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冥王星“準惑星“降格の衝撃から10年…主犯エリスら5つの準惑星の現在

ライバル「エリス」の出現によって太陽系の“惑星”から冥王星が外されるという衝撃から10年。「水金地火木土天海冥」も今は昔。冥王星の現在の肩書き「準惑星」たちの物語です。

更新日: 2016年07月31日

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冥王星が惑星から除外される事件から、10年が経過しました

1930年に発見。
2000年代にはいり、「あいつなんか変じゃね?」「惑星じゃないんじゃね?」と言われつつ、ついに2006年に「準惑星」に降格されてしまった可哀想な星。

かつて太陽系の惑星を覚える際に「水金地火木土天海冥」という連の言葉を学習したが、現在の太陽系の惑星は「水金地火木土天海」と習う。
読んで字のごとく、冥の文字、つまり冥王星が無くなっている。

かつて、太陽系の惑星は9つ──すなわち、水星・金星・地球・火星・木星・土星・天王星・海王星・冥王星──であるとされていました。
しかし2016年現在、冥王星は「惑星」から除外されてしまいます。

冥王星(めいおうせい、134340 Pluto)は、太陽系外縁天体内のサブグループ(冥王星型天体)の代表例とされる、準惑星に区分される天体である。1930年にクライド・トンボーによって発見され、2006年までは太陽系第9惑星とされていた。

地球や木星、土星などと同格とされていた冥王星ですが、天体観測技術の進歩の結果、どうもその惑星としての存在意義が怪しくなってきたのです。

冥王星の軌道は、他の惑星たちと比べて明らかに変だった。
たまに海王星よりも内側に来るし…。

プラハで開催されていた国際天文学連合IAUの総会において、惑星の定義を「①太陽(恒星)の回りをめぐる、②自らの重力によって球体になった天体で、③その軌道付近で主要な存在であること」とすることが賛成多数で可決されました。
これにより、冥王星はこれまでの惑星の立場から"降格"することとなりました。

学者たちは「惑星」の定義を見直し、その結果冥王星は惑星から除外されてしまったのです。

何故に冥王星が準惑星とされたのか? 冥王星はそれまでも特殊な性質を持つ惑星として知られており、分類的に他の惑星と一緒にするには疑わしい部分があって、更には1990年代以降に冥王星の仲間とも言える天体が次々と発見されたからに他ならない。

冥王星が「惑星」から外されてしまった理由…それは、冥王星に匹敵する天体が次々に発見されたから、でした。

2006年8月24日に国際天文学連合 (IAU) は惑星の定義を決定し、その条件の一つである「軌道周辺で他の天体を一掃している」に当てはまらない冥王星は準惑星として分類しなおされることとなった。

冥王星が太陽系の「惑星」の肩書きを外され、新たに与えられたのは「準惑星」という地位でした。

▽ 現在の太陽系の5つの「準惑星」

火星と木星の間にある『小惑星帯』から「ケレス」が、そして海王星よりも外側の『太陽系外縁』から「冥王星」「エリス」といった天体が「準惑星」として定義されています。

2016年7月現在、準惑星とされているのは冥王星、エリス、ケレス、マケマケ、ハウメアの5つの天体です。

1. 冥王星

冥王星(左)とその第一衛星カロン。
冥王星にはカロンの他に4つの天体が衛星として、2005年以降に相次いで発見されています。

発見されてしばらくは、地球と同じかそれより少し小さいくらいの大きさと思われていた冥王星ですが、現在では直径2390kmと月よりも小さな天体であることがわかっています。

1930年に発見された冥王星。当時は地球と同等の質量を持つ惑星と考えられていましたが、科学技術の発展はその“月よりも小さい”という残酷な真実を暴いていくことに。

冥王星は小さい。サイズも質量も。ぶっちゃけ冥王星は月よりもサイズが小さくて質量も小さい。

冥王星よりも大きな太陽系の衛星は実は7つ(ガニメデ、タイタン、カリスト、イオ、月、エウロパ、トリトン)もあります。

何十年も、冥王星は同類の星がない、外縁部の孤独な星とされていました。それが今では、氷に覆われた無数の星々のうちの1つだということが分かっています

さらに、太陽系のはるか彼方(太陽系外縁、エッジワース・カイパーベルト)には冥王星に似た天体が複数存在していることがわかり、これらは現在では「冥王星型天体」と呼ばれるようになっています。

冥王星とカロンは連星系を作っていて、宇宙空間の共通重心のまわりを互いに公転し、見つめ合いながら宇宙のダンスを踊っている。

冥王星の衛星である「カロン」は、その大きさが冥王星の1/2ほどで、衛星と呼ぶにはあまりに大きく、また共通重心が冥王星とカロンの間の宇宙空間にあるため、冥王星とカロンは“二重天体”であるとの解釈もできるとされています。

