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豚・イノシシなどの生食(ジビエ)は危険!過去最多を更新するE型肝炎

急な発熱、全身のだるさ、食欲不振、吐き気・嘔吐、数日後に黄疸などの症状が出るE型肝炎が過去最多を更新しています。増加してきている背景に、豚やジビエとして野生のシカやイノシシなどの肉の生食を食べることが増えてきたことがあります。

更新日: 2016年07月21日

egawomsieteさん

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■E型肝炎が過去最多、豚・イノシシなどの生食で感染

豚やイノシシ、シカなどを生で食べることで感染するE型肝炎の患者が、今年すでに227人に上り、調査を始めた2003年以降で最も多くなったことがわかりました。

 E型肝炎をめぐっては、豚の生食は危険性が高いとして、厚生労働省が去年6月、飲食店で豚を生で提供することを禁止しました。

 厚労省は、「豚やジビエの肉や内臓は生で食べずによく火を通してほしい」と呼びかけています

■E型肝炎が増加してきた理由とは

E型肝炎ウイルスは、熱帯および亜熱帯の発展途上国で流行がみられ、衛生状態の悪い国の感染症と考えられていました。しかし、最近では、わが国でも家畜の豚や野生のイノシシなどからE型肝炎ウイルスやその抗体が検出され、豚肝臓(レバー)や野生動物の肉、内臓の摂食による肝炎発症が報告されています。

近年、E型肝炎が増加してきている背景には、「ジビエ」として人気が高まっている野生のシカやイノシシなどの肉の生食を食べることが増えてきたことが考えられます。また、禁止された牛レバーの代わりに豚レバーの生食を提供する店が増えたのも原因の一つでしょう。牛より豚のほうが、E型肝炎ウイルスや寄生虫に汚染されていることが多く、十分に中まで火を通さなければ危険です。

厚生労働省からも、以下のように勧告されています。

ワクチンなし

E型肝炎ウイルスは感染すると急性肝炎を引き起こし、高齢者や妊婦の感染例では劇症化の報告もあります。慢性化することはないとされています。輸血による感染も報告されており、日赤ではE型肝炎が多いとされる北海道で、輸血用血液におけるE型肝炎のスクリーニングを試験的に行っています。

E型肝炎に対してのワクチンはありません。E型肝炎に感染した場合、すべての人が肝炎を発症するわけではありませんが、発症した場合は黄疸や食欲不振、発熱などの症状をきたします。E型肝炎の治療は状況に応じた対症療法しかなく、劇症化し集中治療室での高度医療が必要になることもあります。

豚(レバーなど)やシカ、イノシシは生で食べるのは避けなくてはいけません。中心部まで火が通るように加熱すれば、E型肝炎ウイルスは感染性を失うため感染の危険はありません。

■ウイルスはどこにいる?

イノシシ、シカ、ブタの生食がE型肝炎感染のリスクを高めていることを推測させる情報が集まってきたのを受けて、動物の調査も進んできました。野生のシカでは1%、イノシシでは地域によって3~13%の割合でウイルス遺伝子が検出されました。抗体保有率はイノシシで20~50%程度で、過去の感染が疑われます。

ブタについては、さらに細かく調べられています。子ブタは集団で育てられ、6ヶ月頃になると食肉用に出荷されます。3ヶ月と6ヶ月の子ブタの調査の結果、3ヶ月では約10~80%のウイルス遺伝子の検出率、抗体保有率は30~80%、6ケ月ではウイルス遺伝子はほとんど検出されませんが、抗体保有率は90~100%となっています。
 1980、1990年代の調査でも同じくらいの抗体陽性率でしたので、ここ数年で急速に感染が広まったわけではないことが明らかとなりました。ある地域のブタから検出されるウイルス遺伝子の配列は、その地域のE型肝炎患者から検出されるウイルス遺伝子と類似しているという報告もあります。

