。固定資産税評価額は概ね建築費の60%程度となることが多く、現金を不動産に替えるだけでかなりの節税となります。
更に、賃貸用の建物であれば、「貸家」として評価され、更に30%評価を下げることが出来ます。

例えば、5000万円の土地と3000万円の現金を持っていたとします。
そのままですと遺産の額は8000万円であると評価され、この額を基準に相続税が課されることになります。

しかし、現金3000万円を使って、土地の上に賃貸アパートを建てたとしましょう。

そうすると、土地の評価額は“借地権”と“借家権”の負担が付いたものであると評価されるため、評価額が4000万円程度になります。
そして、3000万円の現金を使って建てたアパートは、固定資産税評価額を用いて評価額が計算され、さらに“貸家”として評価がなされるため、さらに評価額は下がり、1200万円程度になります。

まとめると、
8000万円の財産が、
4000万程度+1200万円程度=5200万円程度の評価額になるということです。

言い方が適切でないかもしれませんが、アパートを建てることは、
「自分の財産を少なく見せる」
ことになるのです。

3 小規模宅地等の特例も使える?

アパートの敷地は貸付事業用宅地に該当するので、要件を満たせば小規模宅地等の特例を適用することもできます。

「小規模宅地等の特例」とは、租税特別措置法69条の4に定められた、「土地の評価」に関する特別の方法になります。なにが特別なのかというと、「小規模宅地等」に関しては、その評価額を50%-80%「減額」させるということです。

これを利用することができれば、さらに土地の評価額を下げることができます。

4 相続時精算課税制度を利用して、子供にアパートを贈与しておくのもアリ。

相続時精算課税制度とは?

生前贈与について、受贈者の選択により、贈与時に贈与財産に対する贈与税を支払い、その後の相続時にその贈与財産と相続財産とを合計した金額をもとに計算した相続税額から、すでに支払った贈与税を控除することにより贈与税と相続税を通じた納税をする制度が、相続時精算課税制度です。適用対象となる贈与者は65歳以上の親、受贈者は20歳以上の子となっています。
 なお、この制度を選択すると、生前の贈与に通算で2,500万円の贈与税非課税枠が与えられますが、一度選択すると従来の暦年課税方式(基礎控除110万円などの利用)へは戻れません。

もっとも、土地を贈与してしまうと、相続時に小規模宅地等の特例を使えなくなってしまうので注意しましょう。

5 もちろん、リスクもしっかり考慮しましょう

まず、アパートを経営することになる以上、経営が安定しなければ相続税を節約した意味がなくなってしまいます。空室リスク等、しっかり考慮した上でアパートを建てましょう。

もう一つ、アパートは現金と違って分割が困難です。そのため、遺産分割時に相続人間で骨肉の争いが勃発しないよう、遺言を作成しておくなど、しっかり準備をしておきましょう。

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