冥王星(中心)とカロンの軌道。
冥王星とは互いに同期回転しているため、カロンは常に冥王星に同じ面を向け、冥王星もカロンに対して常に同じ面を向けています。
つまり、仮に冥王星またはカロンから互いを見たとすると空の一点から動かないように見えるのです。

他の惑星に比べ、最近(1930年)、しかも、アメリカ人の発見した唯一の惑星だったこともあり、ことに、アメリカで大人気の冥王星でしたが、皆さんもご存知の通り、2006年8月24日に惑星の定義が見直され、第9惑星からはずされてしまいました。

アメリカ人天文学者クライド・トンボーが発見した冥王星ですが、周知のとおり、2006年に惑星から準惑星に降格されてしまいます。
そして、冥王星を“殺した”のも同じアメリカ人でした──。

2. エリス

2005年に発見され、冥王星よりも大きい天体としてその存在が物議を醸した星。
“冥王星を殺した星” として世界中の冥王星ファンや科学知識を更新していない者たちから恨まれている存在。

準惑星「エリス」は、冥王星の3倍も太陽から離れているにもかかわらず、同じく準惑星に格下げされた冥王星と双子のようによく似た天体だという。

冥王星にそっくり、もしかしたら冥王星よりも大きいかもしれない──そんな物騒な天体が2003年に撮影された画像に写っているところを、マイケル・ブラウン、チャドウィック・トルヒージョ、デイヴィッド・ラビノウィッツにより2005年に発見されました。

2005年7月29日 カリフォルニア工科大学のマイケル・ブラウン教授(惑星科学)は、2003UB313の発見に関する電話会見で、「太陽系外縁部で初めて冥王星よりも大きいと確認できた天体だ」と述べました。電話会見が急遽行なわれたのは、発見の内容が記載された非公開のウェブサイトがハッキングされ、ハッカーがこの情報を公開すると脅しをかけてきた、という知らせをブラウン教授が受けたためだといいます。

発見者のマイク・ブラウン氏のチームは、当初この天体を冥王星に注ぐ「第10の惑星」だと主張します。

準惑星の中で最大。冥王星よりもでかい。恐らく冥王星を準惑星へ降格させた張本人。第10の惑星という異名を持つ。

直径で冥王星を上回っているだけでなく、質量でも冥王星を上回っているらしいことが分かっています。
そしてその発見は、「惑星」の定義に大きな影響を与え、世界中の教科書を書き直すことになります。

発見当時の惑星の定義は、「太陽を周り、ある程度の大きさを持ち、軌道を占有している天体」というものが一般的であったが、これは定義としては曖昧であり、より厳密な定義を求めて活発に意見が交わされていた。歴史的な経緯から惑星として扱われていた冥王星についても、同じような軌道上には冥王星に匹敵する質量の天体が多数発見されているため、惑星と見なすのはおかしいのではないかと主張する天文学者は増えつつあった。

エリスの発見は、すぐに冥王星の“惑星としての立場”に鋭い刃を向けさせることになります。

エリスは、ギリシャ神話の混沌と不和の女神にちなむ。彼女は軍神アレス(火星)の妹であり、アレスに従属する。女神たちの不和を生み、トロイア戦争のきっかけを作った。
エリスはアメリカ発見の準惑星だが、同様にアメリカ発見の冥王星の降格関連で(議論の)混沌と(アメリカとの)不和をもたらした事に対する皮肉が込められているものと推察されている。

アメリカ人が唯一発見した“惑星”である冥王星を降格させてしまったことで、マイク・ブラウンは冗談半分に「冥王星キラー (Pluto killer)」と呼ばれることもあるようです。

冥王星を惑星から準惑星に格下げさせた天体「エリス」を発見した天文学者マイク・ブラウンによる著書。
天文学の醍醐味が、肩の力を抜いた文体で綴られています。

「エリスの1年」、つまり太陽のまわりを1周するまでの時間は560年もある。一方、衛星ディスノミアは直径150キロメートルで、エリスから3万7000キロメートル離れた軌道を16日で1周している。Brown教授いわく、「エリスの月めくりカレンダーは分厚いことでしょう」。

2005年、エリスに衛星の存在が発見されます。
それは不和の女神エリスの娘である不法の女神にちなみ、「デュスノミア」と名付けられました、。

3. ケレス

発見は1801年。他の「準惑星」が太陽系のはるか彼方の「太陽系外縁天体」に属するのに対し、ケレスは小惑星帯(火星と木星の間)に位置するため、意外と古くからその存在が知られていました。

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