日常でブタとの接触の機会が多い養豚業者や獣医師について、抗体陽性率を台湾、アメリカ合衆国で調べたデータがあります。獣医師や養豚業者は、対照となるブタとの接触のほとんどない人たちに比べ、1.5~4倍の抗体陽性率を示していました。しかしながら、これらのブタに関わる仕事に従事する人たちにおいてE型肝炎患者の発症率が高いという報告はなく、衛生管理が重要とはいえ、頻繁な接触が発症につながるというわけでもなさそうです。

また、ブタは明らかな臨床症状を示さず、肉眼で病変を確認できる程度です。子ブタについては、集団で育てられている時期に感染してもそのほとんどは無症状であり、抗体はできるものの、出荷時においてはウイルスは体内から消失しているというような状況が考えられます。

とはいえ、市販品のブタレバーからウイルス遺伝子が検出されたという報告や、イノシシ肉、シカ肉、ブタレバーの生食による感染が疑われているのですから、やはり内臓だけではなく、肉も十分に加熱することが、感染を防ぐ上で重要です。ブタレバーなどにウイルスが残っていたとしても、通常の加熱調理で感染性は失われます。
 ハム、ソーセージなどの加工食品も、食品衛生法に基づく食肉製品の製造基準である63℃で30分間と同等以上の熱処理で、E型肝炎ウイルスは感染性を失うため、危険性はありません。

■ジビエ肉とは

ジビエ料理(gibier)とは狩猟により獲た、鹿、ウサギ、野鳥などの料理を指しますが、欧米での実体では飼育された素材を使用することが多く、より素材が少ない日本では輸入の冷凍飼育鳥獣がほとんどです。

秋から冬にかけて、日本でも一部のフランス料理店ではジビエが売り物メニューになり、グルメが殺到するといわれます。
2003年の初版でジビエをとりあげた当時に較べ、ファンはより増えていますが、食素材や感染症の危険知識についてはあまり普及していません。
欧米人は肉類に充分な加熱をします。
狩猟民族に較べ日本は島国の農漁業国だけに肉類の危険知識が足りないようです。

ジビエ料理で死亡者が

厚生労働省は2003年8月1日に、野生動物の摂食に対する危険を通達しました。
2003年3月に鳥取県で発生した2名のE型肝炎患者が、いずれも同じ野生イノシシ(wild boar)の肝臓を生食後に発症し、1名(70才)は劇症肝炎で死亡、他の方も重症肝炎になったからです(その後の経過は不明)。
兵庫県ではシカ肉を生で食べた4名の方が6-7週間後にE型肝炎を発症し加西市立加西病院に入院したといわれています。
この事例は日本の学者によって英誌THE LANCETに掲載されました。

厚生労働省によれば、いずれの事例も猪、鹿の狩猟収穫物を、生肉で摂食し、レバー刺しまで堪能したようです。
相当なグルメではないかと想像していますが、寄生虫や感染症の危険は知らなかったようです。
刺身の文化を持つ日本人は生肉を好みますが、馬刺しを含めて非常に危険な選択。
E型肝炎(HEV)は人畜共通感染症と疑われている唯一の型。
ピコルナウイルス科のA型肝炎と同様の一過性肝炎でキャリア(保菌者)になることはありませんが、第三期の妊婦が感染すると重篤な劇症肝炎になり、20%を超える致死率になると
の研究報告があります。

■寄生虫が多い豚肉

豚肉は寄生虫が多く、腸管出血性大腸菌による食中毒の恐れがあるため、2015年6月には食品衛生法が改正され、「食品、添加物の規格基準」により豚肉の生食が禁止されています。飲食店側の罰則が追加され、違反した場合は罰金や懲役刑を科すことも可能になりましたが、相変わらず生食用の豚肉を提供していたようです。

日本国内では食肉の安全神話があるからなのか、豚だけでなく猪や鹿・馬を生食する者に感染を起こして、毎年の感染者は15万人に及んでいます。最近では鶏肉の100%が感染しているカンピロバクターの感染と毒素により500万人以上の感染者が食中毒を起こしています。

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